テイム
魔銃を作ったあの日から少しずつ客も増えてきたある日のことである。
パリンッ
「また!?」
最近俺が趣味で作り始めた陶芸品がここ数日で触っていないのに次々と割れてしまっていた。
「これ作るのも大変なんだそ…」
そんな独り言と共に割れた破片を回収していると
「ギャハハ!こいつwうおw俺が魔力垂れ流してるのにぜんっぜん気づかねぇwやっぱりドワーフっておもしれぇーw」
なんなんだこいつは。
確かにドワーフは人と違って魔力を感知できないけどさぁ。
説明しよう!
ドワーフと人間は似ているが、決定的に違うところが二つあり、一つ目は人間の寿命は平均80年くらいだが、ドワーフは平均200年くらいまで生きる。そして二つ目は、魔力関連のことであり、人間は魔力を見たり、魔法を放ったりできるが、ドワーフは魔力を見たり、魔法を放つことができないのである。(※魔石は見た目で濃度がわかる)
「なんなんだよお前。というか陶芸品割ってたのお前なのかよ!」
「あぁそうだよ!この俺様が直々に破壊してやってるんだ!感謝しろ!」
「へっ!感謝なんかするかよ!お前が割った陶芸品、ちゃんと弁償してもらうぜ!」
「かかってこいよ!ドワーフもどきが!」
にしてもこいつは本当になんなんだ
スライムっぽくて単眼で自分の体で作ったであろう2本の角と翼が生えてるだと?
そんな魔物見たことも聞いたこともない
もしやこいつの戦利品、相当レアなやつが落ちるんじゃないか?だとしたら勝つしかない!
「おいおい何もしてこねぇのかよ!じゃあこっちから行かせてもらうぜ!風属性魔法『鎌鼬』!」
「スキル!『吸引!盾!』」
このスキルは吸引と対象の装備品を叫ぶことで発動し、自分が作った物かつ所有権が自分にあるものを引き寄せ、装備することができる。
「くっ!」
俺の盾でも弾くので精一杯!
だけどドワーフ持ち前の筋肉で…
「ゴリ押す!」
鎌鼬を盾で弾ききり、そのまま鷲掴っ
「火属性魔法!『火弾』!」
ジュゥゥゥゥ
「あっぶね!」
盾が溶けた⁉︎
くそっこうなったらあれを使うか…
「なんだよ防戦一方かよ!このままじゃお前負けちまうぞ?さっきのスキルで剣とか呼ばねぇのかよ!つまんねぇな!」
「だけどお前も俺に傷一つもつけられてねぇぞ?」
「手加減してんだから当たり前だろぉ?」
「それで倒せないんじゃダメだろ」
「クソがぁ!」
ガシャン!
その魔物が突進してくると共に謎の物体が落ちてきた
「ハ?なんだこれ!」
「これは檻だよ。侵入者対策でトラップ仕掛けておいたんだよ。まさか、こんな形で使うとは思わなかったけどさ。」
「へっこんなの俺の魔法で壊して…あれ?」
「お前らみたいな魔物とか盗賊は魔法をよく使うから檻の底に魔術妨害障壁っていう魔術を出せなくする魔法陣を書いておいたんだよ」
説明しよう!
魔法陣とは、魔法を設置したい場所に、魔力が流れる回路を描くことで魔力がなくてもほぼ永久的に魔法が発動されるが、発見されてる魔法陣が少なすぎるのと、攻撃系魔法は技術的に作れないことが判明しているため、基本的にはエンジが使っていたような護身用等に使われている。
「グッ!開けろ!ドワーフ如きが!」
「そのドワーフに捕まえられてるじゃねぇか」
「クソが!別に陶芸品の一つや二つ別にいいだろ!」
こいつ遂に開き直りやがった。
「なぁお前が割った陶芸品、いくらくらいで取引されるものだと思う?」
「は?お前の趣味だから0カリだろ?」
「お前この国の金の単位知ってんだな」
「舐めるなよ!お前らの事情なんて大体知ってるわ!」
「まぁそれは置いといて、実は前にオークションに出したら100億カリの価値がついたんだよ」
「あれが?うおwそいつらの目腐ってんじゃねぇのか?」
「そしてお前がこの数日で割った陶芸品の数は23個、つまり俺にとって実質2300億カリの損害だ。」
「で?それがどうしたよ?」
「お前には俺と主従契約して、この損害分の金額を稼いでもらう。」
「は?誰が主従契約なんてするかよ!」
「なぁお前、魔獣と魔物の違いって知ってるか?」
「別に興味ねぇよ」
「魔獣は実体を持ってるが、魔物は魔力でできているんだ。そしてこの檻の側面には、魔力を打ち消す魔法陣が描かれてるんだよ。もしお前がこのまま対抗するならこの檻を押し潰してそのまま魔法陣に当ててもいいんだぞ?まぁお前は十中八九魔物だろうがな。
さぁ選べ。このまま死ぬか、主従契約するか。」
「わかった契約する!その代わり陶芸品の金額分の金払ったらソッコーでお前を殺してやる!」
「楽しみにしとくよ。えーっと、お前名前は?」
「名前なんてあるわけないだろ」
「それじゃあ、お前の名前はスライムっぽいから『ライム』だ!」
「なんか、酸っぱそうな名前だな」
「そうか?俺はいいと思うぜその名前」
「お前がつけたんだからいいと思うのは当たり前だろ」
そんなこんなでこの後テイム業者に頼んで俺の腕とライムの体に主従関係の魔法陣を書いてもらい、正式に俺とライムは主従関係を結んだ
「はぁ。なんで俺がこいつなんかに…」
「まだいってるのか?お前。しつこいやつは嫌われるぞー」
「お前に嫌われたって別になんとも思わねぇよ」
「そういう意味じゃないんだけどなぁ」
そんな会話をしてると店のドアが開いた。
「いらっしゃっせー」
「ここはエンジ=ドワーゴの店であってる…
おい!その魔物は!?」
「これですか!?これは俺がテイムしたやつです!」
「そうだったのか。すまなかった」
「別にいいですけど…あなたは?」
「すまない。自己紹介が遅れたね。私は一応この国の聖騎士団団長のクリム=バハと申します。
以後お見知りおきを」
「知ってるみたいですけどこちらも一応。
エンジ=ドワーゴです。それで、要件はなんですか?」
「君の作った武器で少し話をしたくてね。よければうちの聖騎士団のみ…つまり君の武器を聖騎士団に独占させてくれないかい?」
「…は?」
3話見ていいただきありがとうございます!
次回は今週の土曜日の夜10時に投稿させて頂きます!




