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ぶれいぶすとーりー!2 ~佐藤唯は勇者です~  作者: なつみん
2:ギルド編
14/40

4:ギルド下編 1

 この度はぶれいぶすとーりー!2 佐藤唯は勇者です~4ギルド下編 1を読んでいただきありがとうございます。

 唯をもっとかわいく書きたいそのためのギルド上編になります。

 ついでに言うと、最後の日常パート(予定)。

 とまぁ、そんな感じのシリーズですが応援していただけると幸いです。

 第4章 ギルド下編 1


「おい、あれ見ろよ……。アーサー・ヴィクトリア三世殿下じゃないか?」

「あぁ、たぶん間違いないと思うぜ……。」

「かっこいいけど……、ちょっと……。」

「いやー……やっぱ雰囲気はあるんだよな。雰囲気は……。」


 現ギルド総括アーサー・ヴィクトリア三世。

「ふふふ。はーっはっはっはーー!!」

 今その男がギルド受付前にて馬鹿みたいに高笑いをしていた。

 白銀の甲冑には金のライン入り。それは彼がプラチナ級の冒険者である象徴だった。

 肩の装甲の隙間から赤のマントをたなびかせ、そのマントも豪奢な刺繍がみっちりと施されている。背中に斜めにかけられた大剣は、極厚の斬馬刀のような西洋剣で彼の力強さの象徴のようだった。

 彼自身高名な冒険者なのだが、未来を見るという力があるために強いと思われがちだ。


 しかし実際には、そんな能力は彼の強さのほんの一部にしか過ぎない。

 なにせ彼の存在がプラチナ級のため、ダイア級の冒険者を排出できないのではとまことしやかにささやかれるほど、彼は圧倒的に強い。

 一説によれば彼は来るべき魔王襲来のために、勇者が現れるのを待っているとかいないとか。


「ふふふ。はーっはっはっはーー!!」


 そんな現ギルド総括は変人で有名だ。

 朝ギルドが稼働し始めた時にはこのように受付前で仁王立ちし、馬鹿みたいな高笑いを繰り返していた。

 他にも全裸で街中を高笑いしながら疾走したり、城壁から飛び降りてそのまま高笑いしながら走り去っていたりと、とにかく奇行が酔狂な噂があとを絶たない王である。

 気が狂っているもしくは、異常かのどちらかでないと何時間も一歩も動かず、ずっと高笑いしながら待ち続けるなんてできないだろう。


「ふふふ。はーっはっはっはーー!!」


 だがしかし、彼の気は狂ってなぞいないし、異常をきたしているわけではない。彼は最初っからこうなだけなのだから。

 これが彼の普通なのだから。


「アーサーさん。もうじき昼時だってぇーのに待ち人は来ずですよぉ~。どうするんです?」

 その証拠に、アーサーの右腕。

 プラチナ級冒険者ライトニング・メイザーはそんな変な彼に普通の疑問を尋ねれる。彼がいつも通りだから。

 このライトニング・メイザーという男は、冒険者というには軽装で数日風呂に入っていないようなぼさぼさの髪で、決して誰もお世辞にも小ぎれいとは言わない男も、まったく全然そうは見えないのに確かな実力者なのだ。

 でなければ《変王》アーサー・ヴィクトリアス三世、これまたプラチナ級冒険者《鋼鉄》サラ・クリストファーとは一緒にいられない。


「はーっはっはっはーー!!ライトニング、くん!!そう、焦る出ない!はーっはっはっはーー!!」

「まぁ~、おれぁ、どうでもいいんですけどねぇ。ブリティンに帰ってまたサラねーさんに怒られてもおれぁ知りませんよ」

「……はーっはっはっはーー……。君も私と一緒に来たってことで同罪で、一緒に怒られてはくれまいか?ライトニングくん」

「嫌です」

「はーっはっははー。うんまぁ、だよね。だがまぁ!どうとでもなるさ!うん!はーっはっはっはーー!!」

 先ほどからアーサーが待つその客人は今____


「ぐがー」

 かなり大きめの寝息を立てて絶賛寝扱けていた。ベットから半分以上落ちた彼女は、きっとベットから落ちた時かなり不機嫌に、まるでシスターとは思えないほど、この世界すべてを憎悪するように起きるだろう。

 しかし仲間の3人は決して起こさない。

 わざわざトラの尾を踏みに行く馬鹿がいますか?外がうるさいからって、ギャング一組を潰すような人間をわざわざ怒らす人間がいますか?いませんよね?


