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みぎゃ☆みぎゃ異世界コンカフェへようこそ!  作者: みぎゃー


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#3.宇宙人レイナちゃんなりよ!!

異世界コンカフェも営業三日目となり、日常になって来た。

とは言え、また今日も何かトラブルが起こるのだろうか…。


そんな風に思いながら開店してからすぐ、今日のお客様がやって来た。


「はじめまして、宇宙人のレイナなりよ!

 ほげぇちくわ、ここは地球なのに地球っぽくない場所なりな!!」


・・・コンカフェ開店から三日目、遂には宇宙人がやって来た。

紫の髪に薄いピンク色の肌、宇宙服かと思われる黒い全身タイツ。

と言うか宇宙人って自分から宇宙人だと名乗るものだろうか。


「実はレイナちゃん、地球に不時着で困ってたが

 ココがあって良かったなりよ。」


「は、はぁ…。

 でもココでは別に宇宙船の給油?とかが出来るわけでも無いし、

 何もお役に立てないかも知れません…。」


「いや、ココは不思議なエネルギーが満ちているから、ココにいれば

 他の宇宙人が来ていつかエネルギーを分けてくれるなりよ!」


「不思議なエネルギー、ですか?

 それって何なんだろう…、宇宙エネルギー的な感じですか?」


「何て言うかこう、来る者拒まず的なエネルギーなりよ。

 地球の他の場所じゃこうはいかないなりよ。

 地球人は大体皆、内向きに閉じこもって変なのは排除、なりよ。」


そんなものなのかな、とボクは思った。

オカルト好きな人とか、宇宙人なんて来てくれたら大歓迎じゃないのか。


「皆、口では宇宙人大歓迎とか言うなりが、正体を見せたら途端に

 ワーキャー言って逃げて行くなりよ。覚悟が足りないなりな、地球人」


そこへ、幽霊のハナちゃんが同意した。


「あ、それ私もわかりますよぉ。

 何だか肝試しとか言って建物に入って来て、

 いざ私が顔を出したら逃げて行ったり…。

 結局興味本位なんてそんなものですよねぇ。」


さらにエリ様がそれに輪をかけて応える。


「まぁ、ほとんどの有象無象なんてそんなものじゃ。

 だから妾は最初から恐ろしい九尾の狐伝説を振り撒いた。

 そうする事で興味本位すら失せるほどの恐怖を植え付ける。

 それでもやって来るバカどもはどうしようもないから、

 後は煮るなり焼くなり好きにするだけじゃ。」


エリ様なら本当に煮たり焼いたりしていそうだな、と思った。


「それにしても…異世界コンカフェ、ガチの異世界だね…。」


それにエリ様が応える。


「まだまだこんなものじゃないと思うぞ?

 しかしまぁ、あまりレギュラーのキャストが多いのも考え物か。

 あと2名くらいにしておくか、レギュラーキャストは。」


勝手にボクの店のキャスト人数まで決められてしまった。

本当にこの九尾の狐には何から何まで勝てないだらけだ。


「おい、良いのかみぎゃー。お主の店だろう?

 妾に好き放題にされて黙っておっては、日本男児たるもの、

 プライドが許さんじゃろう?」


「・・・だって、反抗したってどうせまた、

 包帯を剥がしたりして辱めるんでしょう?」


ボクは胸の包帯を手で覆いながら話した。

我ながら女の子みたいでちょっと恥ずかしい仕草だ。


「アッハッハ、もうスッカリおなごのようじゃのぅ。

 まぁでも、コンカフェだからと言ってその恰好を続ける

 その気概だけは認めてやろう。

 それとも、妾にイジめて貰えるからその恰好なのか?」


「そ、そんなんじゃありません!!

