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ぶれいぶすとーりー!2 ~佐藤唯は勇者です~  作者: なつみん
3:ドラゴン編
26/40

7:ドラゴン 決戦・真 2

この度はぶれいぶすとーりー!2 ~佐藤唯は勇者です~7:ドラゴン 決戦・真 2を読んでいただきありがとうございます。

 第7章 ドラゴン 決戦・真 2


(もう時間切れみたいですね、わたしも先を急がないと……)

 唯?は、長く旅を続けていた。意識だけの存在になって、自身の帰るべき世界に戻るためにこれからも旅を続ける。


 唯は目覚めが近いことがわかった。普段はそんな感じはあまりないのだが、今は不思議と目覚めが近いことがわかる。そしたらきっといつものルーチンで起きるのだろう。

 いつものように30秒。たっぷり時間をかけて起きる。

 そういえば眠る前何をしていたんですっけ?


 ドラゴンと戦ってました。そして死にました。確実に死にました。

 意識が切れる瞬間を感じました。

 手も足も出ないとはまさにこのこと、という感じに負けました。


 負けたと理解するととても悔しくて、喉元を掻きむしりたい衝動に駆られます。

 ドラゴンは強い?そんなことは知ったこっちゃないです。そして全く関係ないです。

 わたしは負けたという事実が気に食わないです。

 元来確かに負けず嫌いな性格でしたが、ここまでアグレッシブな性格じゃなかったと思います。ですが今は、敗北の苦しみで気持ちで溢れかえっています。


 次は負けない、勝ちに行く。


 負けたくないから勝つ。そんな聞き分けのない子どもの様な気持ちを整理するため、静かに息を吐く。


「ど、どうも。こんにちは」

「……!こ!こ、んにちは!」


 気持ちの整理が付き、次はどのようにして勝つかといざ一考と思った隙に挨拶をさ、困惑した。

 何より心とか精神という最もパーソナルな部分で、意識外の言葉に驚いた。


「あまり時間がないので手短に説明します。あなたが意識が落ちた直後、わたしはあなたの体を動かして、リュックからアルドちゃんから貰ったポーションを目の前に出してあります。それを飲んでください。それを飲んだらすぐにドラゴンを倒してください。頑張ってくださいね?」 

「……え、あっはい?」

「意味分からないかもしれませんが、飲めばすぐ効果がでるはずですから。あなたは強い」


 時間がないと、言った通りに気配というか感覚が唯自身のものだけになった。

 そしてすぐに先ほどから感じていた目覚めの兆候が強くなった。


 起きたらポーション飲んだら、あとは何とかなるらしい。

 そう言ってくれるならなんとかなるのだろう、と楽観にも思えるほど唯はシンプルに自身を信じた。


 私は強い。


 ~~~~~・~~~~~・~~~~~・~~~~~・~~~~~ 

 セイラとロビンは少しづつ戦場を唯とアリアの二人から離すべく動いていた。

 完全に出し切り動けなくなった唯は言わずもがな、アリアも消耗をして重度の魔力欠乏を起こしていた。


 セイラはフェンリルとシルフィーを使い霰を降らせ、攪乱と注意引きを行っていた。さらにレイピアや起爆札などのアイテムも用いてヒット&ウェイのように戦い、ひとりで2人分ぐらいの仕事をこなしていた。

 しかしいかに魔力の消耗の少ない精霊の使役とはいえ、眼に見えて疲労は加速していた。

 疲労の理由は明らかだった。魔術の基本の大原則にして、だからこそ誰もやらないことをセイラはやってのけていた。

 魔術の平行使用。平行使用は足し算的な魔力の消耗から乗算的な消耗に変化してしまう。そんな厄介な性質が魔術や魔法にはあった。それは精霊魔術にも例外なく適応されていた。

  さらに、セイラ自身の運動量も今までの比ではなかった。


 これは、決して少なくないセイラの魔力量と、乗算的になると言ってもそれでも消費の少ない精霊魔術だからこそ、そして15の少年の刻んできたとは思えないほどの密度の濃い鍛練による戦い方だった。

 精霊の乗算使用による消費の大きさによる感覚の差異からか、今までよりは幾分かぎこちなさが残るもの成長性や若さゆえの可能性のようなもを感じさせた。この奮闘ぶりには、最も近くでセイラのヒット&ウェイをスムーズに行わせるためドラゴンのヘイトを稼いでいたロビンも息を飲むほどだった。


(唯といいセイラといい、才能があるのに努力を惜しまない奴らは危うさを含む怖さを感じるな…)


 弓という武器の特性上、ロビンが最も輝く距離はやはり遠距離にある。

 しかし今は鼻先もかくやという位置で、ドラゴンにとって鬱陶しくしつこく攻撃を仕掛けていた。

 そうでもしないと注意を引けない程にドラゴンの外郭は硬く、弓とは相性最悪だった。


 多かれ少なかれ有意無意の差はあれど、大抵の冒険者は自身に対して肉体強化の魔術をかけて戦っていた。

 だから冒険者は屈強な人間が多かったりもするが、ロビンは違った。


 生まれつき弓を射る才能には恵まれていた。しかしそれ以外がからっきしだった。

 子供の頃走れば遅かったし、どんくさい部類の少年だった。

 そんなロビンもたったひとつだけ誇れるものがあった。それが弓を射る事だった。

 そして才能の有り無しに関係なく、狩人として生きた親父や爺さんの背中を見ていたロビンは自身もいずれそうなると信じていた。


 そして才能や実績、噂。いろいろなものを買われて、ルーノ王国とフェンリルグランとの大規模な戦争に向けて徴兵された。

 戦争は凄惨たるものだった。人間の醜い部分が露出したような、血みどろだった。

 こんなことをするために体を鍛えたわけでも、技を磨いた訳でもないと幾度となく後悔をした。

 そして敵将を射った英雄と担がれ、戦争終結の立役者と囃し立てられ、千里眼とか大層な呼ばれかたをするようになった。


 そして巻き込まれて結局今ドラゴンに殺されかけている。


 弓の転位魔法に全容量を使っているロビンは、身体強化の魔術が使えない。

 ドラゴンの攻撃を避けながら、弓を射りながらしてるとあっという間に息があがってしんどくなる。

 そして皮肉なことに意味嫌った千里眼のお陰で、身体能力が乏しいロビンは今も生き残っていると言うのだからお笑いである。


 たったひとつを極めようと、未だその道の途中と奮い立つ。

 幾度繰り返し念じるように奮い立たせ、今ここに居るのだと過去を思い現在を確認した。


「いっけぇ!!インビジブル・レイン!!」


 魔導弓(まどうきゅう)明光(めいこう)の光の魔法で造られた弓とかうんぬんとか、難しい事はロビンにはよく分からない。

 道具はちゃんと使えることが大事なのだと、重要な点だけはちゃんと押さえている。


 今この瞬間に一瞬を作るための時間を創るのに、俺はセイラの道具に喜んでなろう。

 そんな意志が込められたロビンの一射は、クラーケンとの戦いの比にならい程の不可視の矢の雨を降らせた。


後書きですよ!後書き!どうもこんばんはなつみんです。

大変お久しぶりでございます。

約半年の失踪を経て投稿という形に相成りました。ごめんなさい。

今後も定期的に失踪をしては書き、失踪をしては書きを繰り返すと思います。

本当に申し訳ないです!

という事で次回予告

7:ドラゴン 決戦・真 3でお会いできたらと思います。

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