 ごてぇ!


 ベットからアリアが落ちる音が響く。恐ろしい虎が起きてしまった。

 ベットから落ち、その衝撃で起きた彼女は明らかに不機嫌だった。

「ちっ。朝か。朝なんて来なければいいのに。朝って概念が嫌いだ。」

「アリアさんもう昼ですよ?今日はギルドに行くって言ったじゃないですか?」

「んあー……。あと30分。どころか行きたくねー……」


 艶やかで長い黒髪を鬱陶しそうに払いながら、アーサーの待つ客プラチナ級冒険者アリア・リーベルトはむくりと起き上がり、もう一度ベットに這い戻ろうとします。

「はぁ、もう。セイラ君も手伝ってください。あとロビンもそのおれぁ関係ぇないですよぉ?と言わんばかりに影を薄くしようとするのやめてください。元から影が薄いんですから」

 この似てない声真似をし、アリアが起きないのを尻尾は踏みたくないけど起こすしかないので健気に起こそうとする少女、冒険者佐藤(さとう)(ゆい)。特徴的なふわふわの白髪頭とくりっと大きな赤い瞳。

 魔王を凍らしこの世界に20年の猶予をもたらした、《英雄》佐藤孝弘(たかひろ)因幡(いなば)鵜鷺(うさぎ)の子どもだ。


「……。うーん、そうですね。アリアさん起きてください。いい加減少し資金調達したいって言ったのも、四ヶ国大市で無駄遣いをしたのもアリアさんじゃないですか」

「元から薄いのはほっとけ」

 亜麻色の唯とは違いさらさらストレートの髪の少年セイラ・リーベルト。アリアとは血のつながりこそないが親子の関係で、約10日前に氷精(フェンリル)の若干15歳で正式な契約者となった少年は、自分の母の痛いところも存分に突く。

 そして、その横でわら関せずと顔立ちは薄めの金髪でそこそこ身長のある男はロビン。クルス村というアンティーノ共和国のある大陸の最北東の国ルーノ王国の、それまた最北の村の出身。

 そんな辺境の出にも関わらず、ルーノ王国の隣国フェンリルグランとの戦争を終わらせた立役者として《千里眼》と称えられるほどの男だった。


「アリアよ。我が主もいい加減困っておるそろそろ起きてはくれまいか?」

 約10日前にセイラが契約を結んだ、体長が3~4メートルはあろうかという大型の獣。フェンリルグランが国の聖霊として崇拝していた賢狼の象徴、氷精の最高位の一角フェンリルが、主がお困りだと助け船を出した。

