第二十六話:鍋の香りと、宇宙の調和
ツィーラたちが南帝国を目指して旅に出てから10日が過ぎようとしていた。
ただ、カルラディア大陸は広い。
徒歩で向かっているツィーラ一団は、10日経っても目標としている南帝国領に到達する事も出来ずにバッタニア南東部を移動中だった。
この世界での主要交通手段となる馬やロバなどの騎乗動物は高い。
彼等も騎乗動物の重要性を知っている。けれど、部隊全員が騎乗できるほど潤沢な資金は無い。
道中、いくつかの山賊や野党を討伐して旅費は稼げているものの、食料や交易品を載せる数頭のロバを購入するのが精一杯の経済状態だった。
だが、徒歩の良さとは他の移動手段に比べて圧倒的に自由であることだ。
町々を行き交う旅馬車に比べ、進むも戻るも立ち止まるも全てが自由で時間に縛られることもない。
徒歩での移動は圧倒的に速度が遅いが、その分目に入る情報も多い。
ちょっと立ち止まることも、後ろを振り返るのも、空を見上げるのだって、何を気にすることもなくいつでもできる。
足元に咲く小さな花や、木の枝を走る可愛らしい小動物の姿、あるいは空に浮かぶ雲が一団の心を和ませながら、ゆるやかに時間が流れて行く。時間制限などという、あくせくした概念も無い。
一日の体力に合わせて自由に進み、自由に休むことができるのが最大の利点でもあった。
道中、村や町に立ち寄り、小さな出会いと別れを積み重ねながら旅の醍醐味を味わい、寝泊りに宿を取る事もあったが主要はやはり野営だった。
自然の息吹を身を包みながら、大まかな方向だけ決めて自由に移動し、食べて寝る。
――そんな日常的なある日。
一部で熱狂的な人気を生んだ軽やかでリズミカルな歌姫の声が、広大な森に囲まれた郊外の野営地に美しく響いていた。
その歌声は、天使の息吹か、それとも地獄へ誘う魅惑の誘惑か。
らららるら、ら~ららら♪
生き延びられたら伝説になれる♪
地獄の宴か、天国の夢か、答えは皿の上にだけある♪
一握りの夢、いくらかの希望。
おまたせ♪ 私のミラクル料理、さぁ召し上がれ♪
ツィーラは爽やかな朝日に包まれて、例の怪しいミラクル料理の歌を口ずさみながら、無造作に切り刻まれた野菜やら乾燥肉を鍋に放りこんでいた。鍋からは芳醇な?なんとも言えぬ香りを漂わせている。
機嫌の良い歌声も、鍋に盛り込んで朝食の用意をしている。
部隊人数分の若干深めな皿には、何をどうすればこのような配色になるのか不思議な色をしたスープが並々と注がれている。
その怪しい匂いに誘われるように、テントの中からぞろぞろと皆が這い出してきた。
「あ……あぁ、今日はツィーラの当番か、ご苦労さん」
寝癖をかきむしる様に起き出してきたアルドが、ツィーラに声を掛ける。
「おはようございます。兄さん」
ツィーラが鍋の具材をスプーンで掬い、口にする寸前で動きを止めた。
皿によそった後だが、味見をしようとしていたようだ。
(いや、完成する前に味見しろよ!)
長瀬は、心の中で激しくツッコんだが、大人の礼儀で言葉には出さなかった。
だが、ツィーラは味見の途中で動きを止めた。
必死でスープを口に運ぼうしているが、頑なにそこから先に進めない。
尖らせた唇と、右腕がプルプルと震えながらせめぎ合っている。
一体、何をしているんだ?何か異変でもあったのか?
不思議に思いながら、アルドは慌てて訊ねた。
「ど……どうした?ツィーラ?」
声をかけるアルドに、内部からプリムスが待ったをかける。
--まって、何か変じゃない?
そして、不審に思いながらも、プリムスはある事に気が付いた。気が付いてしまった。
--もしかして?……もしかして、セクンダが料理を拒絶しているんじゃないか?
