ねこみみと遺跡③
「お、お金持ちなのね……そ、それは、うん……不味いわ……」
「だから止めたんですよ。……間違いなくバランスが崩れます……」
「…………?」
フレンディアの発言によりPanasonicのゲームバランスが崩壊するところだった。
ここまで来た経緯や、どうして課金に過剰反応したのかなど話しているとフレンディアも納得してくれた。
きっとユウが"ねこ"のためにやろうとしたならきっとお金に射止めなく課金して、そして課金だけで最強のプレイヤーへとなっただろう。
もちろん課金だけでゲーム内最強とはなりえないかもしれないがそれでも強者にはなれる。
課金といっても限度があるのだ。
やりこんでボーナスを使いきるなんてことはよく聞く。
しかしお金持ちが課金しようものなら…どうなるか……
まずお金持ちが課金に手を出すのは少ない。
お金を持っているからこそ、課金に手をあまり出さないことのほうが多いのだ。
「ねぇ。良かったら私も同行してもいい?」
「それは…いいですけど……」
どうしてか?と聞こうとする前にフレンディアから
「この拳銃で倒していたけど銃弾もバカにならなくてね。
やっぱり人がいたほうが色々負担が軽減するしね、どうかしら?」
私はいいですけど……と、ミラからは承諾を得たが問題はまだ隠れている結城だった。
「ダメかな?ここのモンスター、ゾンビもいるから私が積極的に倒すわよ」
「………ゾ、ゾンビ………!!」
「あ、あれ……??喜んでる……」
見た目というか、こんなにもビクビクしているからゾンビは苦手だろうと思い、助ける代わりに同行させてもらおうと思ったが予想が外れた。
「あっ。私もその手は問題ないですよ」
「………いまの子は逞しいのね……」
「でも、饅頭は怖いです」
「………地震…雷……火事…親父………」
「本当に高校生なのよね貴女達ッ!!!??」
…………………………
それから三人で遺跡を回ることに。
途中でモンスターが出てきたり、ゾンビが出てきたり。
そこでフレンディアの力がどの程度なのか分かった。
的確に手足、胴体、そして弱点の頭を撃ち抜く。
それを二丁拳銃を使いこなしながら的確にだ。
ゲーセンで鍛えたというだけあり戦力として申し分ない。
そしてミラはというと
「"フレイム・ソード"ッ!!!」
短剣の刃を炎が纏い伸びていきそれはミラの身長の半分ぐらい。
それで斬られたゾンビは切り口から燃えていき炭となった。
ミラの攻撃スキル『フレイム・ソード』
高熱の炎の剣は任意に刀身を伸ばすことが出来る。その際はMPの消費が増える。
二人でも十分に大量のゾンビを倒している。
テレビで出る足の速いゾンビとは違って、誰もが知るゆっくりな方のゾンビである。
遠距離のフレンディア。短距離のミラ。そしてもう一人……
「………ん………」
自由に駆け回りながらゾンビの足や胴体を切り裂いていく。
スピードもないゾンビは次々に地面に横倒しになる。
ユウの攻撃は致命傷にはなるが倒してはいない。いないがユウが多く敵を攻撃している。
「……スゴいわね、あの子……本物の動物みたい……」
「ユウは"ネコ"って…トラやチーターをモチーフにしてるみたい……」
「なるほど……ってならないわよッ!!それ以上の動きよあれはッ!?」
「流石ユウねッ!!!」
スキル『リスの木登り』を使って走りながら壁を走ったりそのまま天井まで、重力に逆らいながら自由し過ぎるぐらい走り回っているのだ。
結城の身長は145cm。その10倍である14m5cm。地上からその範囲までは自由に移動出来る。
「………ふぅ………」
息を吐き一息。結城の周りのゾンビは動けなくなっておりその場でじたばたするしかなかった。あとはフレンディアやミラがトドメを指していくのだが
「ガガアアッ!!」
「あら、まだいたのね」
まだ動いていたゾンビを確認したフレンディアは拳銃からマガジンを取り外して懐にしまった。