 そんな冒険者佐藤唯とその3人の仲間と一匹の精霊は本日どうしてもギルドに行かねばならなかった。


 遡る程でもない昨日の晩。

「金がねぇ!明日っから働くぞ!」

 アリアは昨晩、ブラックアリゲーターの討伐で多少増えた先立つものが、実際にかなり手元から飛んでいったことにようやく自覚的になった。

 四ヶ国大市付近は、観光都市のように少し物価が高めであることと、もっと直接的な原因としてアリアが、あれもこれもと珍しいものを買ってしまったからである。


 そんなある意味元凶のアリアが働く気になったのだから、一同としてもそれならば善は急げと昨日の明日、つまりは今日にでもギルドに向かい小金を稼いでこようとなった。

 しかしだ、以前冒険に出るとなった時のアリアは冒険者としてのアリア流の覚悟というか心構えとして、早起きしコンディションを整えていた。

 それがどうだろう、昨日あれだけやる気を出したアリアがこうもぐーたらを極めるのは少しおかしくも感じた。


「ぶっちゃけると、なんだか今はギルドに行かないほうがいい気がするんだよなぁ……」

「そんな怠けた子供みたいな言い訳はやめて今日こそギルドに行きましょう!」

「……そんなんじゃねぇんだけどな……。はぁ~…行くかぁ」

 だいぶ重たい気乗りのしない声でのそのそと着替え始めた。

「もう少しは周りを気にしてください!」

 唯は着替える意思を見せパジャマを脱ごうとし始めたアリアを、男衆の目もあるのだからと間仕切りの奥へ押しやった。


「はーっはっはっはーー!!もうじき来るぞ、ライトニングくん!はーっはっはっはーー!!」

「さいですかぁ」

 一切何も聞かされず今朝、それもかなりの早朝。

 ライトニング・メイザーはこの男に、アンティーノのギルドに連れて行ってくれまいか!とたたき起こされ、それから早10時間以上待ちぼうけを食らっていた。

 しかし、駆け出しのころからすでに30年以上、一緒に生きてきた仲間だ。こんなこと今までに10や20じゃくだらないだけあった。まぁ、いつもの事かと怒ることもなく静かにぼぉーとしていた。


「あぁ~。めんどうだな…」

「アリアさん。アリアさんが産材したんですから少しは稼ぎましょう」

 面倒そうに歩く艶やかな黒髪の女とその従者のように付き従う亜麻色の髪の少年がギルドに入ってきた。その後ろから目立つふわふわの白い髪、赤い瞳の少女が深緑のローブで目線を隠した男と話しながら入ってくる。