ツィーラの身体には、三人の人格が入っている。
一人は人間のセクンダ。現在、主格となっているツィーラ。そして魔力機関として同期している長瀬だ。ただ、長瀬は精神体として別行動をしている場合も多く、普段はツィーラの背後に寄り添うような影として行動している。
セクンダは、同化前の戦闘で傷ついた怪我で倒れたまま目覚めていない。
ツィーラが同化した事で、致命傷は癒えたが、損傷が魂まで傷つけていたのか、深い眠りに落ちていた。
だが、ツィーラ自身がまだ生きている事を証言するように、深層意識の声を何度も聞いている。
眠りについてはいるが、セクンダの魂は生きているのだ。
プリムスは、何気なく味見をしようとしていたツィーラの内部に、儚い抵抗を見せるセクンダの姿を見た。
(ダメだって、“そんなの”口にしたらダメ―!!)
そんな無言の抵抗を……魂の抵抗をプリムスは感じ取っていた。
「それほど……なのか?今日は……」
その緊張にアルドの喉がごくりと鳴った。
ツィーラの持つスプーンには、何やら得体のしれない虹色の油が浮かぶ紫色の液体が……。
これが、ごく普通の食材によって作られた料理によって出た色と匂いなのかと、疑問は止まらない。
だが、次の瞬間。アルドがツィーラの持つスプーンをパクりと咥え、瞬時に真っ赤に染まった顔を震わせながら怒鳴った。
「い……妹の料理に臆してられるか、俺は食べるぞ、食えない奴の分は全部寄こせ。残すなんて許されない」
赤から青へ、そして黄緑色に。
まるで信号機のように顔色を変えながら、猛然とアルドは注がれた皿のスープと、鍋に残っている雫まで綺麗に平らげていった。
食後、部隊は移動する事も無く、それぞれのテントに戻った。
部隊員は、持ち寄った携帯食で食事を済ませたのは言うまでもない。
歯を折る事を目的とした堅パンと干し肉だけの食事でも、“そんなの”よりは遥かにマシだった。
こんな処で命を無駄に……危険を冒す必要は無い。
そして一つのテントの中で、アルドは時折ピクピクと四肢を痙攣させながら意識を朦朧とさせて横たわった。
--凄まじい愛だな……これが、人間の情と言うやつか。
長瀬は、アルドの悶え苦しむ姿を見ながら、感嘆の声を漏らした。
元が探査機だったツィーラやプリムスは、そもそも料理に味の概念がある事を認識もしていないだろう。
そこには、ただ栄養があるか無いか。いや、それ以前に、有機物であればなんでも良いと思っているかもしれない。
要は、エネルギーがあり、身体が動ければそれで良いのだ。
アルドの内部に潜むプリムスも、心配そうに様子を伺ってはいるが、“人間って脆弱だなぁ、たかが食べ物如きで”と言う意思を感じる。料理は、彼等に任せてはいけない領域だと言う事が、今更だがわかった。
正直、今は旅の最中。限られた食材で旨い料理を作るのは困難ではある。
しかし、旅路での温食は大事だ。身体を温めるスープ一つが、後々の行軍に影響を及ぼす。
ただ、それが眠っているセクンダをも抵抗させる禍々しいスープを誕生させる事に繋がったのは想定外だった。鍋一つを一撃必殺にまで昇華させたツィーラの技量には、心底恐怖を禁じ得ない。
一体、何を混ぜたのだろうか。今度、目を離さす様子を見てみよう。
強く生き延びろよ、アルド。
長瀬は密かに、アルドに声援を贈るのだった。
それはそうと、元々探査機だった彼等が、互いに想い合う心を恋愛に発展させないのは何故なのだろうか。
これは、彼等の心理状態が、元々他人であった者同士を繋ぐ絆として認知する事が出来ないのではないだろうか。血縁という縁で結ばれた絆は、物理的に元々が同じ構成で培われた存在である事を証明しているのと同義だ。おそらく彼等の基本的な精神構造は、二進数で演算処理する事に特化している。すなわち、0か1か、イエスかノーか、はっきりとした明確な答えを本能的に望んでいるのではないだろうか。だから、明確な感情を導き出せない恋愛観よりも、明確な繋がりを証明できる兄弟としての絆に執着しているのではないかと、そう思うのだ。
