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ぶれいぶすとーりー!2 ~佐藤唯は勇者です~  作者: なつみん
2:ギルド編
15/40

4:ギルド下編 2

 この度はぶれいぶすとーりー!2 佐藤唯は勇者です~4ギルド下編 2を読んでいただきありがとうございます。

 いやはや、次でギルド編最後VSクラーケン戦です。せっかくゲストキャラアーサーとライトニングを出しているので、その二人の戦闘シーンとその弟子ロビンのキャラエピソードみたいに書きたいなと思っています。

 まぁ、そんな感じのシリーズですが応援していただけると幸いです。

 第4章 ギルド下編 2


 セイラたちが着替え終えて外で待つこと5分、アリアの雄たけびが聞こえたその3分後二人は更衣室から出てきた。

「……」

 セイラは何か見てはいけないものを見てしまったように感じ、ふいっと少し視線を外してしまった。

 禁欲的というか自罰的なセイラにとって唯の水着姿は、端的に言ってエロかった。清楚エロって感じだ。

「おー、お嬢似合ってるじゃねか」

「……!そ、そうですね!よく似合ってます!はい!」


 セイラの慌てように唯は苦笑を禁じえなかった。

 唯自身中学生のころから、なんか少し大きいかもなぁーと自覚はあったが高校に入学するころには確信へと変わっていた。

 わたしの胸はおかーさん譲りでかなり大きく、陰で男子が佐藤って胸でけぇよな…!それな…!。とか話しているのがヒソヒソと聞こえてくる。

 あんまりにもんざりだった。

 たぶんこのころから、少しづつ猫背気味に歩くように成っていたかもしれない。


 しかし都合がいいことに、悪い気がしないのだ。

 ロビンに褒められてもそうですかはい。ぐらいだがセイラに言われると少しむず痒い気持ちに成っていた。

「……あはは。ありがとうございます……。セイラ君もその、似合ってますよ?」

「あ、ありがとうございます」

「おぅおぅ、青春だーねぇ」

「ロビンは下手なナンパ師って感じですね。成功率1%未満ですか?」

「失礼な!俺だって本気出せば5%ぐらいは行ける!」

「妙なところで弁えてますね…?そして微妙な成功率」


 セイラは薄めのパーカーに、海水用の短パンといったよく見る水際スタイルって感じのいで立ちだった。

 しかしよくよく見れば、かなり引き締まった体をしていますね、と唯は感心した。

 ロビンの方だが、アロハシャツに海水用の短パン、ビーサンにサングラス今からすぐにでもナンパに行けそうなスタイルをしていた。


「はーっはっはっは!!おぉ!アリアまさに美の女神と言っていいほど完璧なプロポーション!結婚しよう」

「……。やめろ恥ずかしい。それに唯を見てみろすごいだろう!」

「そんなことは関係ない!俺はアリアを愛している」


 片膝をつきブーメラン型の、かなりきわどい水着を着たアーサーが、アリアの手を取り高らかにアリアの美を讃えていた。

 そして無駄にいい声で、結婚しようだなんて言うものだから面白かった。


 それに対し、アリアは少しむすっとしながらも若干照れながら唯を引き合いに出した。

 寄る年波とかからは遠い存在のアリアだが、よく言えばスレンダーで唯の女性らしい丸みとかとは違う美しさであった。

 ゆえにアリアも、それこそ約20年前に共に冒険した唯の母鵜鷺(うさぎ)のように、ナイスバディに成りたかったと思うこともしばしばあった。

「はーっはっはっは!!しかし、だ!すごいな!」

「あん?」

「……すまない」

 ガバッと立ち上がったアーサーが唯の方に向き直り、いろんな意味と思惑を挟み一言、すごいなとド直球を放った。

 それに対しアリアが、普段は微ハスキーがかった通りのいい声でどすを利かせる。

 そのためアーサーもかなり冷や汗を垂らしながら一言、すまないとアリアの顔を視れずに言った。

 なんとも情けないがこれも男の性なのだろう。


「あぁ、待たせたねぇ!」

「……うぅ!」

 汚い!

 最初の感想がそれしかなかった。ライトニングは海の家みたいなところからビーチパラソルとかシュノーケルと海で遊ぶ用のレジャー用品を借りてきていた。

 それはどうでもいい。そんなことはそうでもいいのだ。

 上から、普段はくたくたになり、つばのよれよれになったサファリ帽みたいなのが、今はビーチ仕様で、それもまた何年来の付き合いだよ!と、突っ込みを入れたくなる程ボロボロの麦わら帽に代わっていた。