 ただ、せっかく来てくれたお客様には非日常を楽しんで欲しくて。」


そこへ、ドアの呼び鈴が鳴った。


━チリンチリン━


「はーい、いらっしゃいませー。」


また常連のおたっぴぃさんだろうか。

そう思ってドアを開けると、3名の男性が立っていた。


「あ、ここやってるんだねー。

 異世界コンカフェ?どんなだろう、興味あるな。」


50代とおぼしき男性達。

飲み会の終わりで二次会といった所だろうか。

興味本位で立ち寄った感が満載だった。


「あ、コチラへどうぞー。」


テーブル席へと案内する。

その時、お客様の一人がボクの胸の包帯に触れた。


「お姉ちゃん、胸無いねー。

 あまり良いモノ食べて来なかったのかな?」


「あ、あのお客様、そういうのは困ります…。

 それと、ボク男です…、ミドフォーの。」


「えぇえ!?40代中盤の男の人なの!?

 見えないなぁ、凄いなぁ~、ねぇだったらさ、

 減るモンでも無し、触らせてよ?」


触るって、一体どこを触ると言うのか。

その時、宇宙人のレイナちゃんが割って入った。


「アンタ達、ちょっとさすがにやり過ぎなりよ。

 レイナちゃんの光線喰らうなりか?」


そう言うとレイナちゃんは指先から光の線を出して、

それを男性達の頬に当てた。

瞬間、男性達の頬から煙が上がる。


「アチチ!何するんだよ、って言うかアンタ…何者だ?」


「レイナちゃんは宇宙人なりよ。

 コレは世を忍んだ仮の姿なりが、実体を見たら多分アンタら、

 まとめて気絶するなりよ。」


「宇宙人だぁ~?んなモンいるわけねぇだろ~」


酔っぱらっているのか、男達はそれを馬鹿にした。


すると、次にハナちゃんが男性達の背中に触れた。


「ヒャッ、冷た!何だ、え、女の子!?」


「私、幽霊なんです…。何なら体を通過しましょうか?

 多分冷た過ぎて風邪ひいちゃいますよ~」


「う、宇宙人の次は幽霊だぁ!?

 一体どうなってるんだ、この店は!

 おい、そこの狐コスプレの女、お前もまさか、

 何か化け物だって言うのかよ?えぁ?」


乱暴な言葉を向けられて、エリ様はご立腹だった。


「お主ら…相当に酔っておるようだのぅ。

 しかし妾に狼藉をかけた事は到底許せぬぞ。

 その身を持って償うが良い…。」


そう言うとエリ様は黒いオーラを放ち、呪詛を唱えた。


「真言妙言、絶恐祈念、信賞必罰・・・」


その瞬間、男性達は怯え始めた。


「わ・・・、何だこの女、背後にデカい黒い狐が…!!

 ヤバい、喰い殺されちまうぞ、逃げろ、逃げろ!!」


しかし、エリ様は妖力でドアを閉じた。


「逃がさぬぞ…妾達に対する狼藉を謝るまでは決して逃がさぬ。

 認めよ、異世界の存在が確かにある事を。

 ココに集まったのはそういう者達じゃ。」


「ひ、ヒィッ!わ、わかりました、確かに異世界存在は居ます!

 だから、許して下さい、食べないで~!!」


情けない悲鳴をあげて、男性は涙を流し始めた。

エリ様はその姿を見て溜飲が下がったのか、幻想を解いた。


「あ、アレ…?化け物が消えた…。」


「消えたのでは無いぞ、一時的に隠しただけじゃ。

 また再び狼藉を働くようなら、再び呼び出すが?」


「ヒィッ、もう絶対にいます、異世界存在は居ますから、

 お願いもう出さないで~!!」


女々しい声をあげて喚く男性に、レイナが言った。


「ま、和解したからには皆で飲むなりよ。

 ココはカフェとか言いながらバーでもあるなりよ。

 お酒、二次会として飲むために来たなりな?

