表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
幽霊学園  作者: 久遠 零


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

53/58

53

 (ゆう)からは何か探し物をした後に玄関の扉を開けた音がした。それを聞いて、支音(しおん)はその場で静かに息をつく。


「この次はどうしようかな」


 そう言った直後、また扉が開く音がした。


「やっぱり、入ってきて」


 優の意見が変わったことに疑問を持ちながらも、特に質問もせず玄関へ向かう。促されるままに家に入る。入ってすぐに、優に手で静止された。


「今度こそ、ここで待ってて」

「わ、わかった」


 そう答えると、優は小走りで奥の部屋に行った。扉を開けた時、隙間から中が見えた。そこには優の写真立てが見えた。おそらく仏壇に飾られてる遺影だとすぐにわかった。

 支音は玄関に座り込み、顔をうずめる。しばらく、そのまま待っていたら、優が帰ってきた。支音は慌てて顔を上げる。


「用事は終わった。次はどこに行くの?」

「中学校に行くのはどうかな?」

「わかった。行こうか」


 優はこの場から一刻も早く立ち去りたいのか、足早に歩き始めた。置いて行かれないように支音もついていく。


「家で、なにか見つかった?」

「いや、特にはなかったかな」


 優の歩くスピードは全く落ちず、支音は徐々に置いて行かれる。


「ちょ、ちょっと早くない?」


 その言葉でようやくスピードが落ちた。


「ごめん、急ぎすぎた」

「大丈夫だけど、どうしてそんなに急いでたの?」

「いや、わからない」

「そっか」


 それ以上は追及せず、今度は2人並んで歩き始める。そのまま特に話すことも無く、黙々と歩き続けた。それは目的地の中学校に着くまで続いた。

 2人は中学校の校門の前で立ち尽くす。


「着いたけど、どうするの? まさか侵入するなんて言わないでよね」

「えっと、ごめんなさい。ノープランです」


 申し訳なさそうに言う支音の態度に呆れたような目つきで優は見つめる。

 2人はその場に立ったまま、中学校の方を見る。


「このままだと不審者だから、プランが無いなら移動しよう」


 優は返事も待たずに歩き出してしまい、中学校の探索は泣く泣く諦めて、その場を後にする。


「外に出るまでは完璧な計画だったのにね」

「とりあえず外に行って、中学校に行くことしか考えてなかった……」

「まあ、いいよ。そもそも期待してなかったし」


 なんとか挽回を試みようと考えを巡らせるが妙案は思いつかない。優は幽霊だが、外に出ると体が実体に見えるようになった。おそらく、外に出る時に待たないといけない、このネックレスの影響だろう。そのため、透明になって侵入することもできない。

 頭を悩ませながら歩いていると、急に止まった優にぶつかりそうになる。


「おっと、ごめん」


 その言葉に返事はなく、怒っているのかと恐る恐る様子を見る。しかし、どうやらそうでは無いようだ。優の意識はとある場所に向いていた。同じようにそちらを見ると、裏山への入り口だった。


「言ってきていい?」

「私も着いていくよ」

「いや、いらない」

「でも、危ないし」

「大丈夫」


 有無も言わさない迫力があった。それだけの覚悟があるそう見える。しかし、支音は強い不安を感じた。もし、この裏山が優が殺された場所だとしたら、平気でいられる訳がないからだ。

 優はいち早く進んで行ってしまった。こっそり後ろをつけることにしたが、流石に難しく一瞬で見失ってしまった。そのため、大人しく元の場所で待つことにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