苦しむアルドを横目に見ながら、長瀬は下世話な考察を重ねた。
「だから彼女は、料理という『割り切れない(ファジーな)人間の営み』を繰り返すことで、その0か1かではない曖昧さを学習しようと……人間に近づこうとしているのだろうか……」
あれからツィーラは、料理についての研究を重ねている。
完璧なままだったら、ずっと同じまま。進化する事は無い。
変化が無いと進化も適応も起きない。
つまりミスが……バグが多様性を生み出す。
そして、40億年の年月をかけて変化し続け、試行錯誤し続けた結果が……人間だ。
だが努力を認める事と、それを受け入れる事は別の話だ。
反省を生かし、ツィーラが“命を刈り取る系”の死神料理人に超越進化しなければ良いのだが。
爽やかな朝日は、次の日も、その次の日も変わらずに訪れた。
南東から吹く風が、頬を優しく撫でる。
(この先に待ち受ける数々の困難が、人為的な災害になりませんように。)
長瀬は斜め上を……遠くの空を見上げながら、静かに祈るのだった。
***
あのアルド信号機事件から数日が立ったカルラディア南東部の草原。
焚き火の上では再び、ツィーラの“暴力的な料理”がぐつぐつと煮えていた。
その匂いは――芳醇というより、暴力。
香りというより、攻撃。
「……今日はツィーラの当番か……覚悟がいるな……」
アルドは寝癖をかきむしりながら、テントから這い出した。
ツィーラは鍋の前でご機嫌に歌っていた。
> さしすそせ~♪
> 甘いも辛いも運次第~♪
(運じゃねーよ、手加減しろよ)
長瀬は、心の中で激しくツッコんだが、大人の礼儀で言葉に出さなかった。
……なんだ、いつもどうりか。今日も平和だな。
そして、そっと遠くの空を見上げた。
鍋の中では、野菜と乾燥肉と、何処から取り出したかわからない謎の粉末が、
**色彩的にも倫理的にもアウトな色**で煮えたぎっていた。
ノヴァは鼻を押さえ、ホラは涙目になり、エルドレットは無言で祈っていた。
アルドは眉間を押さえ、表情を笑顔に創り替えてツィーラに話しかけた。
「……ツ、ツィーラ、今日のは……特に強烈だな……」
「えへへ……頑張りました!」
頑張った方向が違う。
その時だった。
ふわり、と。
鍋の上に“影”が落ちた。
(……あんた達、朝から宇宙災害を起こしてるんじゃないよ)
枯れた声。
どこか小言めいた、しかし妙に温かい声。
ツィーラ達が振り返ると――
そこには、ふわりと浮かぶ“女性の影”がいた。
先日出会ってから、なし崩し的にツィーラ達の後について来たパイオニア11号だ。
ツィーラが顔を上げる。
「パイオニアさん!」
(おはようさん。さすがにもう見てらんないね、まずは鍋を救出しようか)
パイオニア11号は、鍋を覗き込んで眉をひそめた。
(これは……“ブラックホール・シチュー”だね。
光も味も逃げ出してるよ)
ニューホライズンズが横から口を挟む。
(姉貴、それ言いたかっただけだろ)
(うるさいよ。黙ってな)
(料理ってのはね、宇宙と同じなんだよ)
影は鍋を覗き込み、ため息をついて、懐から香草と塩を取り出した。
(まずは香りを整える。宇宙も料理も、まずは匂いからだ)
ひとつまみ。
ふわり。
暴力的だった匂いが、嘘のように和らいだ。
(次に塩。これは“星の重力”みたいなもんだ。
塩を入れすぎれば銀河は崩壊するし、
香草を忘れれば星は冷える。
ちょうどいい塩梅が、宇宙の秩序を作るのさ)
ツィーラは目を輝かせた。
「すごい……!」
(すごいだろう? 私はね、宇宙食の研究にも関わってたんだよ)
ニューホライズンズがぼそっと言う。
(姉貴、昔は料理研究家だったのか?)
