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深淵の覇主  作者: aaaa


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12/21

第11章 設置

夜明け直後に目が覚めた。


寝台から起き上がると、

核の通知が壁に浮かんでいた。


```

[ 自動計上:維持費 ]

[ 影狼 × 1:-1 PT ]

[ アラクニア × 1:-1 PT ]

[ サンダーウルフ × 1:-1 PT ]

[ 残PT:16 ]

```


16PT。

連鎖爆炎魔法陣のコストは10PT——

差し引き6PTが手元に残る。


今日の昼か午後に4人組が来る。

設置を後回しにする理由はない。


---


DM区画を出た。


前室を通ると、

影狼が顔を上げた。

アラクニアは天井から1本の糸を伸ばしたまま静止。

サンダーウルフは目だけを動かした。


「今日、来る」


告げた。

意味を理解しているかはわからないが、

核を通じて「警戒状態」に切り替える命令を

3体に送った。


影狼の毛がわずかに逆立った。

それだけで十分だ。


---


通路へ出た。


コアバットが天井の岩の凹みに張り付いていた。

ボーンスカウトは壁際に立ったまま。

昨夜と変わらない定位置だ。


「そのまま待機」


通路の中央を進み、

入口の間との境目で立ち止まった。


ここに設置する。


通路の入口側——

後衛が通路に踏み込んだ瞬間に爆発が走るよう、

起動点を奥側に3点並べる。

前衛が炎に足を止めた隙に

ボーンスカウトと影狼が詰める。

前室からサンダーウルフが雷撃で追い打ちをかける。


4人全員が通路に入れば理想だが、

術者が通路手前で足を止めるケースもある。

その場合は前衛3枚を削ることを優先する。


---


核のメニューを開いた。


設置インターフェースが展開した。

床の設置点を3箇所指定する——

間隔1m、直線配置。

起動半径を2mに設定。

連鎖距離を最大の3m間隔に調整した。


問題ない。


```

[ 設置:連鎖爆炎魔法陣(通路・入口の間側)]

[ 配置:3点連鎖(間隔1m・起動半径2m)]

[ 消費:-10 PT ]

[ 残PT:6 ]

```


床に光が走った。


目には見えない——

核の感知を通せば薄く赤い線が浮かんで見えるが、

実際の床面には何も変わっていない。


手を出して感知に触れると、

3点の起動点が稜線のように並んでいた。


設置完了。


---


ボーンスカウトを呼んだ。


「ここを踏むな。通る必要があるなら壁側を一歩ずらせ」


直剣を提げた骸骨が、

起動点の位置を確認するように足元を見た。


核のコマンドで座標データを送った。

ボーンスカウトの目の光が一瞬強くなった——

受信完了の反応だ。


コアバットにも同じ座標を共有した。

空中から降りてくる経路に制限はないが、

念のため起動点の上空は通らないよう設定した。


---


設置作業が終わったのは、

日が完全に上がってからだった。


残PT 6。

これ以上の追加設置はない——

今ある配置で戦う。


入口の間の暗闘罠が2つ、

落とし穴が2つ、

毒霧散布罠が1つ、

ダークスライムが1体。

通路に連鎖爆炎魔法陣。

コアバット、ボーンスカウト、

前室に影狼、アラクニア、サンダーウルフ。


足りないものはある。

だがあるものを使う。


---


DM区画に戻り、

保管中の装備品を確認した。


Cランク捜索隊から回収したものが残っている——

鉄製ショートソード2本、軽革鎧3着、

木芯鉄板の円盾、短剣、投げナイフ。

それとガチャで出た腐蝕の短剣。


手足があるのはボーンスカウトだけだ。

影狼もアラクニアもサンダーウルフも、

鎧を着せる体の形をしていない。


選択肢は単純だった。


---


ボーンスカウトを前室まで呼んだ。


「装備を換える」


核のコマンドで待機を解除した。

骸骨が通路から前室へ移動してきた。


腰の粗鉄の直剣を外させた。

代わりに鉄製ショートソードを渡した——

Cランクが実際に使っていた品だ。

重心、長さ、刃の厚み、どこを取っても格上だ。


```

[ 装備変更:ボーンスカウト ]

[ 主武装:粗鉄の直剣〔粗製〕→ 鉄製ショートソード〔標準〕]

[ ATK:+7(8 → 15)]

```


次に軽革鎧を持ってきた。


ボーンスカウトの胴に当てると、

人間用のサイズに対して骸骨の体は細い。

だが核の形成機能で骨格に直接固定できる——

革鎧は多少緩くても、胸部と背面を覆えればいい。


```

[ 装備変更:ボーンスカウト ]

[ 防具:軽革鎧〔標準〕装備 ]

[ DEF:+8 ]

