第20話 ゴブリンロード再戦物語
俺は立会博己。何故か人間がごく数人しかいない村に来てしまった。勿論チャットも死んだあと知り合った人以外とは話せない。外界のようだ。
マップを見ても起動しない。近くには見たこと無いとても大きな城がある。でも元いたところのチャットで魔王城の特徴を聞いたことがある、それに極似している。なんでも説明書に書いてあったそうだ。
近くにパニックに陥り、俺は神俺は神と繰り返す梶田のみ。俺は治癒師なのだから戦闘力は皆無、どこかも分からない。一度落ちて蒼真に連絡をし、助けに行く準備をしていると言われた。
だけど、、、なにをしていればいいのだろうか。
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そんなことを知る由も無い蒼真が今ハーレムで楽しく過ごしているなど知らない方がよいのだろう。
「由比は探知しといて、多良見は待機、神代は先頭で探知に引っ掛からないほどの奴を仕留めて。エルナーは探知に引っ掛かった奴の偵察を頼む。俺は数だけは多いスライムに頼んで魔力石を探す。」
指示を出しながらスライムから魔力石を探してもらってるのだが、まだ見つからない。30秒位経ってるのだがな、、、
まだ30秒と思うかもしれないがスライム軍団が10秒探せば100m範囲はほぼ探せるのだ。つまり、もう大分探せているはずなのだが、、、
「あ!探知に引っ掛かったよー。」
「ほい、エルナー偵察頼む!」
「命令しなくても分かってるわよ!」
そう言い残して一瞬で見えないところまで走っていった。
流石はくノ一だ。
するとゴブリンロード偵察スライムから報告があった。
〈ゴブリンロードと戦ってる人がいるよ!〉
〈まじで?で、様子は?〉
〈大分劣勢だね。なんでも偵察用の装備だから、、、〉
〈まぁ、知らん。偵察を続けてくれ。〉
〈見殺しにするの?〉
〈あぁ。道連れにされたら嫌だしな。〉
〈可愛い女の子なのに、、、しょうがな…〉
〈今行く。〉
〈ほんとにちょろいねー、、、まぁ早く来てよ。〉
スライムにちょろい言われたが気にする俺では無い。皆に包み隠さず報告して駆けていった。え?女の子というところ?なにそれ、俺知らんから教えなくてもいいよね!
相変わらず神代に睨まれるんだが、、、本当に心読めるのかな?
━━━読めるのだが。
〈どこだ!?〉
〈蒼真ーなんか前にあった男の人と初めて会う女の子がいるよー〉
〈まさか卓也と言う名のナルシスト?〉
〈多分違うよーだって女の人一人だもん。〉
〈えぇ、誰だ?まぁいいや!女の子を助けなければ!〉
〈女の子が魔法で防いでるけど、、男の人ゴブリンロードの回り走り回ってるよー多分盗賊だね、〉
〈あ、、、見当ついた。中二病のあいつか。まぁ女の子が気になるから行くよ!〉
俺はギリギリで間に合った。
俺は気づいてしまった。
俺は攻撃手段スライムしかないと。
━━━それでも飛び出した。スライムに光の反射を変えて見えるところの10m位離れたところにね
ビビリデハナイデスヨ
(うーん、中二病のあいつはあいつだが女の子は見たことないな)
「おい、学園代表中二病!」
俺の中でのあだ名だ。
「蒼真!我を心配して来てくれたか!」
「お前より女の子が心配なのだが、」
「俺の妹、狙ってんのか!?それは多大なる代償を支払ってもらわねばならぬな!」
「いや、狙ってないけど、、、女の子が襲われてることを知ってて殺されるのはなんかやだからな。」
「それより、助けてくれ。」
中二病をこじらせているのにも関わらず本気の口調に戻っていることから相当ヤバイのだろう。俺は中二病にポーションを投げスライムに動きを制限してもらった。
だが、まだ攻撃が当たると死ぬことは確実なため安全に転移結晶で脱出しようとした。
━━━お分かりだろうか。転移結晶など今はもうない。2つとも使ったのだ。前回のゴブリンロード戦で、普通なら踏みとどまるだろうけど、正義感溢れバカなことをしているのだ。