 距離感からこの4人がパーティーを組んでいることは冒険者でなくてもわかりそうな程だった。

「きっと、ロビンが気にするほどロビンは見られていないですよ?」

「いや、それ固有名詞あてるとひどい罵倒だな」

「すみません。言葉の綾ってことにしておいてください」

「なんだかなぁ……」


 そんな他愛ない感じで入ってきた四人こそ今回、わざわざアンティーノへアーサー・ヴィクトリアスが足を運んだ理由だった。

「はーっはっはっはーー!!待っていたぞ!アリア!はーっはっはっはーー!!」

「ゲッ!今日はダメだ帰るぞ!」

「はーっはっはっはーー!!とうっ!」

 男は重そうな装甲からは考えられないほど軽々飛んだ。

 ギルドの受付から入口までまっすぐ20メートルはありそうな距離を。

 そして踵を返したアリアが逃げられないように、入り口をふさぐように着地する。

 さながら自身をスーパーマンと信じてやまない子どものように、馬鹿みたいに高笑いし続けていた。

「はーっはっはっはーー!!待っていたぞ、アリア!」

「アーサー……!お前どうしてここに……!」

「はーっはっはっはーー!!君たちに会いに来たのと親睦を深めようと思った、そしてそろそろ金欠のはずだからね!金入りのいいクエストを持ってきたのだよ!」

「……この人がアーサー・ヴィクトリアス……」

 唯からしたら、不幸の手紙の送り主わざわざ自分からやってきたようなものだった。そんな状況なのだからそれは誰だって、いい気分で歓迎とはならないだろう。

「はーっはっはっはーー!!その特徴的な白髪頭君が唯君だね!」

「……そ、そうです。わ、わたしが佐藤唯です。」

 非歓迎ムードの唯は普通に人見知りを発揮し先程までの強気はしおしおに枯れていた。

 基本的に初対面の人間に対して唯は上がってしまう。あの手紙はなんだと、言いたいことも言えずじまい。

 さらにアーサーの高笑いに完全に臆していた。


「げっ……。ライトニングさん」

「おや?やぁーやぁー、そこにいるのはロビン君じゃあないかい?」

「えぇまぁ、お久しぶりですねぇ。ライトニングさん……」

「やっぱりそーかい!アーサーさんも人が悪いなぁ。僕の愛弟子がいるならそー言ってくれればよかったのになぁ。会いたかったよ」

「俺はぁ、なるべく会いたくはなかったっすね。」


 基本的に対人関係をのらりくらりとかわせるロビンだが、苦手な人間もいる。

 アーサーの付き人ライトニング・メイザー。この男はロビンにとっては師弟関係にあり、その当時から苦手意識が大いにあった。


 そしてロビンの飄々としたしゃべり方も、ライトニングがずーっと一人でしゃべるものだから自身のしゃべり方にも影響を受けていしまっていた。


「いやぁ、それにしても、久しぶりだねぇ?戦争の時からだから丸5年?6年ぶりぐらいかなぁ?あっ、茶でも飲むかい?」「いや、その……」

「いやはやぁー、こんなところで会えるとはねぇ。不思議な縁もあるもんだぁ。君は壮健だったかい?」「いや、だから話を……」

「ぼかぁね、あんまり調子が良いって感じではなかったんだよ。寄る歳波ってやつかーねぇ?」


 そうして、ロビンはライトニングに連れていかれた。

 ライトニングは人の話を聞かないタイプの人間なのだ。今日たまたまライトニングの疑問とアーサーの回答が噛み合っただけで、普段はこの二人は30年以上連れ添った仲だというのに、全くもって会話は成立していない。


「はーっはっはっは!それじゃ、ビジネスの話をしようか」 


 アーサーは唯たち(ロビンを除く)に、金入りのいいクエストの話を持ってきた。

 アーサー曰く、約20年前に唯の父、孝弘とその一行がグンタマにあった魔王幹部の城にて魔王幹部を討伐したのはいいのだが、その廃城に凶暴なドラゴンが巣を作ってしまったらしい。それの討伐という依頼だった。


 やはりというか、こういったファンタジーの世界観らしく、ドラゴンは普通に強いらしい。

 そしてそんな強い相手だからこそ、倒した時の報酬はブラックアリゲーターの比では無いそうだ。

 この世界だとひと月5万ベルもあれば生活できるし、年間で見たら50万ベル消費する家計の方が少ない現状であった。

 だいたいご家庭の年間消費額を1~2週間ちょっとで、40万近く使ってしまったのだらアリアの金遣いはかなり荒めだった。


 閑話休題。

 話を戻すと、今は巣を離れてしまっているが、もうじき巣に戻ってきてしまうらしい。その帰巣時を狙うといった作戦らしい。

「はーっはっはっは!!それでだ!今から少しバカンスなんてどうだい?」

 バカンス。あまりこっちの世界に来てから娯楽と言えば、食べること寝ることみたいな唯にとってかなり心躍る話題であった。


「はーっはっはっは!!どうだい?いわゆるリゾート地だ。海に、なかなかいい宿もある。気になるだろう?」

「ぬぅー。た、確かに気になります……」

「はーっはっはっは!!そうだろう。そうだろう?今ならなんと残念だが片道のみになるがいけるぞ?」

「騙されるな!ユイ。絶対ろくなことないぞ!」

「はーっはっはっは!!アリア、だからこそのクエストだ!クエストに行くと言ってくれるだけでいい。私はクエストの対価にささやかなバカンスと報酬の金を引き合いにしているのだよ。そこまで悪い条件じゃないだろう?」


「それにだ。手紙に書いた通り今の唯君では確実に死ぬ。そのレベルアップのためにこれは必要なことなのだよ。」

 急に先ほどまでの高笑いをやめ、真剣な様子で唯に話を振る。

 たったそれだけのことだがこの男が言うと妙に肉迫した緊張感を孕んでいた。

 それもそうだろう、この男は勇者には決して成れないのに世界は滅びると知っているのだ。


 もともとは王族というだけのなんのとりえもないつまらない男だった。

 5歳になったころ急に未来を見た。

 最初は悪い冗談だと、これは夢だと思い込みたかった。しかし、冗談でも夢でもないことを彼自身は感覚的に知っていた。

 その日彼は世界で起こることのほとんどすべてを知った。


 そしてその日から彼はそんな現実を否定したく、自身が勇者に成れないことを知りつつ、世界を守りたいそれだけでただの正義心だけで鍛え続け、世界最強の座まで上り詰めたのだ。


