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ねこみみと遺跡④

どうやらオリジナルスキルはとんでもないものらしい。

そしてそれをいくら初日特典のガチャガチャだとしても引き当てるなんてあり得ないらしい。

根拠として、


「えっ。フレンディアって"狩人(かりびと)"だったの……」


「警戒しなくても何もしないわよ。

情報屋からレアスキルやウルトラスキル、一番はオリジナルスキルを誰が持ってるか聞いていたの。

流石にオリジナルスキルを持っている人はいない。はずだったのに……」


「…………??………」


「まぁ、ユウは自慢とか見せびらかしとかしないから…」

「この天然じゃ、自分の措かれてる状況も分かってないわね……」


「それでフレンディアはどうするの?」

「……よければ、このまま一緒がいいけど……"狩人"だよ?」


"狩人(かりびと)"

それはこのゲームでスキルや武器や防具などを倒して奪う者達を指す。

ゲーム内ではこの狩人は容認されており、度の過ぎた行為、特定の人物に何度も仕掛けることや、集団による狩りは"オーバーキル"と見なしている。

なので個々で狩人が多いがそれでもそれはゲームを楽しむ余興の一環となっているのだ。


「ゲームでいいって言ってるのもあるけど、フレンディアが私達にそんな事をしないって言ったから、かな?」


「…………??………」


「…………もう、私の、負けよ……」


両手を上げて降参の意を示すフレンディア。

いまの現状がよく分からない結城はフレンディアに近づいて


「…………どこかに……いくの……??」

「……いかないわよ。良かったらフレンド登録してくれる??」


「…………うん………!!」


その時のニコッとした笑顔に胸撃たれたフレンディア。

隣のミラはすでに倒れている。


「……こ、これは……ヤバイわ……」

「……ユウ……だからね……」


ここにまた"ユウ"の魔力に取りつかれてしまった者が……


「私の愚かさが、見えてくるわね……」

「……ビバ、ユウよ………」


「…………??………」


………………………


「うわぁ……」

「…底、見えないわね……」


遺跡の最下層部手前に到着したのだが問題が発生した。

そこから下へ向かうには飛び石に乗り下るしかないのだが、一つ間違えれば奈落の底。そしてその飛び石も狭く簡単には降りていけないものだった。


そしてさらにその飛び石は


「うわああああぁぁぁぁ……………」

「え、えげつないわね……」


自分達よりも早く来ていたプレイヤー達がが最下層部を目指して飛び石に飛んだのだが、その中の一人がある飛び石に乗ったところ突然浮遊を止めてプレイヤーと一緒に奈落へと落ちていったのだった。


