第28話 討伐隊結成物語
あのチンピラが絡む前から綿密に計画していたのだろう。最底辺の奴が倒せるのなら戦う意味が無い。だが、倒された場合のことを考えて、決闘ボタンをカモフラージュしたのだ。
「吸血鬼か、物騒な名前だ。それに、、、あいつゴーレムマスターか?いや、それはないだろう、、」
そんな思考が脳内を逡巡している。出口のない迷路みたいに、
ゴーレムマスター、ネクロマンサー、スピリッツマスターという職業は今は1人ずつしかいない。運営が不公平なことをしているわけではない、課金額が1億を越えると転職に必要なアイテムがもらえる。
そしてその職業は相当強い、だけど1億を課金しようとする奴はほぼいないだう。だが、昔、ネトゲ廃人とか聞いたことがある、、、もしかしたら課金してるのかも?
他にもプレイヤーが人形のふりをしているとの考えも浮かんだ。これが1番の有力候補だ
そんなことを考えながら人形と戦っている。今は要塞からタルラム手裏剣で地道に削っている、安全は確保されるが(手裏剣自分で戻ってくるし、)長時間戦闘となれば有利になるのは向こうだ。ローテーションとかあるしね、
だけど、こちらも持久戦には有利だ。神代達が来てくれるもの、
てなわけで、10分位膠着状態に陥っていた。だが、その均衡は余りに呆気なく崩れた。そう、神代達が来たのだ。
俺は神代達が来たら多少の熱戦になって、それでも圧勝できるだろうと考えていたのだが、、、
━━━結果は圧勝ではなく完勝
まず、神代が背後から斬りかかり、そっちに注意を引かれたとたんに多良見の水蒸気爆発。
━━━おしまい。
な?呆気ねぇだろ?それでも1つ分かったことがある。俺が危惧していたことが現実になった。
━━━あいつはゴーレムマスターだ。
何故分かるかというと、プレイヤーならモザイクが掛かるのだがゴーレム、人形だと煙となって消えるのだ。多分あいつが今のところの最強、そして最凶のプレイヤーであろう。
ゴーレムはスピリッツや死霊とは違い土さえあれば作製できる。
スピリッツや死霊は媒体を用意しなくてはならない。1億円課金して、更に3分の1の確率に当たるのだから最強間違いないだろう。
「蒼真、これ不味いんじゃないの?」
「あぁ、そうだな。」
世界チャットにも色々書き込まれていた。全員今の試合を見ていたのだ。
━━━ゴーレムマスター出現ww
━━━最強の殺人ギルドが最強のプレイヤーに纏められてるのかwムリワロタ
━━━これ皆で討伐隊組まないと不味くね?あいつ金沢山あるから転移結晶で転移しほうだいだぞ?
━━━だな、だけどスピリッツマスターの《神速の狩人》は今単独で魔王軍の序列3位のゴブリンデビルと戦ってるぞ?ネクロマンサーの方、誰か知ってる?
━━━《漆黒の軍勢》だったよな、あいつの2つ名。
━━━あぁ、そうだな。確か今《神速の狩人》と一緒に戦ってるんじゃないっけ?
━━━聞いたことあるわw詰んだなw
━━━え?じゃあ現時点で一番強いのって《奇襲のスライム》!?
━━━そういうことだな。
知らない間に俺2つ名ついてるんだが、
それはまあいい。だけど、俺がプレイヤー序列4位!?
「ねぇ、蒼真。これ皆を纏める感じじゃない?」
神代がそう言ってくるが、俺もそうなることを覚悟している。どころかやらなくてはいけないと思っている。こういうアイテムを使う職業は10回死ぬとスキル使用不可となるため、殺して意味ないことはない。
「そうだな、街へ戻るぞ。」
自分で喋りながら自分の声かと疑うほどの怖い声で言ったため俺がビビった。
「わかった!先に戻って皆に伝える!」
「いや、俺の方が早いからいいよ。スカイア!」
呼ぶと俺を乗せて直ぐに飛び立った。でも伝えるって世界チャットで伝えられるやん
「私達もすぐ行くから!」
そんな声が聞きながら滑空して街の中心部に降り立った。すると、直ぐに人集りが出来た。俺って人気者!