```


最後に木芯鉄板の円盾を左腕に固定した。


```

[ 装備変更:ボーンスカウト ]

[ 盾:木芯鉄板の円盾〔粗製〕装備 ]

[ DEF:+6 ]

```


Bランクが相手なら、これでも一撃は受けられる。

2撃目は保証できないが——

1撃分稼げれば、そこで連携が成立する。


「戻れ。定位置につけ」


ボーンスカウトは一度頭を下げて通路へ戻った。


---


次は自分の番だった。


棚の上の綿の外套を取った。

転移してきた日から着続けているスウェットの上に羽織る——

薄い布地だが、何もないよりはましだ。


```

[ 装備:綿の外套☆ ]

[ 効果:軽微な物理衝撃を軽減 ]

```


腐蝕の短剣を手に取った。


ATK+9。命中するたびにDEFを2ずつ削る——

相手が鎧を着ていれば着ているほど、

重ねるほど効果が増す。

重装前衛に刺さる設計だ。


前線には出ない。

だが腰に下げておく。

使わなくて済めばそれでいい。


草露薬を2本、外套のポケットに入れた。


---


核の感知を広げた。


ダンジョン周辺250mに変化はない。

まだ来ていない。


昼か午後——

あと5〜8時間はある計算だ。


感知の首飾りがわずかに振動した。

山肌の遠い動きを拾っている——

動物の類で、侵入者ではない。


凪は壁に背をもたせかけて

目を閉じた。


来るまで待つだけだ。


---


昼前になった頃、

首飾りの感知が変わった。


250mの境界に、

人型の反応が4つ入った。


```

[ 侵入者感知:反応あり ]

[ 侵入体数:4 ]

[ 推定種別:人型(武装)]

[ 脅威度判定:高(推定Bランク帯)]

```


想定通り。

昼到着だ。


凪は立ち上がり、

前室に向かった。


「来た」


影狼が低く身を伏せた。

アラクニアが糸を巻いて戦闘姿勢に入った。

サンダーウルフが足の爪を床に立てた——

静電気が微かに散った。


「ダンジョン内からは動かすな。

 命令するまで待機」


3体は動かない。


核の感知を入口方向に絞った。


4人は既に山道を登りきっていた。

先頭の重装が岩壁の亀裂を認識した——

立ち止まり、後ろに何か伝えている。


会話は拾えない。

距離が遠い。


少しずつ縮まっていく。


---


先頭が亀裂に手をかけた。


---


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【ダンジョン構造(変更点)】


変更なし


【経路】

 入口(山の斜面・岩壁の亀裂)

  ↓ 通路(5m) ※コアバット天井待機 / ボーンスカウト壁際待機

 入口の間(10m×10m)

  ↓ 通路(5m) ※連鎖爆炎魔法陣(3点連鎖・入口の間側)

 前室(10m×10m)

  ↓(分岐①)

 ダンジョンマスターの間(10m×10m)

  ↓(隠し扉)

 DM生活区画(3m×4m)

  ↓(分岐② 通路5m)

 空き部屋(10m×10m) ※現在未設置


【配置詳細】

◇入口の間:暗闘罠×2 / 落とし穴×2(中央ライン)/ 毒霧散布罠×1 / ダークスライム×1

◇通路(入口の間⇔前室):コアバット×1(天井待機)/ ボーンスカウト×1(壁際)/ 連鎖爆炎魔法陣(3点連鎖)

◇前室:影狼×1(ステルス)/ アラクニア×1(天井)/ サンダーウルフ×1(床・待機)

◇ダンジョンマスターの間:ダンジョン核

◇DM生活区画:排泄処理スロット / 洗面台(温水)/ 石製寝台(寝具セット)

◇空き部屋:未設置(空)


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【戦力配置(変更点)】


ボーンスカウト 装備強化(第11章)

 主武装:粗鉄の直剣〔粗製〕ATK+8 → 鉄製ショートソード〔標準〕ATK+12

 盾:木芯鉄板の円盾〔粗製〕追加(DEF+6)

 防具:軽革鎧〔標準〕追加(DEF+8)


凪 装備追加(第11章)

 外套:綿の外套☆装備(軽微な物理衝撃を軽減)

 武器:腐蝕の短剣☆☆携帯(ATK+9・DEF累積-2、緊急用)

 回復:草露薬×2 ポーチ収納


━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

【PT収支】


 第11章開始時PT           19 PT

 維持費(影狼・アラクニア・サンダーウルフ × 1日)-3 PT

 連鎖爆炎魔法陣設置         -10 PT

 ──────────────────────────

 第11章終了時PT:6 PT


※装備の付け替え・戦利品流用はPT消費なし


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