Ep03:意外な所で困った
さて、マップ製作を始めてアレから3日が経過する。
山あり谷あり森もあり……かと思ったが、悲しいかな3日歩いても未だに大草原といった風情だ。
正直に言おう、飽きた。
勿論、丘陵程度の起伏はあったし、ぼちぼちと木も生えていたりはするが、そんなのは何の慰みにもならない。
そもそもの問題として。
「なんで動物はおろか、虫一匹にも遭遇しないんだ?」
と言うことである。
死んだ時に身に着けていた物をそのままもっていたお陰で、お気に入りの曲を適当に流す事が出来るのだけど、生体反応0という現実を流す事は難しい。
そもそも、この世界植物だけ?
なんて偏った世界だ、ツマンネェ……。
「いっそアレだよな、空とか飛んでみれば状況も変わるか?」
というか、周辺の情報収集するにも移動するにも飛べた方が楽だわ。
と、なると空を飛べるモノが必要になる。
ぱっと思い浮かぶのはヘリや飛行機なのだが、残念な事に操縦方法などろくに知らない。
次点で『空を自在に飛べるようになる道具』を『創造』する事なのだが、これって出来るのだろうか?
と、思っていたら気付いたら手の中には子供の頃にアニメで見た頭につける竹とんぼもどきが……!
「幾ら空を飛びたいからって、コレはないわ。空想科学的にはコレで飛ぼうとすると頭蓋骨陥没だぞ」
ネタ過ぎるので却下。
しかし、飛べそうな気もしたので勿体無い。
ここでピコンと脳裏に電球に光が灯る図が浮かぶ。
発想の逆転、何故飛べそうな気がした?
答えは、俺が竹とんぼもどきで飛べるって思ったから。
試しに、少し離れたところにソレをおいて、やや長い棒を『創造』して、ソレの電源スイッチと思われる場所を押すと、ブゥゥウウウウウン!という轟音と砂煙を上げてそれは天の彼方に飛翔していった。
ちなみに、ソレを置いていた地面は抉れていた。
使わなくて良かった、とマジで思った。
ちなみに、竹とんぼもどきは適当な所で『創造』の派生である『消去』を用いて消しておいた。
『消去』は単純な話が『創造』による被造物を消すだけの能力だ。
コレは棒の役目が済んだ時に「邪魔だなー」と呟いていたら消す事が出来たから知ることが出来た能力だ。
まぁ、そういう訳で……結構無理やりな解釈だが、俺が白と言えば黒でも白に出来てしまうような感じなので、適当に指輪を『創造』してその指輪には『指輪を嵌めた人間が思った通りに空を飛ぶことが出来る』という概念を植えつけてみる。
方法としては、そうなる様になれーと念じながら指輪を作るだけだったりする。
適当過ぎる?仕方ないじゃない、チートだもの。
そして結論、空を飛べるようになる指輪、飛翔指輪の作成はすんなりといった。
成果も勿論望んだ通りだ。
地表から大体5メートルの所を時速60キロほどで飛んでいる。
少々風で体が冷えるが、以前友人のバイクに二人乗りした際は100キロ出されてビビリと寒さでガクブルだった事を思えばぬるい方だった。
そして昼過ぎから夕方までの時間をかけて調査した結果判った事だが、当然ながらこの世界にも森や山、それと湖が存在した。
今更過ぎることだが、呼吸が出来るので一応は地球と似たような環境なのだろうと思う。
相変わらず動物や虫などの生物反応0だけど。
「……動物無しの世界って、マジで不自然と言うか違和感しかでねぇ……」
こうなってくると魚が居るのかが気になってくる。
「肉がない、魚がない、そんな世界で何を楽しみに生きろと言うんだろうか!というか、そもそも俺、料理作るの苦手じゃねーか!!」
料理そのものは作れなくはない、しかし苦手で不得手なのだ。
そして俺は作りたてほやほやの手料理が好きだ。
母さんが作ってくれたオムライスとか肉じゃがとかが大好物なのだ!
そして其処で思い出す。
もう二度と、母さんの手料理を食べる事ができない、と言う現実を。
更に言えば、親父のカレーとか鉄板料理も食えない!
「欝だ……」
友人に会えないのもネトゲやネットが出来ないのも諦めた。
だが、好物が食えなくなったと言う現実だけは彼を大いに凹ませた。
色々と気づくのが遅いって?
それは仕様です。