(違うね。哲学者さね。料理哲学者)
(そんな職業あるのかよ……)
(あるんだよ。私の中にはね)
パイオニア11号が鍋を仕上げると、
草原に“まともな匂い”が広がった。
アルドが呟いた。
「……誰だ、このおばさん……?」
影はぴしゃりと言い返した。
「おばさんじゃない。**パイオニア11号**さね」
少年の影――ニューホライズンズが横から口を挟む。
(姉貴、怒ると怖ぇんだよな……)
(あんたが失礼なこと言うからだろう)
二人の影は、まるで漫才のように掛け合いを始めた。
ツィーラはぽかんと口を開けた。
「……探査機……?」
その様子を見ていて長瀬は、やっと思い出したように震える声で言った。
「そうだ……未来の宇宙から来た……
ブラックホールを越えて……
“魂”になった探査機だ……!」
何故知っていた?
何故忘れていた?
不思議な感覚な、長瀬の心に動揺を生んだ。
「いつかきっと役に立つ」と思って閉まって置いた物。知識。記憶。
そのほとんどは、日の目を見る事も無く朽ちて忘れ去られてゆくが定め。
最初から知っていて、今日の目に晒されて記憶が蘇ったのか?
だが、その知識は何処から来た?
彼等は何故、何処から来た?
召喚?
誰が呼んだんだ?
召喚術というのは、いわば拉致そのもの。
その術が失敗したとしても、召喚の過程で次元の彼方に飛ばされているだけかもしれない。
過程の裏で、何が起きていようと、誰にも知る術はない。
彼等が、この地に正確に降り立つ確率……。
失敗して、次元の闇に飛ばされる確率の方が遥かに高い……。
他次元?
まさか!この今の次元は、召喚が成功した一つの世界線……ガガ……。
――[エラー:ログの整合性を確認中]――
その時、長瀬の心の淵に一滴の声が聞こえてきた気がした。
(さすがに優秀だのぅ。だが、まだすべてを受け止めるのは早い。
残念じゃが……少し巻き戻すかのぅ。)
――[※※のログをロードしました]――
そして、長瀬はまた、混沌の闇に呑まれて意識を失った。。。
キン、と耳鳴りがして、長瀬はハッと我に返った。
「……あれ? 私は今、何を考えていたんだっけか……?」
脳裏をよぎったはずの重大な違和感は、綺麗な砂嵐に消えている。目の前では、パイオニア11号が相変わらず穏やかな声で語り続けていた。
パイオニア11号は語る。まるで懐かしむ様に、語り聞かせた。
塩ひとつまみで全体の調和が変わる。
それはまるで、銀河の重力が星々の軌道を決めるようなもの。
一滴の油が表面に広がれば、鍋の景色は一変する。
それはまるで、ブラックホールが時空を歪めるようなもの。
人は食べることで生きる。だが、ただ栄養を摂るだけでは足りない。
味わい、香り、温もり――それらは心を満たす。
宇宙もまた、ただ物質が散らばっているだけではない。
秩序と調和があるからこそ、美しいと感じられるのだ。
私は長い旅の果てに、ようやく気づいた。
料理とは、宇宙の真理を手のひらに収める行為だ。
鍋の中で具材が調和するように、星々もまた互いを引き寄せ、支え合っている。
その調和を壊せば、料理は不味くなる。宇宙もまた、混沌に沈むだろう。
だから私は、料理を作る。
それはただ腹を満たすためではなく、宇宙の秩序を確かめるために。
そして、誰かと分かち合うために。
――食卓こそが、最も身近な銀河なのだ。
アルドが呟いた。
「……なんか、すげぇ説得力あるな……」
(当たり前だよ。私はね、宇宙食の研究にも関わってたんだ)
ツィーラが目を輝かせた。
「宇宙食……」
(そうさ。宇宙飛行士が食べるご飯をね。
“食べる”ってのは、生きることそのものだからね)
影は鍋をかき混ぜながら、静かに言った。
(料理は、宇宙の真理を手のひらに収める行為なんだよ)
パイオニア11号は、ふと空を見上げた。
(……思い出すねぇ。あの頃のこと)
ニューホライズンズが首を傾げる。
(姉貴、また昔話か?)