 そして服装はロビンと似て、アロハに海パンにビーサン以上。

 なのだがこれがまた、人間どのようにしたらこうもみすぼらしくできるのかと不思議になるほど小汚なかった。


 アーサーやアリア曰く、呪いを受けるよりも前から、どうも服を着るとどうしてもみすぼらしく、ボロボロになってしまうようだ。

 これもロビンと同じく文字による呪いらしいが、これにはロビンも書かれたのが千里眼でよかったと一言漏らした。

 そんなこともさることながら、まったくライトニングは意に介していないのだ。

 そんなだから、みすぼらしい男という呪いを受けたのだと、自業自得と言えばそうなのだが。


「はーっはっはっは!!ということで()()()()()()()、ビーチバレーでもしよう!」

「は、はぁ?でもどうして急にビーチバレーなんですか?」

 あえて()()()()()()とも、楽しく海にいれば()()()()()()()()()のではないだろうかと、唯はアーサーの言葉に疑問を抱いたが、それよりもなぜ急にビーチバレーなのかと思った。


「はーっはっはっは!!急にやりたくなったから、だ!はーっはっはっは!!」

「……まぁ、いいだろう。やるか」

 ふむ。これは何か隠しているな。といち早くに気が付いたアリアだが、せっかくの海だしと、アーサーの提案に乗るアリアだった。

 ビーチパラソルの陰で、くこーと寝こけているライトニングを除いたメンバーでじゃんけんでチーム分けをおこなった。

「んじゃー、アーサーさん、セイラチームVSアリア、お嬢チームで試合な。勝利条件はどうする?」

「はーっはっはっは!!10点先取がちょうどいいんじゃないか?」

「了解しましたよ。んじゃサーブはセイラチームからで」

 そう告げるとロビンは試合開始のホイッスルを鳴らした。


 ピーっと笛の音が鳴ると、セイラはくるくると手の内でボールを回し高くトスを上げる。

 足の取られる砂浜で器用にも、ジャンピングサーブを見事に決めた。

 セイラは唯から見ると、対角線上の左端からコート中央へ狙いを定めていた。

 二人の間でどちらがとるか迷わす作戦だろう。

 しかしネットを超える直前に突風が吹き、唯のいるコートの右端ギリギリいっぱいにコースが変わった。

 かなりきわどく、入るか入らないかの判断が悩むところだった。


 一瞬判断が遅れ、体が硬直するが唯は持ち前の膂力で砂を蹴り、横っ飛びの態勢で、リストだけでボールをコート中央に戻した。

「アリアさん!」

「おう。」

 アリアは、唯が無理やりにでもコート中央に戻すと信じた動きで、コート中央でトスアップの態勢に入っていた。

 アリアは唯が態勢を戻す分だけ、少し高めにトスを上げてやる。

 それに応えるように唯は、しっかり助走を切って高く飛ぶ。

「はーっはっはっは!!」

 アーサーのブロックが唯の打点より少し高いので、唯はコースをクロスに切り替え打ち切る。

「……っ!」

 若干呆けたセイラの反応が遅れ、まずアリア唯の先取。


「いぇーい」

 二人はハイタッチでまずは先取と喜びを表現していた。

「はーっはっはっは!!審判!ターイム!」

「どーぞ。」

 アーサーはセイラの肩を組み唯たちに背を向けヒソヒソ話を始めた。

 大方作戦でも考えているのだろう。

 しかしこちらは関係ない。

 唯がスパイクで決める。

 ゴリゴリの力押しだがやはりシンプルに一番強い。


「おい。セイラ君見たか今の!」

「……!えぇ、すごいスパイクでした。」

「それもすごいが、なぁ!」

 唯の予想は半分外れる男とは常に悲しい生き物なのだ。


 アーサーはなぁと言いながら、肩を組んでいない右手の方で自身の厚い胸板の前で丸く動かす。

 もちろんセイラだって分かっている。

 すごく揺れたのだ、唯の胸が。

 一瞬遅れ横っ飛びする体に若干遅れて動く胸。

 転がった時についた砂が付いたと思わる胸や尻。

 助走に合わせ上下し、踏切の際に命一杯重力を受け下がり飛んだ後に遅れて跳ね上がる。


 ぶっちゃけ試合中、それよりも前からセイラは気になって仕方がなかったのだ!いくらセイラが禁欲的といっても年頃の男の子。

 気にならなかったらそれはそれでかなりまずい。

「……はい」

 セイラは万感の思いでただ一言アーサーのなぁ!に答えた。

「セイラ君はユイちゃんが好きなんだった?」

「……はい」

「あれほどの上玉はいない!絶対落とせよ!」


 もうなんだかよくわからなくなったセイラは、アーサーの問いにはいと答えるしかできなくなっていた。

「しかしだ。勝負の世界はそうではない。分かるな?」

「……。はい」

 先ほどまでとは打って変わって、まじめなトーンのアーサーのおかげでセイラも切り替わる。

 負けず嫌いなセイラは好きな女の子相手でも、いや好きな子だからこそかっこ悪い姿は見せられない。

「作戦があります」


 試合は7対8。

 かなりのシーソーゲームを展開していた。

