第38話 AR移行物語
俺は今。空を飛んでいる。
━━━なぜこうなったかというと、
「死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ね、死ねーー!!」
「うっせぇな。こえぇんだよ。狂ったか?」
敵の攻撃を軽く避けながらカウンターを決めていく、すると無理攻めをしてくるため更に隙ができる。そこを狙ってチクチク痛め付けてたのだが、、、
「オラァ!」
その掛け声と同時に放たれた剣技で俺は宙に舞ったのだ。簡単なことだろ?
だが、問題は今なのだ。下には構えてるチンピラ、いやまぁ分裂すりゃあいいんだけど、てかその前にあいつら何やってんだ?助けろよ
かといって上に飛べないし。
「俺が!討伐隊を率いるんだよぉぉぉ!!」
「無理だと思うよ。だって・・・」
構えてたナイフを避けるようにして分裂し、、、
「お前、何もんだよ。」
「ただの弱小テイマーだ。」
「ちっ、《転移……》」
何て言ったのか聞き取れず、追い掛けるのは無理だ。普通ならば、
「逃がさねぇよ?」
〈頼む、溶液ネット作成〉
段々とスライムの扱い方が分かってきた。まだやったことがなくても命令さえ出せばなんとかやってくれるのだ。今回もそれで、ネットを作ってもらった。
━━━チンピラの頭上で。
持っていた転移結晶を絡めとり地面に落ちた。そして淡く光り消えた、
「・・・なぁ許して」
「断る、、、スライム!」
茂みに隠れていたスライムや俺の尻尾になっていた無駄スライムが現れ、溶液砲を発射した。その溶液は器用なことにネット状になってチンピラを捕らえた。
「・・・で?誰の手下だ。」
手下じゃないんじゃないか、と思うかもしれないがこいつに3次職相応の力がついていない。つまり他の人と一緒に戦い倒せずに経験値と熟練度が比例しなかった典型的なパターンだ。
「・・・GMだ。」
「寝言は寝ていえ」
「なぁ、俺を助けてくれるか?ねぇ!俺殺される!ねぇたすけて!!」
急に変なことを言い出したが、まあ逃げたいだけだろう。
だが、、、妙にガチトーンで気になる、
「一応話は聞こうじゃないか。」
俺は神代達も呼び寄せ話を聞くことにした。
━━━そして聞かなかった方が良かったと後悔した。
まぁ後々聞くことにはなるのだ。その話とは
「GMは、AR、、、って分かるよな?」
「ああ、拡張現実だろ?」
「そうだ、、簡潔に言うと人類は皆ARの世界で暮らすことになる。猶予は半年だ、」
「つまり、、、今ゲーム機をつけてない人も?」
「・・・」
無言、それは肯定を意味していた。本当だとしてもおかしい、何も着けてない人にARの世界に引きずり込むなんて、、、そんな疑問は一瞬で消えた。それと同時に希望も失せた。
「GMは、1人じゃない。」
「だとしてもARに引きずり込められるのなんて1人がいいところだろ?」
無理矢理つければARに引きずり込める。それは事実だ、だかそんな事をしたら警察が黙ってない。
「もう俺もよくわからないが、、、今この世界には強力の電磁波を出す物が置かれている。これが脳内に侵入すると着けても着けてなくても変わらなくなってしまう。」
「その電磁波を出すやつ回収すればすむ話、っていうか警察に通報すればいいんじゃないか?」
「、、、だからGMは一人じゃないんだよ。その内の一人は・・・警視総監だ」
「な、なるほど、、、」
何十年も前は警視総監が何かしても捕まった。だけど今は警視総監=要塞の主なのだ、日本は何年か前に戦争をしてしまった。それは貿易戦争から始まり武力行使に出た、新興国を捻り潰したのがこの戦争だ。
その際指揮を執ったのが旧警視総監。まだ捕まえる事が出来た。だが、時が経つにつれ警視総監は要塞を建てて引きこもりながら仕事をするようになった。仕えの者もおり兵士として活躍する。
つまり現警視総監は捕まえようとすると戦争になる。しかも警視庁は警視総監の指示なしに動けないように設計し直された。独断で動くこともできるが警視総監の反感を買うと殺されるとの噂だ。つまり日本のなかに警視国が出来たのだ。
「でも、集めるくらいなら一般人が………」
「直径10nmだ。」
「どうやってばらまいたんだよ、それ」
これは一般人にはどうしようもない。警視庁が動けば警察も動き電磁波捜索が行われる。だが、GMに警視総監がいるならば捜索スタートしたとたんに殺されるだろう。
「つまり、半年でばらまき終わると、、、」
「そういうことだ。」
「だけど、日本だけでしょ?」
「間違ってはない。だが、問題はGMの存在だ、、、主要国には大臣以上に、他の国は副大臣以上にいると思われる。GMの存在は80%の国の大臣、副大臣を担っているのだ。」
「この世界どうなってるだよぉ!」
「全くの同感だ、、、」
「つまり?半年後には20%を除いてARになると?」
「しかもそこで殺されると残機が減る。それと20%は近くに電磁波を出す国で囲まれている国だ」
「妙にゲームっぽいな。それと全世界ってことか」
「だが、死への恐怖が薄くなるのだ」
「うっ、、、」
「それで俺達は主要な人達を殺せと言われたのだ。ARになったとき強いのはお前らだからな」
「ん?それだとこのゲームが現実世界にワープするような感じになるのか?」
「そういうことだ。満腹度とかは本当に体が動くから今のようにゲージでもなく空腹感を感じるし食べないと普通に死ぬ」
「こわっ、」
「俺らはARになったときにゲームバランスを壊しかねない者を排除していくのだ。ちなみにARの世界にもスライムは出てくるようになるよ。」
「え?じゃあ強くなればなるほど狙われるの!?」
「違う。ARに完全移行してからは殺さない、お前らは牢獄にはいってもらうはずだったのだ。」
「なるほどな、、、」
「………秘密を喋った。殺される、」
「お前はGMか?」
「違う。ただの、雇われ人だ。」
「ふーむ、、、向こうの世界で魔王領はどこだ?」
「サハラ砂漠、」
「くっ、、、」
いつの間にか信じてしまっているが、、、嘘ではなさそうだ。心拍とかに異常は秘密を話すときの異常な心拍だった。つまり、半年後にはARに完全移行か。




