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装備購入

 パーティで依頼をこなし始めてから数日が経ったころ、王田は買い物に来ていた。目的は装備品の購入だ。


 時々、一人で金ランクの依頼をこなしたりしていたので資金は十分にある。事前にアレーナに聞いていた武器や装備を撃っている店へ向かう。


 いまだに文字は読めないが、吊り看板のおかげで場所はわかった。剣と鎧が描かれた看板だ。

 扉を開けて中へ入る。


「いらっしゃい」


 どことなく不愛想な声で出迎えられた。見ればカウンターの中で作業をしている人影があった。しかしどうにも小さい。140センチほどしかないのではないかと思わせるほどだ。あれがドワーフという種族なのだろう。王田は人間以外の知的生命体種族を初めて見た。


 まずは目的の装備品を見る。王田は学ランを脱ぐ気はないので、内側に着られるようなものを探す。魔物の皮で編んだ胸当てなどがあった。試しに触ってみる。悪くはない。だが、金ランク相当の敵に対しては効果が薄そうだ。


 いくつかの品を見て回ったが、あまりしっくりくるものはない。乱雑と言える配置の仕方をされた店内をぐるっと見て回ると、不意に目についたものがあった。それはマネキンに着せられた、鎖帷子だった。


「店主、これは?」


 王田がマネキンを指しながら訊ねる。


「ああ、そいつはミスリルで編まれた鎖帷子だ。魔法も付与されてるから物理攻撃にも魔法にも耐性がある。うちの目玉商品だ。ちと値段は張るがな」


 よくみれば窓からの光を反射して輝いている。触れば編み込みが形を変えいくつもの光が輝く。

 悪くない。


「店主。こいつをくれ。それとそのポーチもだ」


 そういって鎖帷子と棚にあったポーチを指さす。ポーションという存在を知り、必要であると感じたからだ。店主のドワーフに買うことを伝えると、ドワーフはにやりと笑った。


「あいよ。30金貨と1銀貨だ」


 やはり値段が高い。これだけの商品が売れていなかったのもそのせいだろう。なにせ金ランク冒険者などそうそういないのだから。払える人など一握りだ。しかし王田は金貨が大量に入った袋をカウンターに置く。重さで机がきしむ音がした。


「30金貨と1銀貨だな? ほらよ」


 そういって中から口にした分の貨幣を出す。金額ぴったりに。ドワーフも、まさか交渉もなしに一括で払ってくるとは思っていなかったのか、びっくりした顔をする。


「どうした。確認しないのか」

「あ、ああ……」


 曖昧な返事をして出された金額を勘定する。やはりぴったりだ。釣りなしの額をカウンターの中にしまうと、鎖帷子をマネキンから外しポーチと一緒に王田に渡した。


「ま、まいど……」


 店主の声を背中に、店を出る。


 今回、装備を買ったのは魔法を習得するためだ。魔法を習得するには自らが鍛錬するか、魔法の力を持つ敵と戦うことの2つがあり、王田は鍛錬という曖昧なやり方より敵と戦うことを選んだ。そこで装備を十全に整え、万全の態勢で敵と戦えるようにしたのだ。


 王田には魔法耐性のスキルがあるが、防御をより盤石にするに越したことはない。よってこうして装備を整えたのだ。目指すは炎を帯びた撲殺丸。理由は見た目がかっこいいから。


 今日は依頼の帰りだったので、明日から魔法習得の特訓をすることにした。

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