5:ドラゴン編 邂逅 3
この度はぶれいぶすとーりー!2 ~佐藤唯は勇者です~5:ドラゴン編 邂逅 3を読んでいただきありがとうございます。
次回か次々回ぐらいにはドラゴンに会いたいなぁ…。
とまぁ、もうちょっとサブタイ詐欺がつづくんじゃぁ~。って感じですが応援していただけると幸いです。
第5章 ドラゴン編 邂逅 3
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わたしは勇者っていう運命を呪わない。
残念だけど勇者なんてものは一時の華で、惨殺謀殺死刑野垂れ死に……。この世界でのタブー、勇者の冒険譚の決して映してはいけない最後。
もしわたしが魔王討伐に成功したなら、勇者として祀り上げられるだろう。そしたら少なからず勇者に軌跡を求め、あらぬ幻想を抱き、勝手に期待して……。
そして絶望して、恨む。
なんて悲しいお話が勇者の最後。これは例に漏れずわたしもそうなるのだろう。
「はぁ、陰鬱です……。」
さらにたちが悪いのが、そんな先の運命に絶望して魔王を討った後自死した勇者が一番楽な死にざまだったてのが、勇者は誰にも救ってもらえない悲しい存在だと強調しているようだった。
だけど、わたしは勇者っていう運命を呪わない。
守りたいものを守って死ぬなら、どんな悲恋もなんだかんだ最後には笑って許せるのではないだろうか。
だってわたしは___……。
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「…嬢。お嬢。起きろ……。お嬢。」
軽く揺られる。その揺れに合わせ夢から覚める。いつものルーチンで起動する。
30秒後いつもパッチリお目の可愛い唯ちゃんです。
「んー……もがっ!」
「お嬢静かにしろ。夜襲だ……。」
手で後ろから口を押えられる。ロビンが静かな口調で耳元で囁く。
「敵数は12人。足音から人間だ。馬車に三人今このテントを囲もうと歩いて向かっているのが6人。少し先にもう3人だ」
現状を静かに息を殺し把握したロビンは、敵の奇襲が完成する前に敵情をいち早く察した。
「アリアは起こすのはまずい。乱戦にでも成ったらこの闇夜だかなり危険だ。セイラもセイラで対人間には殺傷力が高すぎる。唯、夜目は利くか?」
唯の動きが収まり動揺が減ったところで、ロビンは手を口から離した。
「昼間とあまり変わらないぐらいには……」
「……。まじかよ……。ま、まぁいい。ならテントの裏手から出て、奇襲をこちらから掛ける。テントの3人に声を出させる。その隙に手前6人、やれるか?」
静かにこくりと頷き返す。
ロビンが弓を引き絞る。ギチギチと小さい音が鳴るが気が付く様子はない。
(……。)
(……。こくり)
お互いに目くばせ合い作戦を開始する。
「……。おがっ!痛ぇ!!」
ロビンが弓を射るとぴゅうという音の後、矢がドスッと鈍い音で馬車近くにいた1人の足の甲に突き刺る。
「いてぇ!」
「くそぉ!」
立て続けに残りの2人も無力化する。
手前の6人も一瞬だけ馬車の方に振り返ろうとする。その一瞬があれば十分すぎる。
ざっと人蹴りで、テントの陰から飛び出し一番手前にいた男の懐に滑り込む。低い体勢の勢いのまま左肘鉄を鳩尾に叩き込み呼吸を奪う。そのまま裏拳で顎を叩き意識も奪う。さらに同時に左足で男の顎を回し蹴り気味に掠らす。
左足を回した勢いに合わせ右足で地を蹴り上げ体を捻りながら、顎を裏拳で叩いた男の少し後ろの男に右足で肩から袈裟切りのように斜めに蹴り落とす。
3人の男をほぼ同時に制圧し、膝が崩れ地に体が落ちるよりも早く唯は動く。
「なにがおこ…くそっ!」
残った3人のうち一人が少し早く唯に気が付く。
だがもう遅い。
いち早く気が付いた男にはアッパーカット気味左のジャブで顎を掠める。流れるままに右方向に体を流し、気が付いた男の右側にいた男の顎をまっすぐ叩く。
残った一人は背負い投げで制圧。
この戦場では馬車の近くにいた男の耳には5回しか音が鳴らなかった。まず自分の足の甲に刺さる音。次に2射で、仲間二人の足を貫いているのに確か1回しか音がなかった。
次に音が鳴ったのは背負い投げされた男が地面にたたきつけられる音。次に3人が同時に地面に倒れる音、最後に2人の音。
痛みでのたうち回る中、聞こえたのは確かに5回だけだった。
「ロビン!残りの3人も制圧してきます!」
「ちょ、まっ……!」
唯が爆速で遠ざかり哀れにも、こっちになんかきたz…ひでぶ!とか、親方空から…あべし!とか、美少女キタコレドゥフ…コポー!みたいな声が聞こえてきた。
うん。俺が田舎者だから知らない言葉があるんだろうきっと。そうに違いない。
だからなんのそれ?
「ロビン、今戻りました」
唯は夜盗の仲間と思しき3人を引きずりながらテントの元へ帰った。
「この方たちってやっぱりさっきの村の方ですよね……」
「まぁ、だろうなぁ」
ロビンは3人一組で後ろ手を手首のあたりで縛りまとめていた。唯が意識を奪った人が意識を取りもどすまでもう少し時間が掛かると思うが、先ほど襲ってきた相手を野放しにしておくのも目覚めが悪いのでロビンに倣い3人一組でまとめる。
「まぁ、こんなもんだろう」
縛り終えたはいいがどうしたものかと二人は悩む。
「くそ!離せ!」
ロビンが足を射抜いた男の一人が、冷や汗をだらだら掻きながら自身らの解放を訴える。
「いやぁ、おたくら無理は言いなさんなや。襲ってきた相手をはいそうですか、って開放する馬鹿はいないでしょう?」
「はいそうですか」
「待て待て待て!」
「冗談です。というかまだ眠いので、ここは任せても大丈夫ですか?」
「わかった。見張りはやっとく寝てな」
「ありがとうございます」
唯がテントにいそいそと戻っていく。
「くそ!離せよ!」
「俺に開放の意思はない。別に喚いてもいいが、話は聞かない。なるべく静かにしてやってくれ。寝てるから」
ロビンは男たちに見向きもせず、しかし男たちの動向が見える位置で昼間の箆を作る作業を行っていた。
こういう時は話はしない。村のためとか言って情に絆され解放したら、そのまま襲ってきて殺されてしまうかもしれない。色々なことを想定して、何もしない、何もさせないが正解である。
「さてと、作業の続きですよ。っと」
箆の部分に羽や矢じりを付ける作業に移る。
この度はぶれいぶすとーりー!2 ~佐藤唯は勇者です~5:ドラゴン編 邂逅 3を読んでいただきありがとうございます。
あとがきですよ、あとがき!どうもこんにちは、なつみんです!
ストレス社会に生きる私は胃潰瘍になりそう。胃がキリキリします。
そんな感じですが今回は次回予告もなしに。
次回、ぶれいぶすとーりー!2 ~佐藤唯は勇者です~5:ドラゴン編 邂逅 4
そん感じで応援していただけると幸いです。