飛び石の中にダミーがある。

そしてそのダミーは飛び石と見分けがつかないほどのもの。

さらにこの飛び石は一人ずつしか渡れない。

二人で行こうとすると一気に飛び石が消えてしまい奈落へと落ちる。

先に来ていたプレイヤー達が何人も挑戦するがまだ成功はない。


「それに、飛び石のダミーが定期的に変わるみたい」

「そのタイミングもバラバラ…確かに人数が多くないと攻略立てられないわ……」


「いても、って感じが強いけど…」

「よっぽど運がないと……いけないってことかしら…」


すると先に来ていたプレイヤー達がまた一人挑戦することになったようだが


「もう無理だろう!何人も失敗してるんだぞッ!!!」

「ここまで来て帰れるかッ!!」

「もう後ろに別のプレイヤーが来てるのよッ!!」

「あぁー!くそッ!!!」


意を決して飛び石に飛び乗るプレイヤー。

しかし五度目の飛び石はダミーだったようでまた奈落へ落ちていった。

数十人いた集まりもすでに三人まで減っていた。

それでもこの三人は諦めていないようで


「………三人同時にいこう」

「はぁッ!!?何いってるのよ!」

「まだ試してないだろう!!もしかしたら!!!」


「何をバカなことを言ってるんだ!」

「そうよ!」

「う、うるせえッ!!いくぞッ!!!」


リーダーなのだろう。結局二人も押しきられて三人同時に飛び石飛ぶことになった。結果は……もちろんダメであり


「くそッ!!!」

「このボケッ!!!」

「もうッ!!いやッ!!!」


奈落に落ちながらも文句を言い合いあっている。

そして残されたのは結城達だけとなったが


「………帰りましょうか」

「フレンディアさん?」


「いやよ私はッ!!落ちる前提で飛ぶなんてッ!!!」

「分かるけど、この下にあるなら……」


「ゲームでもムリッ!!!」

「子供じゃないんですから……」


でも気持ちは分かると無理やりは進められない。

あんなものを見せられてしまえば嫌になるのは仕方ない。

この遺跡の攻略は無理だった。と諦めて戻ろうと思ったミラは


「ユウ。ここは諦めて………ユウ?」


さっきまで傍にいたはずのユウがいない。

周りを見渡してみるが何処にもいない結城。

もしかして!?と急いでフレンド登録を確認してみると


「良かった…生きてる……」

「奈落に落ちた、わけではないのよね?」


「うん。でも、だったらどこ……に…………」


奈落に落ちたかと確認している時、何かを見た。

飛び石から飛び石へ。ピョンピョンと飛んで降りている姿が見えた。

小さな体だからか、身軽で、ドンドン降りていっている。


「ユ、ユ、ユウウウゥゥッッ!!!??」

「な、何やってるのよッ!!!??」


勝手にドンドン飛び石を渡り飛んでいる結城。

その姿はドンドン小さくなり、奈落の闇に消えていった。

すぐさまフレンド登録で確認してみるが未だに《死亡》の文字はない。


「ということはまだ飛び石を飛んでるの?ダミーに引っ掛からずに…」

「野生の勘?というか、とにかく勘がとても鋭い感じだったけど……」


ミラが初めて結城を見たときも死角からの攻撃でも避けていた。

初めは偶然程度に思っていたがまさかこんなにも勘がいいとは……


「もしかして"動物"のスキル?」

「さっき見せてもらったときはなかったですね」


「ステイタスは"運"にポイントが多かったけど…」

「それだけでここまで…は……」


と、なると元々結城の素質的なものになる。

そんなことを考えていると結城からメッセージが届いた。


『着いたよ。宝箱いっぱい』


「おおおっ!」

「流石ユウッ!!!」


二人はハイタッチをして喜びを分かち合う。

すると二人の近くに魔方陣が現れた。

もしかしてと思い魔方陣に乗るとその行き先は


「…………きた………」

「ユウウウゥゥ!!!!」

「これは、凄いわ………」


そこには沢山の宝箱とユウがいた。

ミラはユウに飛び付き、フレンディアはこの光景に驚いていた。

大中小様々な宝箱があり、そして部屋の真ん中には祭壇の上にはどの宝箱よりも豪華な宝箱が鎮座していた。


三人はその宝箱の前に立ち一緒にその宝箱を開けてみる。

すると中には武器と防具、そして羊皮紙、攻略の印である世界樹が彫られたメダル三枚があった。


レア武器『形なきもの』

所有者の意思を読み取り形を変える武器。破壊不可

投擲、接地などの手から離れるもの以外の武器だけしか変形不可。

同じ形は1日一回だけ。攻撃力は大きさ・質量・形状によっても変わる。



レア防具『包み込むもの』

所有者を攻撃から自動で守るブランケット。破壊不可

しかし所有者の防御力20%+以上の攻撃は所有者がダメージを負う。

寒さには絶対耐性。身に纏えば常に防御力20%上昇。



レアスキル『四次元空間』

大きさ・数・時間を無視して異空間に物を保存出来る。

使用するときは欲しいものを念じれば出現し、保管は触れれば異空間へ転送する。



どれもレアなものばかり。

メダルはまず置いておいてこの3つをどう分けるか話すことに。


「まずはユウから選んで」

「………いいの……??」

「功労者だからね、好きなもの持ってて」


じっーと3つを見つけたあと結城が手にしたのは羊皮紙。レアスキル。

そのあとはミラとフレンディアが話し、見事に意見が分かれてミラがレア武器を、フレンディアがブランケットをもらうことになった。


そしてメダルだが、枚数と人数から考えれば一人一つなのだが


「私はいらないわ」

「いいの?」


「ええ。それより私、貴女達と一緒行動したいの。

直感と機動力のあるユウに、前衛のミラ。そこに後衛の私。いいチームになると思うけど、どうかしら?」


「願ってもないわ!!いいわよねユウ!?」

「………ティア……なら……いい……」


「ティ、ティア?」


フレンディアは自身を指差し結城に問いかける。


「………長い、から………ダメ……??」

「うっ!!………そんな目で見られたらダメって言えないじゃないの……」


上目遣いからのお願いは効果抜群!現に隣でミラは吐血している。

フレンディアはよく周りから「フレア」と呼ばれていたのだが「ティア」というのは言われたことなかった。

「フレア」ならイメージ的にしっかりしていて強そう。

「ティア」は"女の子"のイメージでか弱そうな感じである。


ミラから見ても「ティア」よりも「フレア」のほうがイメージがしっくりくるだろう。


しかし結城が出した提案に反対するわけもなく、


「よく似合ってますよ"ティア"」

「からかわないでよ……」

「……ティア……ダメ……??」


「……もう、分かったわよ……仲間になるなら、それでいいわ」


こうしてフレンディアもといティアが仲間になり、部屋にあった宝箱はすべて結城の四次元空間に収納され三人は出口へ向かう魔方陣に乗り遺跡を後にした。

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