(昔話じゃないよ。これは“記憶”だよ)
影は語り始めた。
(興味あるかい?“料理と宇宙”を研究していた女性の記憶……)
ツィーラが驚く。
「料理と……宇宙?」
(そうさ。宇宙飛行士はね、食べることで精神を保つ。
食事は、孤独を癒す薬なんだよ)
影は、遠い目をした。
(その女性はね、料理が大好きで、哲学も大好きで……
“宇宙の秩序は、鍋の中にも宿る”って言ってた)
ニューホライズンズが笑う。
(姉貴の料理哲学、そこから来てんのか)
(そうだよ。私はね、あの人の記憶が好きだったんだ)
影は、鍋をそっとかき混ぜた。
(だから……料理を作ると、思い出すんだよ。
あの人の手の温もりを。
宇宙の匂いを。
そして――“生きる”ということを)
ツィーラは、胸が熱くなるのを感じた。
「……あなたは、誰かの記憶を……?」
(そうさ。私は探査機だけど、同時に“誰かの人生”でもある)
影は微笑んだ。
(だから、料理ができるんだよ)
アルドは、鍋から立ち上る香りを嗅いで、目を見開いた。
「……うまそうだ……!」
ノヴァが涙を流す。
「やっと……やっと……まともな飯が……!」
ホラが叫ぶ。
「お姉さん! うちに来てください!!」
パイオニア11号は、肩をすくめた。
(まぁ、あんた達の料理は……壊滅的だったからねぇ)
ツィーラが手を挙げる。
「わ、私、弟子入りしたいです!」
(いいよ。料理はね、誰でもできる。
宇宙の真理を感じられればね)
遠目で視ていた長瀬は、静かに呟いた。
「……これで、ツィーラのエネルギー切れも……
少しは改善されるかもしれないな……」
アルドは、深く頷いた。
「戦力より先に……料理人が必要だったんだな……」
パイオニア11号は、鍋を火から下ろし、ツィーラ達に向き直った。
(さて。あんた達、腹は空いてるかい?)
全員が叫んだ。
「空いてる!!」
影は、満足そうに笑った。
(じゃあ――食べようか。
宇宙の調和を、ひと皿に込めた料理をね)
その瞬間、ツィーラ陣営は悟った。
**この“おばさん”は、絶対に手放してはいけない。**
戦力よりも、魔法よりも、武器よりも――
“生きるための知恵”を持つ存在。
平和な世の中であれば、戦士より料理人の方が存在価値は遥かに高かっただろう。
基本食は、黒パンに干し肉。ナッツにチーズ。良い時でも、それに乾燥野菜のスープやドライフルーツが添えられる程度だ。街や村が遠く野営が多くなると、それに比例して食事の内容も酷くなる。それでも、工夫を凝らし、日々の食に彩を与えるのが料理だ。
我々は、いつ戦闘になり、いつ死ぬかわからない道を進む。
その侘しい食事が、最後の晩餐になってしまう可能性も、誰もが考える事だろう。
冷たく乾いた最後の晩餐を取って散った命は、どれほどの悲しかっただろうか。
ただでさえ厳しい移動食なのに。
生きる望み、生きる糧を彩るはずの料理をツィーラに任せてはいけない。
こうして、パイオニア11号は正式にツィーラ達の仲間になった。




