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幽霊学園  作者: 久遠 零


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ーー恩知(おんち)律(りつ)の過去ーー


 僕の人生はベッドの上だった。清潔に整えられたシーツ、そばの棚には最低限の私物が置かれている。

 僕はベッドの上に座りぼんやりと窓の外を眺める。


「空がきれいだな」


 窓の外は雲一つない晴天だ。こんな日に外に出て遊ぶことができたらなんと気持ちいいだろうと思わずにはいられない。

 

「って、何言ってんだ僕は……」


 かすれた笑いをして、窓から視線を離す。棚に置かれた一枚の紙を手に取る。


「今日は何だろう」


 その紙は学校の先生が持ってきたものだ。本来であれば今も授業を受けているはずだった。しかし、僕の体では学校まで通うことも出来ない。


「へー、体育祭か」


 その紙は体育祭のスケジュールだった。様々な種目か書かれていて、それぞれのチームのスローガンが書かれていて、紙からでも熱血さが伝わってきた。


「楽しそうだな」


 スケジュールを読んでいるだけで楽しい光景が続々と浮かんでくる。


「ああ、今日の分の勉強をしないと」


 スケジュールを端に寄せてノートと教科書を開く。

 頭を働かせることに対して苦労は感じないが、座っているだけで体がだるくなってくる。ペンを置いて、ベッドに横たわる。


「もっと元気になりたいな」


 外からは鳥の鳴き声、風による木々のさざめきが静かに聞こえてくる。その音を聞きながら、ゆっくりと深呼吸を繰り返す。


「外、行こうかな」


 かぼそい力を振り絞り、ベッドから足を出して起き上がる。一歩一歩歩いて、外に出る。

 外に出るとあったかい風が肌をなでる。


「気持ちいいな」


 そばに置いてあるベンチに腰掛ける。近くにゴミが落ちていることに気づく。拾い上げて、近くのゴミ箱に投げ入れようとする。ゴミはゴミ箱のそばにポトリと落ちる。


「ん……入らなかった」


 立ち上がってゴミを拾い上げて、丁寧に入れる。その動作をするだけで、呼吸が乱れて、その場にしゃがみ込む。


「はあ、はあ、ふぅーー」


 地面に倒れ込む。空が高く見える。縮こまっていた体を伸ばし大の字に寝転ぶ。


「もう、動けない、な」

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