 戦略を持って戦いに挑むセイラアーサーと、ごり押しの唯アリアでどちらも白熱していた。

 セイラの作戦として、唯は不意打ちや思考する時間があると、一瞬止まってしまう。

 その隙をつき極力アリアに打たせること。

 もし唯に打たれてしまったときは、ブロックで命一杯コースをふさぎ正面に打たせる。

 アリアはフェイントなどもうまく混ぜてくるが、唯はいささかフェイントが少なめだった。


 その二つを徹底して戦い、状況に合わせこまごまと作戦を立てかなり善戦していた。

 そしてセイラの4回目のサーブが回ていた。

 サーブはアリア向け打つここで崩せなかったら、ツーで唯が打ってきてしまう。

 かなりアリアは崩れたが唯が打てる高さまで上げきる。

 唯はそれに答え、スパイクの態勢に移る。

 かなり難し角度のボールに合わせ飛ぶ。

 それをコースをふさぐようにアーサーがブロックの態勢をとる。

 かなり難しい角度なので俺なら止めれる、とアーサーはブロックに力を入れる。


「甘いです!」

 唯はこのスパイク端から得点を狙っていなかった。

 ブロックによるリターンを取ろうとしていたのだ。

「しまった!」

 ブロックに軽く当てリバウンドを制す。


 それをトスとしてアリアの強烈なツーアタック。

 ブロックから下がり切れないアーサーのクロスへアリアは打ち切り、7対9マッチポイントに差し迫る。


「いえーい!」

 ここにきて唯は今までなかった戦略を披露してきた。

 切り札だったのかもしれない。

 よく言えばマッチポイントからの最後に使われずに済んだと、最悪を想定すれば他にも必殺の戦略があり、7対8になった時点で負けていたのかもしれな。

 いろいろな思考がセイラを駆ける。


「やられたな。しかしいい傾向ではある」

 アーサーは見事に戦術に嵌ってしまっていた。

 そいえばそもそもアーサーはこの戦術も知っていたのではないか?なぜ事前に。歯噛みしてしまう。

「すまないな、セイラ君。知っているから何でもできる訳じゃないんだ。ここから作戦どうするかね?」


 この期に及んで情けなくもアーサーに頼ろうとしてしまった、セイラは自身の不甲斐無さに気づき、それにさらに歯噛みした。

 アーサーはこれも訓練の一種のように使っていたのだ。

 何が急にやりたくなっただ。

 本当に食えない人だと、セイラはひどく肩透かしを食った気分だった。

「……そうですね……。作戦を立て直さないとですね」 


 次もしあの作戦で来るときは、こちらからアーサーに指示を出して対処しよう。

 しかしだ、他の作戦があるのかもしれないと警戒が尽きない。厄介だ。

 その一方唯たちは。

(あぶねぇじゃねか!なんてことしやがる!)

(いや。アリアさんならだいじょうぶかなーって。)

(馬鹿野郎!)


 作戦でもなんでもなくただのラッキーだった。

 唯もアリアも戦闘中考えもするが、思考のリソースをわりかし反射へ譲渡している節がある。

 セイラのように常に考え続けているというほどでもなかった。


 しかしだ、こういった奇襲を用いねば得点が取れなくなってきているのも事実だった。

 特に唯からのクロスへの得点率はかなり落ちていた。

 アーサーはブロックで確実にストレート側を埋め、クロスのセイラを信用しきっている動きをしている。

 かなり連携を上手くとられていた。


 パーティー戦においてもやはりこういった連携が大事になってくるんだろうな容易に想像できた。

(さてさて、マッチポイントですか。楽に取れたらいいんですけど。そうはセイラ君の作戦がさせませんよね…)

 唯は作戦を立てているセイラとアーサーの背を、見ながらわくわくしていた。


「きゃー!」

「でたぞ!クラーケンだ!」

 唯たちがいる場所よりもさらに海側にいた観光客や、そもそも海に入っていたサーファなどが次々に襲われていた。

「はーっはっはっは!そういえば今の時期クラーケンが出るんだった!()()()()()()!」

「「「絶対ウソだ!」」」

 さてさて、そんこんなでクラーケン退治が始まる。

 この度はぶれいぶすとーりー!2 ~佐藤唯は勇者です~4:ギルド下編 2を読んでいただきありがとうございます。

 あとがきですよ。あとがき!どうもこんにちはなつみんです!

 ビーチバレーをめちゃくちゃ深く書き込んでもよかったんですけど、かなりくどくなりそうだったので要所だけ。全編こんな風に書きたいところとそうでもないところの陰影?みたいなのをくっきりさせて書けるようになりたいです。

 んで、いつものように次回予告。

 VSクラーケン戦。ロビンの師匠ライトニングやアーサーの実力が明らかに。

 その戦闘を見ながら唯はある気づきに至る。

 そしてロビンも……。

 まぁ、そんな感じの次回。こんな感じのシリーズですが応援していただけると幸いです。

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