つまり俺は何もない状態で飛び出した、只の間抜けということだ。
それでも連れてきた特殊スライムの中のタルラムとスラチェには片手剣とアイアンシールドをつくってもらいスカイアにゴブリンロードのすぐそばを滑空してもらう。
更にチクラム率いる建築軍団に適当な要塞をつくってもらう。多分1分でできるでしょう、その間はアイアンシールドに守ってもらう。
「フッ、流石だな蒼真!我を驚かすとは!汝もはや我の下僕に収まらぬ者!我の好敵手として認めよう!誇りに思え!」
中二病がなんか言ってるが、それを恥じるように見詰めている妹に目を引かれてしまう。可愛い。
「お兄ちゃん、、、恥ずかしいから人の前でやめなよ、、、」
「フッ、この人は我の事をしっかり理解している者よ!」
「そ、そうなんですか?」
何故か振られたが、一応律儀に答えとく。諦めているとな。
「これはこれは!わたくしも自己紹介をしましょう!庄戸王国軍大佐、クリスヴァールです。以後お見知りおきを、」
「・・・庄戸がファンタジー感を消しているのだが?」
「これは、わたくしの代々伝わる名。途切れさせるわけにはいきません。」
「あ、名字ね。てかあんたらユーザー名おかしいんじゃないの?ちなみに中二、お前は?」
「我は、エクスカリバーだ。」
「もはや剣!?」
「冗談だがな、ハッハッハッ。我の名はフルボルトリウムである!」
「どこから持ってくるのか意味不明だ。」
この中で疑問に思う点はたくさんあるのだろう。
まずこの状況でこんな他愛ない会話をしていること、
それはスライムが優秀過ぎて、攻撃が一切来ないのだ。まぁ、攻撃が出来ないけどそれはおいおい。
2つ目、中二病君の名前が出ていないこと。
これは中二病君がその名前を聞くと襲い掛かってくるからだ。庄戸唐真という名前がファンタジー要素0だ!と言って。
ちなみに妹は庄戸桜華と言う名前で、ファンタジー要素が強い!と羨ましがっている。
両親がかわいそうだ。
最後にユーザー名だが、3日3晩不眠不休で考えているそうだ。だから考え事しているな、と思い始めて4日後は大体居眠りしてる。
呑気にこんなことを考えていると、要塞が出来上がったようだ。
「とりあえず要塞に入ろうか。」
もう、勝ち確だ。要塞から魔法を打ちまくれば勝てるだろう。
そんな事がフラグになってしまったのかもしれない。スカイアが着陸してしまったのだ。懸命に他のスライムが押さえつけているか間に合いそうに無い。
スカイアとタルラムはお別れになりそう、、、
やだ!
俺は気づいたら要塞から飛び出していた。そして今にも当たりそうな斧を蹴り軌道を変え、ゴブリンロードの足に当てる。痛がっている今のうちにスライムを回収し、要塞に無事に逃げ戻った。
━━━無事では無いことに気づくのに数秒かかった。ゴブリンロードを必死に押さえつけていたスライムがコアを破壊され契約が消滅、意志疎通が出来なくなってしまった。
つまり死んだのだ。スライムなどモンスターはシステムが作り出しているため、生き返ることも不可能だ。
俺はヒロや光輝を助けるまでは泣かないと心に決めていたがあっさりと泣きそうになっている。
頬に一筋の涙が今に伝いそうな時、桜華が単体攻撃魔法で魔力も大幅に減らす魔法
《全魔力爆裂》
がゴブリンロードに直撃したのだ。流石に驚いた、涙も引っ込むほどに。
桜華は魔力切れで倒れこんだ、それでもそれほどのダメージを与えられた。これならタルラムの連続攻撃で終わるだろう。
泣きそうだった事を忘れ、要塞からスカイアに乗りタルラムの剣を無理やり振り抜いた。ゴブリンロードの首を狙い打ちした。だが、、、
━━━ゴブリンロードは消えた。
それも死んだのじゃなく転移だ。この様子だと魔王領に転移したと考えるのが普通だろう。
とりあえずは助かったし、いいのかな。スライム達はしっかり供養しよう。
中二病兄妹に任せておけば任務報告はやってくれるだろう。ついでに頼んでおいたから。よし、戻ろう!




