表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
瀬戸内海でもっとも大きな島  作者: 坂本光陽
甘き薔薇よ、永遠なれ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
20/56

美幸さん


「重要なこと?」

「とりあえず、隠し事はやめてくれ」


 私は内心ギクリとしながらも、

「何それ。私、隠し事なんかしてへんよ」と、とぼけた。

 叔父はニヤニヤ笑って、

「メグちゃんとは長い付き合いやからな。隠し事をされたり嘘を吐かれたりすると、すぐわかるんや。高校生のとき、中学生のときにも似たようなことがあったな」


「そんなこと、あったかなぁ」

「何や、とぼけるんかいな」


「だって、全然記憶にあらへんから」

 叔父は納得をしていない顔つきだったが、

「まぁ、ええわ。今は【甘きバラよ、永遠なれ】に集中しよ」


「うん、そうだね。集中しよ」

 叔父は短く息を吸い込んでから、

「じゃ、ズバリ訊くんやけど、夢うつつの状態で【甘きバラよ、永遠なれ】と言ったのは、一体誰なんや? 男なのか、女なのか? 年齢はいくつや? あと、メグちゃんとどういう関係なんや?」


 やっぱり、叔父は鋭い。マシンガンのように問いただされてしまった。

「わかった。一つひとつ答えていく。【甘きバラよ、永遠なれ】と言ったのは、女の人やよ。正確な年齢は知らんけど、たぶんアラフォーやと思う。叔父様と同じぐらいやないかなぁ。あと、訊かれていたのは、何だっけ?」


「メグちゃんと、どういう関係なのか」

「ああ、そうだった。只の知り合いというか、関係は同僚になるのかな。同じハンバーガーショップで働いていたの。美幸さんは店長さんで、私はアルバイトやったけど」


 叔父は腕組みをして、

「……なるほどな。嘘は言ってへん」と、半信半疑の顔つき。

 私はおどけた調子で、

「あれ、ひょっとして男性やと思った? 私の彼氏やないか、とか」


「いや、そんなことはないけどな」と言って、コーヒーを飲み干した。

 私はお代わりを注いであげながら、

「どうなん、美幸さんが叔父様と同世代というのは、重要な手掛かりになりそう?」


「それは美幸さんが、どういうタイプなんかによる。アラフォー女性だよな。もし結婚しているなら、一番の関心事は子供のこと、家庭を守ることやろう」

 私は首を横に振って、

「ううん、美幸さんは独身やった。バツイチでもなかった」


「そうか。メグちゃんは美幸さんと仲がよかったんやね。どういう女性やったのか、できるだけ多くの情報が欲しい」

「うん、わかった」


 私はできるだけ多くの情報を提供するように心がけた。

 美幸さんは、いつも元気で朗らかな明るい女性だった。さっぱりとした性格で、頭の回転も速く、仕事をテキパキこなしていた。面倒見もよくて、私たち学生バイトは相談にのってもらったものである。


「美幸さんの趣味は何やったのかな?」

「一番熱中していたのは、テレビドラマやね。ネット配信のドラマが話題になることが多かったと思う」


 なにげなく言ったんだけど、これが思わぬ突破口になった。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