 だったら楽しく皆で飲み明かすなりよ!」


この一言がキッカケとなり、男性達と異世界コンカフェ、

楽しい一夜の二次会飲み会が始まった。


幽霊・妖怪・宇宙人。その実物達が集まるこのカフェで、

男性達はその独特の体験談を聞いたり、能力を目の当たりにしたり

非日常を楽しんで夜が明けて行った。

やがて空が白み始め、そろそろお開きと言った時間になった。


「さて、と。それじゃあお支払いをするか。

 ありゃ、店長さん何だい?この『店長の昨日の包帯』ってのは。」


「あ、ソレ…(照)、ボクが昨日身に付けてた包帯です。

 そういうのがお好きな方向けに販売してるんですが…、

 別にいらないですよね、ミドフォー男子の付けてた包帯とか。」


「あ、いや、興味あるよ。それじゃあ一つ頂こうかな。」


「え、えぇえー!?買われるんですか!?

 だってボクが昨日身に付けてた包帯ですよ!?

 一日働いて汗とかで臭いし、絶対汚いですよ?」


「いや、だって店長さん男には見えないくらい可愛いから。

 店長さんだったら別に男でも良いよ、オレ。

 どんな匂いするのか気になるし。」


「ワァー・・・(照)。

 わ、わかりました…それではあの、こちら包帯になります。」


「ありがとう、それじゃあね、また来るよ、おやすみー。」


何だかんだで男性達は楽しんで帰って行った。

怒涛の3日目の夜が過ぎた。


「あんな方達も来られるんだね・・・。」


それに、エリ様が応えた。


「しかし、やはりお主の包帯売れるのぅ。

 帰ってから自分の匂いを嗅がれるのはどうじゃ?」


「え、ど、どうって…恥ずかしいですよ!

 大体ボク、ミドフォーの男ですよ!?

 そんな、嗅いで良い匂いがするはずが無いじゃないですか!」


「ふふ、そんなもの、買った側が勝手に決める事じゃ。

 それにあやつら、おそらく常連になるぞ。」


「えぇ!?包帯を買われた方とまた会うの、気まず過ぎる!」


「そう言わずに、次来たら感想を聞いてみたらどうじゃ?

 もしかすると毎回買ってくれるかも知れぬぞ?」


「そんなの…マジで恥ずかし過ぎて死にたくなっちゃうよぉ…」


しかし、翌週エリ様の見立て通り、男性達は再来した。

そしてエリ様が男性に包帯の感想を尋ねた。


「それで、どうじゃった?コヤツの包帯は。」


「あぁ、めちゃくちゃ良い匂いがしたよ。

 3発はヌいちゃったな、歳甲斐も無くね(笑)」


最悪だ、このお客様と今後どう話そう…。

自分の匂いが付いた包帯でヌかれてしまうなんて、

もう恥ずかし過ぎて本当に逃げ出したかった。


「それでは今日も買ってやるのかの?

 コヤツの昨日付けていた包帯を。」


「あぁ、もちろん買わせて貰うよ。

 興奮ももちろんだけど、店長さんが一日頑張った匂い、

 何だか勇気付けられるんだよね。

 たくさん恥ずかしい思いもしてるだろうに、

 それでも頑張る姿が健気で応援したくなるんだよ。」


「・・・!!」


ボクは驚いた。

単に興味本位や性欲から買われたと思っていた。

いや、最初のキッカケはそうだったのかも知れない。

だけど次は、ボクの頑張りを匂いと言う形にして感じて、

それで励まされたいと言ってくれた。

ボクはこんなフェチズム的アイテムだけど、もしかしたら

買って貰える価値のあるものじゃないかと思えた。

ボクが一日頑張った匂いで励ませるのなら、悪くない。

もちろん少しまだ恥ずかしいけれど、コレはコレで良いかも。

そんな風に思っていた。


そしてそんなボクを遠くから見て、エリ様がニヤニヤ笑っていた。


挿絵(By みてみん)

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