表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
3/7

生後1日目 3

変なものを見せられたとウンザリしている俺の耳に、まるで天使のように清らかな女性の声が響いてきた。


天使などいるはずもない。そう思っても、その透き通る声に思わず耳を傾けてしまう。


「ソプーロスさま〜、ソプーロスさま〜。どこにいらっしゃいますか〜?」


「おっと、あまり時間はないようだ」


自らの役職名を高らかに連呼されているソプーロスアニキ。額を右手の指で抱えるようにしてまいったなと呟いていた。


「アニキの連れかい?」


「ああ、俺の従者だな」


「あら、羨ましい。今の美声を聞く限り、さぞかし美人な方なんでしょうねえ」


「そうなんだよ。これがとんでもないべっぴんでさ。聖学院時代からの同級なんだが、ファンクラブなんてものがあったくらいの奴だ。女子聖歌隊のリーダーも務めていて、奴が出演する舞台の正札を巡って毎回血が流れるくらいだよ」


「それは凄いな。美人、美声と来れば⋯⋯」


「そういえば、年イチにある巡回旅行で海辺の町に行った時は、奴の水着姿に見た男子生徒による、原因不明の集団意識混濁事件が起きたっけ。それ以降、聖学院の催事では、海に行けなくなりました」


「なるほど。男子には刺激が強すぎる悩殺ボディ持ちってわけか。そんな素晴らしい女性を従えて、ソプニキは恵まれていますわねえ」


「恵まれているもんかよ。奴が横にいるせいで、身に覚えのない襲撃や暗殺がこれまで何百回とあったことか。おかげでまともな聖職に着けなくなり、大陸戦争の土壇場で、お前を抱えて魔王城の裏から飛び降りる羽目になっちまったよ」


おかげで驚異的な戦闘力や魔法力、危機察知能力なんかが身に付いて、その若さで司教様なんて呼ばれるようになったのだろう。


そんなことに気付いてしまったが、そういえば今の俺は生まれたばかりの姿だったことを思い出し、口にするのは止めた。


「ソプーロスさま〜!いらっしゃいますよね〜?この辺りで魔紋を感じますよ、魔紋を〜」


「魔王と勇者の息子よ、どうやらこの辺りでお別れのようだな」


ソプニキはよっこらせと言いながら立ち上がり、ローブに付いていたホコリや砂を払った。


「ちょっと!連れて行ってくれるんじゃない!?」


「バカ言え!それは無理だ!いいか、この大陸にはずっと、戦火の種火が燻っていたんだ。勇者と魔王なんて存在があったから、なんとな〜く大規模な戦争にならなかったわけ。今はその2人が行方知れずだ。そんな中、両方の血を持ったお前がどこかに現れてみろ!大陸のパワーバランスが一気に崩れちまうだろうが。それは両者の中立を貫く、大陸教会に居ても同じなんだよ」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