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深淵の覇主  作者: aaaa


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23/30

第22章 布陣

数字を確認した。


195PT。


骨子は昨夜のうちに固まっている。

中央通路、左右のL字迂回路。

通路の奥に骸骨剣士、最後尾にウォーロード。


迷う理由はなかった。


着手した。


---


先に1Fの状態を見ておく。


感知を絞った。


影狼は横になったままだ。

脇腹の傷は塞がりかけているが、まだ立って戦える段階ではない。

アラクニアは糸を紡ぎ直している。

サンダーウルフは眠っている。

ゴースト・ガーディアンは部屋の中央に立ち、動かない。


侵入者がいない間は、自然に回復が進む。

急ぐ必要はなかった。


今夜の作業は2Fだけで完結する。


---


大部屋の中央に立った。


床は均された岩盤。

壁は粗削りのまま。

広さは把握している。


50m×50m。


ここに構造を刻む。


---


中央通路。

入口から核の間の手前まで、幅3m・長さ24m。

その両脇に、L字に折れる迂回路を8mずつ。


指定した。


```

[ 建設開始:区画通路(大部屋内)]

[ 中央通路      :24m ]

[ 左迂回路(L字)  :8m ]

[ 右迂回路(L字)  :8m ]

[ 消費PT:-40 PT ]

[ 残PT:155 PT ]

```


岩壁が持ち上がり、床に刻まれた線に沿って伸びていく。

数秒で終わった。


完了通知が来た。


```

[ 建設完了:区画通路(大部屋内)]

```


歩いて確認した。


中央は一直線。

左右は途中で直角に折れ、行き止まりに近い形で終わる。


思った通りの形になっていた。


---


迂回路の折れ角に罠を仕込む。


迷い込んだ者を、そこで消耗させる。


```

[ 設置:暗闇罠 ]

[ 位置:中央通路の分岐点 ]

[ 消費PT:-7 PT ]

[ 残PT:148 PT ]

```


```

[ 設置:落とし穴 × 2 ]

[ 位置:左右迂回路の折れ角 ]

[ 消費PT:-10 PT ]

[ 残PT:138 PT ]

```


視界を奪われ、次の一歩で落ちる。

単純だが、効く。


---


控えのリストを確認した。


骸骨剣士。

二刀流。

高ATK、斬撃と刺突に強い。


召喚を命じた。


```

[ 召喚・配置:骸骨剣士 × 3 ]

[ ☆☆ / 不死系(亜種)]

[ HP 60 / ATK 36 / DEF 14 / AGI 12 ]

[ スキル:二刀流 — 1Tに2回攻撃(各攻撃にATK+8補正)]

[ 弱点:斬撃・刺突半減の反面、打撃を1.3倍で受ける ]

[ 消費PT:±0 PT(控え戦力・配置は維持費のみ)]

[ 残PT:138 PT ]

```


三体が同時に姿を現した。

骨格に錆びた二刀を提げている。


一体を左の迂回路へ。

一体を右の迂回路へ。

最後の一体は、中央通路の奥、ウォーロードの後方に控えさせた。


崩れた側へ回す予備だ。


---


最後に、ウォーロード。


召喚を命じた。


核の間の手前、空間が反応した。


```

[ 召喚・配置:アンデッド・ウォーロード ]

[ ☆☆☆☆ / 不死系 ]

[ HP 230 / ATK 65 / DEF 46 / AGI 12 / INT 12 / LUK 9 ]

[ スキル:将軍の覇気 — 同フロアの不死系のうちHP50%以下の個体にATK+10・AGI+5 ]

[ スキル:百戦錬磨 — 自身HP半減以下でATK+15・DEF+10・AGI+5 ]

[ スキル:鉄壁の防衛 — 自身が前衛のとき、背後の不死系の被ダメージ-10% ]

[ 消費PT:±0 PT(控え戦力・配置は維持費のみ)]

[ 残PT:138 PT ]

```


床が震えた。


骨と黒い甲冑で構成された巨躯が、中央通路の最奥に立った。

天井5mに届きそうな高さ。

握られた大剣は、骸骨剣士のものとは比較にならない大きさだった。


これまで配置してきたどのモンスターとも、質が違う。


数字ではわかっていた。

実際に立たせてみると、威圧感は数字以上だった。


「悪くない」


---


配置を見渡した。


中央通路を進めば、まっすぐウォーロードに当たる。

左右へ逃げれば、迂回路の先で落とし穴と骸骨剣士が待っている。

どちらを選んでも損耗する。


数を減らしてから、ウォーロードが仕留める。

崩れた側には予備の骸骨剣士が回る。


昨夜考えた設計が、そのまま形になった。


合格だ。


---


残りPTを確認した。


138PT。


配置分のPTはかからなかった。

控えの戦力を出しただけだ。

通路と罠の建設費だけで済んだのは、想定通りだった。


---


感知を切り替えた。


廃屋のマインドフレイヤーへ。


街道沿いの物陰から、城門を見ている視界だった。


夜だというのに、人の往来がある。

普段のこの時間には、ほとんど動きがないはずだった。


精神感知を絞った。


緊張の反応が、複数まとまって動いている。

恐怖ではない。

気を張り詰めた、殺気に近い緊張だ。


数えた。


十を超える反応が、城門の内側に集まっている。

位置はまだ動いていない。


これまでの侵入者とは、集まり方の密度が違う。


出発はまだしていない。

準備段階だ。


編成が進んでいる可能性が高い。


いつ動くかは、わからない。

規模も、まだ確定できない。


わかっているのは、次が今までと同じではないということだけだ。


---


感知をダンジョンへ戻した。


```

[ 自動計上:維持費 ]

[ 影狼 × 1          :-1 PT ]

[ アラクニア × 1       :-1 PT ]

[ サンダーウルフ × 1     :-1 PT ]

[ ゴースト・ガーディアン × 1 :-3 PT ]

[ 骸骨剣士 × 3        :-3 PT ]

[ アンデッド・ウォーロード × 1:-5 PT ]

[ 残PT:124 PT ]

