第29話 長い長い旅物語
「行くならそろそろしないと不味いよ!」
そう、ランキングは24時間に1度更新のため、実装時に間に合わないと弱い記録が1日中残るのだ。それはなんとしてでも避けたい。
だから俺も即答で
「すぐ行く!」
と答えた。そして20分後、多良見やエルナー、由比も加えて北の街までF1のレーサー気分で駆け抜けた。たまに広い川などがあるが、《スラート》に頼み浮かぶ。だが、スピードは衰えずに俺らを押し出す。慣性の法則のままに、
そして他愛も無い会話を続けていること1時間程。まだ着かない。これは意外に遠い。
「ねぇまだ?」
とエルナーが不機嫌そうに言い始めた。俺もまだかと思うのだが、神代がランキングに間に合わないとか4時間前のあの時から言っているので、相当時間がかかるのだろう。今は脱け殻となっている。なんでも春休みの宿題を終わらせないとまずいそうだ。
「まだまだだと思うよ。」
「私、落ちるね。」
そう言ってエルナーは虚空をタップする。他の人には見えないが今エルナーはログアウトのボタンを押したのだ。人のウィンドウは勝手には見られない。
「お疲れ様ー」
そうオンラインゲームの定番の言葉を言って見送る。俺も眠くなってきた。それもそのはず、ランキングが実装されるのは0時だから今は21時くらいなのだ。眠くないだろ!と思うかもしれないが、この時間ただボーッと過ごしていると眠くなるのだ。
多良見と由比は女子の話をして全然わからない。
「ふわぁぁ、ねみぃ。」
だが、俺は落ちれない。スライムに指令を出せるのは俺だけだからだ。止まらなくなってしまう。
転移結晶で来ても良かったんだが、転移結晶を、買えるのは一部の優秀プレイヤーだけだ。その人たち以外にはその存在も教えてくれない。つまり俺はゴブリンロードの時には相当な実力があったのだ。だが、今は教えてくれない。何故だ?
戦闘力だと下がってしまうが、強さはまた別だ。NPCでもその判断が出来るようで、、、あれ?俺が凄まじい焦りの感情を抱いていたから?NPCが気圧された?だろうな、だって戦闘力は俺めちゃ低いし
まぁそれはさておき、転移結晶は1000ゴールド、今は多分30000ゴールド位になっていることだろう。転移結晶は全プレイヤー平均×10の値段だからだ。
固定値段ではない。そのため、転移結晶を今のうちに買って高くなったら売るという、転売商法も出来ている。俺も考えるくらいの利益が出るもの。
そんなことを考えながら早1時間。ようやく、着いた。
村には《ようこそハンレイアルへ!》とかいてあった。俺はとりあえず足を踏み入れ攻撃禁止区域を最大、《街の主》の称号を手に入れた。その後、多良見が神代、由比がエルナーをおぶって街に入った。
俺は真っ先に主の館の骸骨どもを制圧し、主の館の所有権を握り、入れる人を俺、多良見、神代、エルナー、由比、梶田、立会、に設定して館を出た。由比と多良見はベッドにそれぞれを寝かせている。
俺は転移結晶を買えるかどうか確認し、12個買った。でも全然足りない、だから俺は明日は稼ぎまくることにした。いや、訂)俺じゃなくてスライムが
ちなみに、ノーマルスライムは溶液砲を完全にマスターし、溶液銃を発明したらしい。簡単にいうととても痛いエアガン位のダメージが与えられ、それを100匹近いスライムから食らうのだ。相当防御か体力が高くなければ死ぬであろう
「今日はここまでにするか、、、」
そう言っておれも虚空をタップする。正確には浮かんできた画面に写るログアウトボタンをタップしている、
翌朝、俺はランキングを見て驚愕した。街の主の強さは本当にえげつなかった。
1.━━━━《紅の血吸い人》21548
2.━━━━《神速の狩人》18427
3.━━━━《漆黒の軍勢》17952
4.━━━━《奇襲のスライム》10521
5.━━━━《瞬斬の騎士》10428
名前は集中攻撃を避けるために出されないそうだが、(本名使っていたら現実で何かトラブルになるかもしれないしね)その代わりに使用している称号が出るそうだ。俺は街の主ではなく、《奇襲のスライム》を使用しているためこれになった。
それにしても2つ名では無かったようだ、、、少し残念、(先程知った。称号に奇襲のスライムがあると、)
それと神代はとても強いわ、、、
「ランキング、危なかったねー」
「あぁ、てかお前強すぎじゃね?」
「そう?まぁ今日の任務で聖騎士になれそうだしね。私も早く戦力が上がる称号が欲しいなぁ、」
そう、《土地の主》的な称号や《◯◯の王》的な称号は称号の中でも例外で、戦力が上がるのだが、《◯◯の王》はパラディンをマスターし、更にシークレット職をマスターしないと取れない。その代わりデメリットは無いのだ。
だが、《土地の主》は反対で、取るのは意外と簡単だがデメリットとしてモンスターに狙われやすくなる。ていうより、モンスターに殺されることが不可避になる。
「多、、、セリ達はどれくらいだった?」
皆が来たので、ユーザー名で答えなくてはならない。そろそろ本名で呼び合いたいなぁなんて、
「11位なのだ!」
そう、皆が見られるのは5位までだが、自分の順位は教えてくれるのだ。
「ふん、低い、9位」
エルナーは無愛想だが、、、
「私はー、えーと、、、102142位」
「しょうがない、ヒーラーだもの。誰も由比がいなくなってほしいなんて思わんさ」
「うん!そうだよね!蒼真くん殺すね!」
「無理だと思う。」
「身体強化!《脚》《腕》《拳》!」
まず、脚を強化して一気に手の届く距離に近づいて、腕を強化し振り抜くスピードを高めて拳を固くしている。だけど、、、
《攻撃不能区域》
と、頭の上に出た。
「なら食事に毒を混ぜてあげるよ!」
「へぇーそれは楽しみだな!毒味してもらうよ!」
「アハッ!毒を使うときには解毒剤も用意しとくものなんだよ!」
「へぇ!状態異常無効化のスライム作るよ!」
「そう簡単に出来ないと思うよ!」
そう言って踵を返して帰っていった。とりあえず放っておいてクエストを受けよう。ここだと美味しいクエストが取られないから稼ぎまくれるのだ。俺じゃなくてスライムが、