そして次には新しいマガジンを手にしており直ぐに装着する。
するもスライド部分に刻印があり、さっきまでただ光っていただけだったがいまはその光がない。
「"サンダー・セット"」
すると刻印は黄色に光り、銃口をそのゾンビに向けて引き金を引く。
放たれた弾丸は電気を帯び、ゾンビに当たった瞬間にゾンビの全身に強烈な電気が流れポリゴンとなり消えた。
「珍しいスキル。マガジンの入れ替えで効果が変わるんですね」
「ええ。でもミラの魔法剣には負けるわ。本当にゲーム使用よね」
「これ気に入ってるんですよ。やっぱりゲームはこうじゃないと!!」
「………じゃ、あれも……」
指差す方向には沢山のゾンビの群れの中を掻い潜る結城。
サイドスキル『通り抜け』により僅なスキルを掻い潜りながら攻撃している結城はまさに………
「………獣、よね……」
「………素敵だわ、ユウ……」
そんなことを言いながらも結城の攻撃で動けなくなったゾンビを次々に倒していく二人。そんなに時間もかからずにゾンビはすべて地に倒れあとはミラ達だけで大丈夫の状態になった。
一通り終えた結城は「……ふぅ……」と汗を拭う。
するとスキルを習得したのか音が鳴り響き画面が現れた。
レアスキル『流水』
複数の攻撃を潜り抜け攻撃を長時間受けずにいると手にするスキル。
スピード(回避)と運(危険察知)を上昇させる。
「……………??………」
なんか知らない見慣れないものが書いてあり、それは結城にとって初めてみるもの。分からないことは人に聞くことが大事。だと斎田に教えられている結城は早速ミラの元へ。
「…………ねえ、ミラ………」
「どうしたの?」
「…………コレ、なに………??」
「どれどれ。……………はっ?」
「どうしたの?………なに、これ……」
どうやら二人とも知らないものらしい。
ステイタスは攻撃力、防御力、魔法攻撃力、魔法防御力、スピード、知力、運、耐性で分けられている。
なのにこのスキルはそのスピードと運の後ろに()で追加されている。
もしかしてと思い結城に自身のステイタス表を出してもらうことにした。
するとそこには
ユウ レベル20
HP 550(+1000) MP 200
全PT 0/550
攻撃力 90
防御力 50
魔法攻撃力 40
魔法防御力 40
スピード(回避) 100
知力 80
運(危険察知) 130
耐性 20
オリジナルスキル
『動物』
サイドスキル
『純粋』
『ウサギのジャンプ』
『通り抜け』
『リスの木登り』
レアスキル
『優しさの塊』
『流水』
見てみると確かにスピードと運の後ろに自分達には付いてないものが書かれている。
「これって、やっぱりオリジナルスキルの影響って考えるべきよね…」
「………そうなの……??」
「第一、サイドスキルもの自体聞かされてないスキルだからね。
きっとオリジナルスキルを持っている人には特別な……」
「オリジナルスキルッッ!!!??」
いきなり声を上げたフレンディアに結城は思わず耳を塞ぎミラは驚いた表情をする。
「あんた達ッ!!なにステイタス表を軽々しく見せてるのよッ!!!??」
「えっ。もしかしてフレンディアさん、オリジナルスキル狙ってました?」
「………だとしても、貴女達には手を出さないわよ……
もう……見つけたら速攻で狩ろうと思ってたのに……」
「…なんか、ごめんなさい……」
よっぽどオリジナルスキルが欲しかったのだろう。
ハァーとため息をついているフレンディアに結城が袖をチョンと摘まんで引っ張りながら
「………ねぇ………」
「どうしたの?」
「………これ、初日特典……だよ……」
それを聞いたフレンディアは驚いた表情をし現実を受け止められないまま
「……え、えぇ? あ、あの破壊不可、取外不可、強奪不可……の?」
「………うん………」
「は、はあああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁッッ!!!??」