 そんな男が放つ言葉は、一個の一番可能性の高い未来そのものだ。

 だから死ぬと言えば十中八九死ぬ。

 一種のプレッシャーを持った言葉に、唯はアーサーという男の並々ならぬ半生を感じ、怯んだ。

 直接関係のない周りの人間にもこのプレッシャーに皆一様に息を飲んだ。


「行ってはくれまいか?」

「は、はい……」

「はーっはっはっは!!すまない!かなり言わせた感もあるが、これが一番近道でこれしかなかったのだよ!はーっはっはっは!!」


「では、さっそく」

 アーサーはすたすたと先ほどロビンを連れて席に戻ったライトニングのところへ向かった。

「いやぁ、ぼかぁロビン君が千里眼なんて呼ばれる日が来るなんて予想していなかったよ!ぼくがぁ教えてきた生徒中じゃ一番出来が悪い子だったからね!それが今じゃ…。ぼくの見る目がなかっただけだったね!それで、ロビン君壮健かい?」

「いやぁ、ライトニングさん何度目ですか?俺はぁ元気ですって何度も…」

「それでぼくはねぇ……」

「はーっはっはっは!!ライトニング君!ではルルアーノの私のビーチへ向かってくれないか?」

「最近あまり元気ではなかったんだよ!」

「ライトニング君!」

 ライトニングのほほをつかみ無理やりアーサーは顔向かせビーチへ向かってくれと無理やりやらせた。


「痛。アーサーさん、いたい!んじゃ、行きますか」

 ライトニングは二度ほど手を叩き、二度ほどお辞儀をし最後に、一度手を鳴らした。これがライトニング流の魔術、誰もまねできないオリジナルだった。


 すると、ライトニングが急に光一瞬にしてあたりを包んだ。

 唯は目を腕で覆い光に備え、周りの皆もだいたい似たようなものだろう。

「ほい、着いた」


 光に備えた腕を下ろすとそこは、キラキラと水面に反射する太陽、白く輝く砂浜、そして色鮮やかな水着を着た観光客。

 その観光客目当ての海の家に背こそあまり高くないが、その分数多く立ち並ぶ宿泊施設。それに沿うように娯楽や食事用の施設。

 まさに、リゾート地と呼ぶにふさわしい。これには唯を含め一同ため息を飲むほかなかった。


「「「「おー!!」」」」

「はーっはっはっは!!どうだ!すごいだろう?わたしは冒険者として稼いだ金でこういった施設を作っているのだよ!はーっはっはっは!!」


 アーサーは政治などにはあまり聡くはないが、こういった街づくりなどの土木関連に非常に強く都市経営なども得意であった。

 もちろん最初から成功ばかりではなかったがトライ&エラーを繰り返し、貴重な文献を王族という立場を大いに利用し、そして軌道に乗せれるようになった。

 この施設群はすでにアーサーの手を離れ、代理の経営者に運営は任せていた。

「はーっはっはっは!!では。さっそく海へ参ろうか!」


 唯は水着に困っていた。

 唯は母譲りのないすばでぃーなのだが、かなり大きい胸が収まる水着でなおかつ肌をあまり露出しないワンピースタイプがないのだ。

「申し訳ありません。お客様のサイズだとワンピースタイプはちょっと……」

「うぅー……」

 唯は仕方なく髪の色見とは若干違う白のビキニタイプを選んだ。

 というのが先ほどまでの葛藤で、いざ更衣室で着替えると今度は紐を首の後ろと背中の二点で結ぶタイプで、サイズの調整がなるべく効くようにしているのだが__

「……。首が重い」

「首が重い……だと!?」

 アリアは驚愕した。首が重い。

 胸を支えるのに肩がこるとは聞いたことがあった。しかし、水着の紐で支えるしかないから紐が食い込んで痛いという意味の唯の言葉に、スレンダーなアリアは今まで生きてきた中で一番驚いた。


