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幽霊学園  作者: 久遠 零


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「どっかのクラスが放課後も練習してるって聞いたから、来てみたんだ。支音(しおん)さんのクラスだったんだな」

「それで、照真(しょうま)くんのクラスも練習に来たの?」


 支音の質問に照真は頷く。


「僕たちはあっちの方で練習しようと思ってるんだ」


 指を指した方は今の場所から離れた場所だった。

 そこに、真太郎(しんたろう)が腕を組みながら一歩近づく。


「クラス対抗で敵だからって、離れるよりみんなでやった方が楽しくないか?」


 真太郎の意見に律(りつ)も同意する。


「僕もその意見に賛成だな! せっかくだし、みんなで練習しよう」


 真太郎は少し面食らった顔をしたが、すぐに笑顔になった。


「そうだな。みんなで練習しよう!」


 そうして各々練習を始める。初めはクラスが違うためぎくしゃくとしていた。しかし、だんだんと打ち解けていき、お互いにアドバイスし合いながら、練習をするようになった。

 その練習は今日だけでは終わらなかった。次の日、また次の日と日数を重ねるたびに参加する人は増え、活気ある放課後になった。


「僕が個人的に練習するだけだったのに、こんなに人が集まるだなんて」


 律は信じられないように校庭を見渡す。どの練習場所も笑顔であふれており、嫌々参加しているような人はいない。


「みんな考えることは同じなんじゃないかな?」


 律は横に立って一緒にこの光景を見ていた支音の方に顔を向ける。支音も律の方を見て、続ける。


「律くんの未練はこうやって、体育祭を楽しむことなんじゃないかな?」


 律は自分の手を見て、両手を重ね合わせるようにして握りしめる。


「うん。そうだと思う」

「自分が参加したくても、身体の不自由のせいで参加する権利すら与えられなかった。体育祭こそが未練なんだろうなって思った」

「ありがとう。支音さん。僕の未練を見つけてくれて」

「そうと決まれば、この体育祭。絶対に成功させようね!」


 律はその言葉に力強く頷いた。

 ゆっくりではあるが、律も徐々に上手くなってきており、ついにはカゴよりも高く球を投げることができた。


「やったな! 律!」


 真太郎が自分のことのように飛び跳ねて喜ぶ。対照的に、律の表情は暗く硬い。


「でも、他の人はもうとっくに球がたくさん入るようになってる。もっと頑張らないと……」


 そんな律の元にたくさんの人が集まってくる。


「そこまで投げられるようになって凄いよ」

「球を入れる方法はね……」


 みんなが次々と称賛をして、アドバイスをしてくる。


「みんなありがとう」


 律は満面の笑みで笑った。


 そして、体育祭当日になった。

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