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深淵の覇主  作者: aaaa


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20/21

第19章 初クエスト

朝、ギルドへ向かった。


掲示板の前に立ち、

昨日目をつけた依頼書を取った。


「北東の丘陵沿いで薬草採取。

対象:青葉薬草(茎の付け根が赤い緑葉・湿地付近に自生)。

最低収集量:小袋一杯分。

報酬:銀貨二枚。一人可。継続依頼」


カウンターへ持っていった。


「これを受けます」


依頼書を確認し、ギルドカードを照合する。


「Fランク、ライさん。

北東の丘陵ですね。

帰りはそのまま窓口へ」


「わかりました」


---


城門を出る前に、廃屋の前を通った。


マインドフレイヤーへ命令を送った。


「北東の丘陵へ先行しろ。

茎の付け根が赤い緑葉の草を探せ。

見つけたらその場で待機。

人の気配があれば、凪に知らせろ」


知性体への命令は、詳細に伝えることができる。

マインドフレイヤーが動き出した感覚が来た。


---


北東の丘陵まで二十分ほど歩いた。


丘の入り口あたりで、核を通じた報告が届いた。


湿地に近い低い斜面、

岩陰の影になった地点に

目標の草を確認した、という内容だ。


方向を変え、そちらへ向かった。


---


場所に着いた。


マインドフレイヤーの姿は見えない。

昼間は輪郭が薄れる。

だが気配は感知できる。


教えられた場所を確認した。


茎の付け根が赤い。

依頼書と一致する。

葉の形状も合っている。


根元から丁寧に切った。


---


マインドフレイヤーが別の場所へ移動し始めた。

次の群生地へ案内している。


岩場の影、水が流れた跡の低地、

枯れ木の根元に近い柔らかい土。


場所を選ぶ基準が、的確だった。


最低量の三倍近くが集まるまでに、

三十分もかかっていなかった。


---


草を集める間、人の接近はなかった。


マインドフレイヤーが斜面の上で

周囲の精神的な動向を拾い続けていたからだ。

接近があれば報告が来る手はずだ。


何もなかった。


---


採取を終えた。


マインドフレイヤーへ命令を送った。


「廃屋へ戻れ。引き続き待機」


了解の応答に近いものが返ってきた。

知性体との意思疎通は、これに近い。


---


足を止めた。


今の命令の精度を、頭の中で振り返った。


「特定の植物を探せ」

「人の気配を検知して報告しろ」

「複数地点を巡回し、案内しろ」


すべて通った。

細かい手順を含む複合的な指示が、

城門の外にいる知性体へ届いた。


ならば。


ダンジョン内部の配置変更も、届くはずだ。

建設命令も、届くはずだ。


距離の問題ではない、と仮定した。


試すのは今夜でいい。


---


丘を少し登り、視界が開けた。


東南東の山の稜線が、霞の向こうにある。


今、核とどこで繋がっているか、

それを意識したことがなかった。

核の通知は遠隔でも届く。

狩猟隊への命令も、ここから出している。

それは当たり前のことだと思っていた。


建設命令は一度もここから出したことがなかった。

ただ試していなかっただけかもしれない。


---


丘を降りた。


ギルドへ戻り、窓口に向かった。


担当スタッフが草を確認する。


「根元の切り口もきれいです。

はい、受領確認」


銀貨二枚を受け取った。


「早かったですね。

明日もありますよ、同じ依頼。

来てくれると助かります」


「考えます」


窓口を離れた。



---


宿に戻り、夜を待った。


---


日が落ちた。


まずコアバットへ命令を出した。


通路で療養中の個体に、

空き部屋Aへ移動するよう指示した。


通った。


少し、間があった。


予想はしていた。

だが実際に応答が来たとき、

思っていたよりも素直に動揺した。


ほぼ間をおかず応答が返ってきた。

コアバットが移動を開始した。

ダンジョンの内部から、確かに。


仮定が正しかった、というより、

当たり前にできることに

今まで気づいていなかった、という感覚に近かった。


---


次に建設命令を出した。


1F 南東、空き部屋Aの隣に小部屋を増設する。


```

[ 建設開始:小部屋 ]

[ 1F 第5室(南東)— 10m × 10m ]

[ 消費PT:-20 PT ]

[ 残PT:260 PT ]

```


数分後、完了通知が来た。


```

[ 建設完了 ]

[ 1F 部屋数:5室 ]

