迷宮探索
王田の一人称視点に変えます。
……。ここは。げほっ。水? 意識を素早く覚醒させ瞬時に周りの状況を把握する。俺は、ミノタウロスの群れからアレーナを連れて、そしたら。思い出した。あの時は足場が消えたと思ったがどうやら穴が開いていて落ちたようだ。どうやら穴の下は地底湖になっていて俺は助かったらしい。
今は浜辺のようなところにいる。横を向くと同じようなアレーナが倒れていた。急いで駆け寄る。脈を確かめてみる、無事なようだ。特に外傷もない。
「おい、起きろ。おい、アレーナ」
アレーナを揺さぶって起こす。水を飲んだようで、咳き込みながら目を覚ました。
「けほっ。……ここは? たしか、急に地面が無くなって……」
どうやらアレーナも俺と同じように落ちたらしい。半覚醒状態だったアレーナが、俺を見ると目を見開き現状を尋ねてくる。
「オウダ様! よかった。大きくて深い穴に落ちたからどうなることかと思いましたが、無事でよかったです。この地底湖のおかげでしょうか」
背後の湖は、壁にはまった光る石で淡く照らされ幻想的に見える。しかし、目を凝らすと大きな影が水面下をゆったりと泳いでいた。運かどうかは知らないが下手をすれば食われてお陀仏だったな。湖から目を離し周囲を観察してみる。特筆すべきことはないが、奥の壁に道が続いている。横幅は広く天井は高い。この区画と同じように光る石がそこら中に埋め込まれてあったので視界は確保できる。
「オウダ様、これからどうしましょう」
「まあ、脱出だろうな。外に通じているかは知らんが、このままここで餓死はごめんだ」
食料も水も昼の残りのみ。こんなところで朽ち果てるぐらいなら進むべきだ。そう考え、立ち上がる。当面の目的はここからの脱出。それと俺とアレーナの安全確保だ。ゲームなら大抵こういうステージにはモンスターがいる。いても殴り倒していくだけだが。新調したポーチの中からすでに飲み干した容器を取り出し湖の水を汲む。おそらく飲めるだろう。
「アレーナ、行くぞ。先頭は俺が進むから、会敵したときは援護を頼む」
「わかりました」
こうして、予想もしなかった地下迷宮の探索が始まった。
殴るだけだと味気ないので次話からスキルとか魔法とか多めに取り上げてみます。