「ユイ……少しいいか?」

「は、はい。なんでしょう?」

「それじゃ、失礼して……」


 アリアは緊張した面持ちで唯の正面に立ち、一旦停止すると生唾を飲みこんだ。

 アリアはこの瞬間に見たのだ。恥じらうように見上げる唯の視線、その下の鎖骨のラインからの実に女性らしいに曲線美は長いもみあげを脇に押しやっていた。

 そして見事なI字の谷間を産んでいた。そこからの下腹部へと続くラインは上の大きさからは想像できないほどくびれており、そのくびれを生む要因の尻も女性らしく柔らかくそして大きく張っていた。

 上下から挟まれることで相乗効果的にくびれが際立つのだとアリアは理解した。その腰から続く足には程よい肉付きはあるが締まっている。

 そして、決意を固めアリアは、下から揉んだ。


「きゃぁ!」

 唯の柔肉を下から持ち上げるように揉んだ。まず最初の感想はずっしりとした超重量。

 そしてその存在感からは想像ができない圧倒的やわらかさ。そしてもう少しこの感触をっ!と手をあげると、今度はこぼれる!と錯覚しこぼれないようにと手を動かしたくなるほどであった。その少しの機微に反応する感度の良さ。


「おおぉお、ほぉおお!??!?!!?」

 ただただその圧倒的な存在感に詰め込まれた情報量の多さにアリアは言語能力を失った。

「やめてください!」

 唯はばっと体をひねり胸を手で覆うが隠しきれていない。アリアは唯が体をひねる瞬間もしっかり見ていたが、体に胸が遅れて着いていくのだ。


「おぉおぉぉおおお!!!!」



 早々に着替え終え、外で唯たちを待っていたセイラたち4人は、アリアの雄たけびを聞いた。

 それは、聡明さの欠片などなく複雑な感情を吐露しただけの雄たけびであった。

「何かあったんでしょうか!」

「はーっはっはっは!!やめておけ、セイラ君。君も犯罪者にはなりたくないだろう?それにどうせ嫌でもわかることだ!一人の生物兵器が誕生したのだよ」

 がっとセイラの肩をつかんだアーサーがよくわからない言葉を添え止めた。

「そうですね?待ちますか……」


「わたしはアリアさんがレンダーで羨ましいです」

 アリアは黒のビキニタイプに下は鮮やかな水色のパレオと言ったいで立ちであった。

 平時の服装だと縦に長いといった印象のアリアもスレンダーだが実に女性らしい柔らかさを確かに感じる。

 手足は長く、腰の位置が非常に高い。無駄なものを一切是正するように、引き締まった腰回りとくびれ。唯のように大きくはないが存在感のある胸に、顎から首のラインの美しいと経揚言するほかないラインに唯は息を飲む。

 非常に締まった印象の、これまた一種の肉体美と表現するほかないものだった。

「勝負にもなんねよ!嫌味か!」

「えぇ!なんで怒られたの!?」


 ベクトル違いで比べることの難しいふたりだが、アリア的には唯には敵わないと、本能からそう感じた。

 この度はぶれいぶすとーりー!2 ~佐藤唯は勇者です~4:ギルド下編 1を読んでいただきありがとうございます。

 あとがきですよ。あとがき!どうもこんにちはなつみんです!

 水着姿の女性の描写って難しくないですか?くどくど書けばそれらしく説明できるかもですけど、テンポが悪くて読む気失せますし、書かなさすぎもそれはそれで華がない。

 とにかく唯は可愛んだよ!オラ!(腹パン)で伝われば楽なんですけどそうもいきません。

 それと似たような話で、自分の頭の中では描写があるからわかるけど、たぶん急に読んでもわからない描写とかも多々あると思うんですよね?この辺りも、要研究って感じですかね。

 表現って難しい……。

 そんなこんなでいつもみたいに次回予告をば。

 前回まではゴブリン使いの伏線を回収しようかなって考えてたんですけど、ギルド上編のストラードファミリーを加筆修正で伏線回収しようと思います。

 代わりに海っぽい感じの遊びと魔物を。

 まぁ、こんな感じでシリーズ進めますが応援していただければ幸いです。


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