第23話 VS植物物語
残りの1分間、俺は尖らせた装備で攻撃を行い、敵の攻撃を一手に引き受けておかなければならない。
だが、敵の攻撃も強くフル装備でも、着々と削られてしまう。後30秒、というところで俺は赤色にHPゲージが減少していた。
「由比!エルナー!逃げろ!」
俺は自殺を計った。どう考えても間に合わないからだ。でも、由比達が逃げ切れなければどこにいるのかわからなくなってしまう。俺が自殺しても家に復活するだけだが、由比達はどっかの森近くの街や村に飛ばされてしまうからだ。
「あと少しだけど?無理?」
「無理!」
後20秒ほどだけど、と言う前に言われたため、切羽詰まっている状況だと言うことを察した。エルナーはまだしも由比は普通にやったら追い付かれてしまう。それを分かっている。
だから「分かった!」と返事をしてエルナーと共に離脱した。自殺でもいいのだが、死ぬとアイテム全ロス+経験値が大減少 (自分のレベルは減らないが99%あろうが、0%になってしまう)。一応大切なものはパーティー用アイテムバッグに入れてあるため誰か生きてればなんとか残る。金とか。
「乗って。」
逃げようと立ったところ、エルナーがそうぶっきらぼうに言った。
12歳におぶって貰うのも何か抵抗があったが、そんな場合ではないと背中にまたがった。
さすがはくノ一。由比一人よりも2倍くらいのスピードだ、多分蒼真くんは死んでることだろう。
━━━その頃、自殺もままならない状況だと言うことは知らないであろう。
「くっ、、、」
毒水鉄砲を最低限のジャンプで避け麻痺雨を頭に装備集中させて受け止め、蔓で叩き潰してくるのを後ろに飛んで避ける。
自分の武器である尖った装備を体に向けた途端に隙をつかれて殺されるだろう。それを察して、いつまでも死ねなかった。
「どりゃぁぁぁぁ!」
俺は足の装備を薄くして腕を伸ばし、斬りかかる。これは倒すのを目的としたのではなく隙を作るためなのだが、、、
蔓を纏めた盾で軽々受け止められる。
隙の作り方が分からん、、、!!
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「エルナー?どこ行くの?」
10秒くらいで街の入り口が見えてきた。そこでエルナーが由比を降ろし、戦っていた場所に向かって体を向けた。
「まだ、、、まだ戦ってる!」
エルナーは気づいていたのだ。植物が私達を見て警戒をしていたこと、そして1VS1だと隙すら作れないだろうと。
まぁ、由比は全く気づくことはなかったのだが。
由比はキョトン顔になるが、関係なしに森のなかを駆けていく。右手に短刀を持ち、左手に守刀を持つ。そして、、、
「水無月!かがめ!《分身》!+《ディドイグラ》」
驚いた顔で見てくる水無月を尻目に、くノ一スキルディドイグラは、短刀と守刀で掘るように斬り続ける上位のスキルだ。隙は作ることができた。不意討ちだったので対抗できなかったのだろう。
この隙に水無月を殺し自分も死ぬ。それを決意して…………
━━━私は応接間に横たわっていた。
成功だ。
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俺はエルナーの声を聞いて、屈んだところまでは覚えてる、、、
そして、短刀で刺された、、、
つまりここは俺の家か。なるほど、
ようやく頭の整理が出来たところでリビングに行った。少しいい臭いがする、
「皆大丈夫?」
一応問いかけておくが、由比以外の皆がいる。つまり、、、由比。あいつ迷子になりやがったな!
俺は軽装にタルラム、スラチェと少しのスライムを持って
「わりぃ!少し出る!」
玄関から走って出た。由比は、南口の方からのはずだ!
走って、走って、走りまくってようやく見つけた。そして激しい殺意を感じた。
・・・焼き鳥食ってんじゃねぇぇぇぇ!!!!
そう言おうとして踏みとどまった。
そういえば俺も、、、いや、違う!あれはしょうがないことだ!
なにがだよ!と自分でツッコミながら無理やり納得してスライムで連行した。
手錠の形になってもらったので、普通の犯罪者っぽくなっている。
いろんなことがあったけど、、、
ひとまず一件落着、かな!
いやまぁ、任務終わってないけどな!