```


続いて、狩猟隊の報告が来た。


```

[ 外部討伐確認:野生獣 × 16 ]

[ 外部討伐確認:魔物 × 6 ]

[ 獲得PT:+38 PT ]

[ 残PT:162 PT ]

```


---


数字を確認した。


162PT。


2Fの迎撃態勢は整った。

だが、相手の規模はまだわからない。


できることは、もう終わっている。


あとは、来るのを待つだけだ。


それだけだ。


■ あとがき — 第22章 ダンジョンレポート


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【ダンジョン構造(変更点)】


2F-1(大部屋)内部に区画通路を建設。


【経路】


<メインルート>

1F

 入口

  ↓ 通路(5m)

 1F-1(10m×10m)

  ↓ 通路(5m)/通路内:連鎖爆炎魔法陣

 1F-2(10m×10m)→ 1F-5(10m×10m・空室)

  ↓ 通路(5m)

 1F-3(10m×10m)

  ↓

 1F-4(10m×10m)

  ↓ 通路(15m・2F接続)


2F

 2F-1(50m×50m)

  入口 → 中央通路(幅3m・24m)→ 核の間手前

    ├─ 左迂回路(L字・8m):暗闇罠(分岐点)/ 落とし穴 / 骸骨剣士×1

    └─ 右迂回路(L字・8m):落とし穴 / 骸骨剣士×1

  中央通路奥:骸骨剣士×1(予備)/ アンデッド・ウォーロード×1

  ↓

 2F-2(10m×10m)← ダンジョン核

  ↓ 隠し扉

 DM生活区画(3m×4m)


【配置詳細】

◇1F-1:暗闇罠×2 / 落とし穴×2 / 毒霧散布罠×1

◇通路(1F-1⇔1F-2):連鎖爆炎魔法陣

◇1F-2:影狼×1(脇腹裂傷・回復進行中)/ アラクニア×1(糸再生中)

    サンダーウルフ×1(休息中)/ ゴースト・ガーディアン×1(疲労残存)

◇1F-3:コアバット×1(右翼重傷・療養中・非戦闘)

◇1F-4:未設置(空)

◇1F-5:空室

◇2F-1:区画通路(中央24m+左右迂回路各8m)/ 暗闇罠×1 / 落とし穴×2

    骸骨剣士×3(左迂回路1・右迂回路1・中央奥予備1)

    アンデッド・ウォーロード×1(中央通路最奥)

◇2F-2:ダンジョン核

◇DM生活区画(2F-2 隣・隠し扉裏):各設備あり


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【戦力配置(変更点)】


骸骨剣士×3       :新規配置(左迂回路1・右迂回路1・中央奥予備1)

アンデッド・ウォーロード:新規配置(中央通路最奥・2F主力)

影狼          :重傷に近い中傷 → 回復進行中(非戦闘)

ゴースト・ガーディアン :疲労増 → 疲労残存(非戦闘)

サンダーウルフ     :疲弊増 → 休息中(非戦闘)

アラクニア       :糸再生遅延 → 再生中(非戦闘)


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【PT収支】


 章開始時PT      :195 PT

 区画通路建設     :-40 PT

 暗闇罠設置      :-7 PT

 落とし穴×2設置    :-10 PT

 骸骨剣士×3召喚配置  :±0 PT(控え戦力・配置は維持費のみ)

 アンデッド・ウォーロード召喚配置:±0 PT(控え戦力・配置は維持費のみ)

 維持費(1日分・新規モンスター込み):-14 PT

 狩猟隊収益      :+38 PT

 ──────────────────────────

 章終了時PT:162 PT


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【重要イベント】


■ 2F大部屋の防衛構造が完成

 中央通路(アンデッド・ウォーロードが最終防衛)+左右L字迂回路(罠+骸骨剣士)の三方向構成

 昨夜(第21章)の設計方針をそのまま実行


■ アンデッド・ウォーロード、初配置

 ☆☆☆☆モンスターとして2Fの主力に。第20章から配置保留だった懸案が解消


■ 骸骨剣士×3、初配置

 左右迂回路に固定1体ずつ+中央奥に予備1体(ウォーロードの指揮下で崩れた側に回す運用)


■ マインドフレイヤー経由で城門付近の異常を感知

 深夜にもかかわらず十名を超える緊張状態の反応が城門内側に集結

 まだ出発はしていない(準備段階と推定)

 討伐隊・大規模探索隊の編成が進んでいる可能性が高いが、規模・時期は未確定


■ 維持費、6PT/日 → 14PT/日に増加(骸骨剣士×3で-3PT、ウォーロードで-5PT追加)


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【通貨変動】


変動なし(この章では取引なし)

残り通貨:銀貨約16枚強(概算・変動なし)


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