```


直後。


```

[ 2F アクセス解放 ]

[ 解放条件達成:1F 部屋数 5室 ]

[ 2F への通路建設が可能になりました ]

```


---


管理に距離は関係ない。


そう確認した。


移動命令も建設命令も、

ダンジョンから離れた場所から通る。

核との接続は物理的な位置に縛られていない。


今後、ダンジョンに帰らなくても

一定の整備はここから動かせる。


---


```

[ 自動計上:維持費 ]

[ 影狼 × 1         :-1 PT ]

[ アラクニア × 1      :-1 PT ]

[ サンダーウルフ × 1    :-1 PT ]

[ ゴースト・ガーディアン × 1:-3 PT ]

[ 残PT:254 PT ]

```


続いて、狩猟隊の報告が来た。


```

[ 外部討伐確認:野生獣 × 22 ]

[ 外部討伐確認:魔物 × 9 ]

[ 獲得PT:+46 ]

[ 残PT:300 PT ]

```


区域変更の効果が出ている。

前夜より数字が戻った。


---


300PTを超えた。


中部屋の建設費は150PT。

2Fへ降りる通路の建設も、今夜から着手できる。


---


控えのリストを、頭の中で整理した。


配置待ちのモンスターは多い。

☆☆☆の枠だけで七体以上。

☆☆も十五体以上ある。

今の1Fには収まらない数だ。


問題は置く場所ではなく、用途だった。


2Fをどう機能させるか。

それを先に決めなければ、

何を置いても意味がない。


索敵と惑乱を軸にするなら、

ダーク・オラクルが候補に入る。

通路が複雑であるほど機能する個体だ。


指揮系を核にするなら、

ネクロマンサーと骸骨剣士の組み合わせが成立する。

今の手持ちで揃う。


ただし、中部屋を建設すれば選択肢が変わる。


150PTで50×50の空間が作れる。

その条件を満たせば、

アンデッド・ウォーロードとシャドウ・ドラゴンの

配置制限が外れる。


どちらも単体戦闘力に加えて指揮機能を持つ。

2Fの中核として据えるなら、

今の控えの中でもっとも適した個体だ。


急がない。

構造が決まるまで、選定は保留でいい。


手順は正しい順序で踏む。


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【ダンジョン構造(変更点)】


■ 第5室 建設リモート

 小部屋(10m×10m)/ 1F 南東側に追加

 → 1F 部屋数:5室(2F アクセス解放)


【経路】

 入口

  ↓ 通路(5m)

 入口の間(10m×10m)

  ↓ 通路(5m)/通路内:連鎖爆炎魔法陣 / コアバット×1(移動後・回復中)

 前室(10m×10m)

  ↓

 ダンジョンマスターの間(10m×10m)

  ↓

 DM生活区画(3m×4m・隠し扉裏)

  ↓

 空き部屋A(10m×10m・未設置)

  ↓

 空き部屋B(10m×10m・新設・未設置)← 第19章で建設


【配置詳細】

◇入口の間:暗闘罠×2 / 落とし穴×2 / 毒霧散布罠×1

◇通路(入口の間⇔前室):連鎖爆炎魔法陣 / コアバット×1(空き部屋Aへ移動・回復中)

◇前室:影狼×1(脇腹裂傷・中傷)/ アラクニア×1(糸再生中・軽傷)

    サンダーウルフ×1(疲弊・休息中)/ ゴースト・ガーディアン×1(守護・軽疲労)

◇ダンジョンマスターの間:ダンジョン核

◇DM生活区画:排泄処理スロット / 洗面台(温水)/ 石製寝台(寝具セット有)

◇空き部屋A(旧空き部屋):コアバット×1(療養・移動後)

◇空き部屋B(新設):未設置(空)


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【戦力配置(変更点)】


■ マインドフレイヤー:廃屋待機 → 北東丘陵へ先行派遣(採取補助)→ 廃屋に帰還

 役割:草群生地の事前探索・周囲の精神動向監視(採取を効率化)

■ コアバット:通路(療養中)→ 空き部屋A(療養継続)にリモート移動

■ 狩猟隊:区域変更(北西方向へ)

 効果:野生獣×22・魔物×9(前夜比で回復)


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【PT収支】


 章開始時PT   :280 PT

 建設(第5室) :-20 PT

 維持費(1日分):-6 PT

 狩猟隊収益   :+46 PT

 ──────────────────────────

 章終了時PT:300 PT

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