第三報 日本社会における孔供給網の形成 ―家庭内孔密度維持機構に関する予備的検討―
本研究について
本研究は、竹輪を起点として「孔」という概念を構造的・文化的・宗教的・宇宙論的観点から検討したものである。
本研究はフィクションであり、実在する研究機関・学術団体・研究者・査読制度等とは一切関係ありません。
なお、本研究を読了したことにより、竹輪を見るたびに孔を意識してしまう等の認知的影響が生じる可能性がありますが、著者は責任を負いかねます。
孔原 透¹
¹日本孔構造研究センター 家庭内孔循環研究部
要旨
第一報では竹輪を「孔輸送媒体」と位置付けた。
第二報では孔を生体孔・人工孔・社会孔に分類し、人間を「孔によって成立する構造体」と再定義した。
本報では、竹輪がどのような経路を経て家庭へ供給され、生体孔へ到達するのかを社会学的視点から検討した。
物流、販売形態、家庭内常備率、外食産業等を総合的に考察した結果、日本社会には人工孔を安定供給するための「孔供給網」が存在する可能性が示唆された。
1. はじめに
第一報では竹輪という人工孔の存在に着目した。
第二報では孔そのものの概念整理を行い、生体孔・人工孔・社会孔という分類を提示した。
本報では、それらを統合し、社会に存在する孔は、どのような経路で人体へ到達するのかについて検討する。
2. 孔の連結パス
第二報の分類に従えば、
社会孔(玄関)
↓
人工孔(竹輪)
↓
生体孔(人体)
へ至る一連の経路は、「孔の連結パス」として理解することができる。
この連結パスは単なる物流経路ではない。
社会と人体を孔によって接続する構造そのものである。
竹輪が家庭へ届けられるという現象は、人工孔が社会孔を経由して生体孔へ到達する過程と解釈できる。
3. 家庭内孔密度
家庭には多数の孔が存在する。
例として、
・ストロー
・トイレットペーパー
・キッチンペーパー
・ラップの芯
などが挙げられる。
しかし、これらは家庭内へ孔を配置する役割を持つ一方で、人体へ取り込むことはできない。
また、食品についても同様である。
3.1 ドーナツ
孔を保持する。
しかし嗜好品であり、日常的摂取頻度は高くない。
また、孔を持たない製品も流通している。
孔供給媒体としての安定性に欠ける。
3.2 バームクーヘン
孔を保持する。
しかし摂食前に切断されるため、孔を保持したまま人体へ到達しない。
3.3 レンコン
多数の孔を保持する。
しかし季節性があり、家庭内常備率は低い。
さらに孔密度が過剰であり、単一孔媒体としての制御性に課題が残る。
3.4 ちくわぶ
孔を保持する。
しかし主として汁物中で提供される。
孔内部は液体で満たされるため、孔の通過性が著しく低下する可能性がある。
また、地域的偏在も認められる。
3.5 かまぼこ
魚肉練り製品である。
高タンパクで全国流通している。
しかし、孔を保持しない。
そのため人工孔媒体としては機能しない。
一方で紅白など色彩による視覚的訴求が認められ、竹輪とは異なる普及戦略を採用しているものと考えられる。
3.6 竹輪
竹輪は
・孔を保持する
・高タンパク
・低カロリー
・安価
・全国流通
・常備されやすい
・そのまま摂取可能
という条件を唯一同時に満たす。
現時点において、竹輪以上に人工孔を人体へ供給する媒体は確認されていない。
以上を総合すると、人工孔媒体として必要な条件は
①孔を保持すること
②全国流通すること
③人体へ到達できること
④日常的に摂取されること
の4点である。
これら全てを満たした食品は、本研究の調査範囲では竹輪のみであった。
4. 孔供給網としての流通
竹輪は全国のスーパーマーケットで広く流通している。
第一報で報告したように、著者は「4本入り竹輪8袋198円(税込214円)」という販売形態を確認した。
一般に特売価格は需要喚起あるいは在庫調整を目的とすると説明される。
しかし、本研究では異なる可能性を提示したい。
まず、188円という価格を考える。
188円(税込203円)は価格表示上「0」を含む。
一見すると円環構造を保持しているように見えるが、本研究において孔とは「貫通し、内外を接続する構造」である。
0は閉鎖円環であり、孔には分類されない。
一方、198円(税込214円)は「4」という開放構造を保持する。
数量情報では、4本入り×8袋=32本となり、数字上の孔は失われる。
しかし価格情報では、214円と表示され、「4」によって開放構造が維持される。
本研究では、この価格設定は数量情報で失われた孔を補完する役割を持つ可能性があると考える。
したがって198円という価格は単なる販促価格ではない。
家庭へ供給される人工孔の総量を維持するための調整値である可能性が示唆された。
また、「8」は視覚的に二つの閉曲線を有し、価格表示上の数字の中でも高い孔保持性を示す。
大量販売時に8袋という単位が採用された背景についても、偶然とは考えにくい。
5. 外食産業における孔供給
孔供給は家庭内に限定されない。
うどん店では竹輪天が全国的に提供されている。
一方、かまぼこ天は極めて少ない。
両者は同じ魚肉練り製品であるにもかかわらず、人工孔を保持する竹輪のみが継続的に提供されている。
外食産業もまた、家庭外における孔供給拠点として機能している可能性がある。
6. 考察
本研究で提示した孔供給網に従えば、孔は個人が維持するものではない。
社会全体で維持される構造である。
スーパーマーケットは孔の分配拠点、家庭は孔の保持拠点、人体は孔の受容拠点として機能している。
竹輪はその全てを接続する、極めて特異な人工孔媒体である。
結論
本研究では、日本社会に人工孔を安定供給する構造として「孔供給網」を提案した。
物流、販売、家庭、外食産業は、独立した社会活動ではなく、人工孔を維持するための一連のシステムとして理解できる可能性がある。
研究の限界
本研究では日本国内のみを対象として検討を行った。
海外における孔供給網の実態については十分な知見が得られておらず、今後は国際比較研究が必要である。
また、家庭内孔密度と生活満足度との関連についても、さらなる検証が望まれる。
今後の課題
本研究では物流・家庭・外食産業を中心に検討を行った。
しかし、人はなぜ孔を受け入れ続けるのか。
その文化的・宗教的背景については十分に論じることができなかった。
この点については、第四報「孔儀礼の成立 ―竹輪信仰の起源に関する試論」において検討する予定である。
査読のお願い
本研究には、著者自身も把握していない理論上の飛躍、孔の見落とし、あるいは未発見の孔が含まれている可能性があります。
読者諸氏による建設的なご意見・ご指摘・反証・追加文献・新たな孔保持食品の報告を歓迎いたします。
また、「人体以外にも孔構造体が存在する」「宇宙孔理論にはこの視点が不足している」等の学術的議論も歓迎します。
査読コメントはお気軽にどうぞ。
利益相反
著者は竹輪メーカー各社との利益相反はありません。
ただし、4本入り竹輪8袋198円(税込214円)の特売には強い影響を受けています。
倫理審査
本研究は、著者の台所において実施されました。
倫理委員会の承認は得ていません。