俺は討伐隊のリーダーを引き受け、仲間を集めていき500人くらいの大軍勢となり、もちろんその中には神代達もいる。だが、、、
━━━俺より神代の方が強いのだが
それを知っているのは仲間だけだしリーダーシップは凄いあると言われている。(自称)
それでも俺のチート生活は終わりを迎える。
「ねぇ、蒼真。凄く言いにくいんだけど、、、」
「ん?《神速の狩人》でも帰ってきたか?」
「それも帰っては来るんだけど直ぐに魔王軍序列4.5位のダークドラゴンとホワイトドラゴンの討伐に向かうし、ゴブリンデビルは結局倒せなかったらしいしね」
「へぇ。じゃぁなに?」
「ゲームにランキングが実装されます。」
「つ、つまり?」
「つまりスライムばっかテイムしてる蒼真は実力はあっても戦闘力は100くらいになると思うの。」
「それもそっか。スライムの戦闘力なんて1あればいい方だもんな。それに俺装備なにもねぇし。」
「だから、こいつがリーダーなんか認めねぇ!って決闘を申し込む人が沢山出て、断れば断るで新しい討伐隊が出来て分裂しちゃうの。」
「なるほどなぁ。まぁ俺がチートでは無いことがバレるのか。まぁしょうがないよねぇ。」
「そこで提案なんだけど、北にある《ハンレイアル》に本拠を構えない?」
「なんで?」
「ここはとても小さいけど村があるの。だからそこに一番最初に訪れた人が攻撃禁止区内を設定できるの。」
「それならここでもいいじゃんか、攻撃禁止区内は十分あるだろ?」
「そこは魔王軍のダンジョンとも近く、血を吸うものの本拠も近い。だからそこに行ければ簡単に行動が出来るの。」
「でも、それでなんで討伐隊分裂の危険が無くなるの?」
「《街の主》この称号はとてつもなく強力なの。だけど、これを持っているとモンスターにも襲われやすい。それは異常なほどに。だから皆取ろうとしないんだけど、街中に入ればモンスターはいないから安心でランキングが一気に上位に入れるんだよ。」
「なるほどなぁ。でも俺が外に出られなくちゃダメじゃん。」
「なに言ってんの?テイマーが」
「・・・あっ!そっか。スライムに人間の形、そして視覚、触覚、聴覚を共有してもらって声帯を再現してもらえれば!」
「そう言うこと、街の主のデメリットが解消されるってこと。」
ナイスアイディアだとは思うんだけど、
「だけどなぁ。楽しくないんだよな。それじゃあ、」
そう、それだと何かゲームが変わる気が、、
「うん、それが問題なんだけど、それは後々考えればいいし。それにスライムを自分の意思で動かせるんだからVR世界で普通のMMOをやってるみたいだしいいじゃん。」
まぁそれもそうか。そうと決まれば俺は行動は早い。3日間人を集めている間、勿論スライムは進化する。新しく生まれた進化スライムは、
《スラーナ》スライム+クリーナーだ。
効果:触れたものを浄化させる。
《スラート》スライム+ボートだ。
効果:船のようになり、川を下ったり海を渡ったり出来る。
《スカイア》は滑空じゃなくて空を飛べるようになった。そして《スラチェ》はそれを見て学び皆を集めて変形させスカイアに操縦をさせると実質的飛行機が出来た。
そして新たな称号持ちが生まれた、
《ランドロード:スララン》!スライム+ランドだ。
効果:音の3倍をも越えるスピードで動ける。
これは、Gでダメージを負うので、スラチェに頼んで電車型にした。路面電車のすごい早い版、まぁF1の速さを思い浮かべてもらえると助かる。
それでも少量ダメージを食らうため、余り使いたくない。だけど、
「こいつがいるから人員輸送は大丈夫だろ。」
そう、速さを犠牲に重いものも運べるようになったのだ。
だから人員的な面では安全だ。
そして、スラチェの方が役に立つし、それも出来るので活躍しないが人の形限定に再現出来る、《スラマン》もいる。スラチェよりは再現度も高く肌色になれるのだが余り使い所がない。まぁ大軍勢を率いるときには助けてもらうが。




