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みぎゃ☆みぎゃ異世界コンカフェへようこそ!  作者: みぎゃー


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#33.不思議の国のアリス

異世界の典型と言うか、もしかしたら世界で一番有名な異世界物語、

それがルイス・キャロル著『不思議の国のアリス』だ。

誰もが憧れるヨーロッパチックな女の子のお話。

ある時異世界コンカフェにアリスの姉がやって来た。


「あの!妹が突然姿を消してしまったんです。

 ココがどこなのかもわかりませんが、気付いたらココに居ました。

 妹を、知りませんか?」


どうやら異世界コンカフェに迷い込んだのはアリス本人では無く、

アリスの姉だったようだ。


「えーっと、ごめんなさい、ウチには来てないですね…。

 だけどもしかしたらそのうち迷い込んで来るかもだから、

 ココでしばらく紅茶でも飲んで行かれますか?」


アリスの姉は随分と焦った様子だったが、一服入れる事にした。


「えぇ、そうするわ。一度ゆっくりと心を落ち着けないとダメね。」


ボクは紅茶をアリスの姉の前にスッと差し出した。

彼女はそれをゆっくりと口に含み、『美味しいわ』と言った。


「あなたの妹さんは後世多くの人達に知られる物語のヒロインになります。

 今は不安だと思いますが、大丈夫ですよ。必ず彼女は戻ります。」


「そう、ですか…。

 だけどそうは言って頂いても、中々心が落ち着きませんわ。」


その時、店の扉がバンッと勢い良く開けられた。

呼び鈴が激しくチリンチリンと鳴った。


「あ、あの、助けて下さい!!たくさんの筋肉質な黒い人達が、

 俺の身体はどうだって感想を聞いて来るんです!!」


それはアリスだった。姉のマチルダがアリスを抱きしめる。


「アリス!無事だったのね。それにしても、誰に追われているの?」


するとドアの向こうから現れたのは、

たくさんの黒光りするマッチョさん達だった。


「うわ、三角チョコパイみたいな僧帽筋だ…」


マッチョさん達は自らの鍛え抜かれた筋肉を見せつけ、

それの感想を求めて来た。


「俺の筋肉、どうだ?」


「ワシの上腕二頭筋、切れてるじゃろうが!!」


「大胸筋、抱かれてみたいか?」


さすがに幼い少女のアリスにこれは不味い。

ボクはコンカフェの奥の席に陣取っている秘密結社の男達に

声を掛けた。


「あの、皆さん、助けて下さいませんか?

 今日のボクの包帯、結構蒸れて汗吸いまくってると思うので、

 その、コレが報酬と言う事で。」


秘密結社おじ達はすぐにやる気になり、銃を手に取った。

そしてマッチョさん達にそれを向けた。


「おい、お前らどこの組のモンだ?

 俺達ファミリーを敵に回したらどうなるかわかってんだろうな?あ”ぁ?」


しかしその脅しはマッチョさん達には効かなかった。

いや、効かないと言うか理解出来ないようだった。


「あの、ワシらは何者かと言われればボディビルダーだ。

 どこの組って…、強いて言えばストロングジム所属じゃ。」


どうにも秘密結社とマッチョさん達とは噛み合わないようだ。


「クッ、アリスとお姉さん、ボクと一緒に不思議の国に行こう。

 えぇと、誰に頼めば良いのかな、こういう時は…」


しかしそこに居たのは幽霊のハナちゃんだけだった。


「え、えと、あの、私が連れて行ける異世界は…、

 幽界なんてどうですか?死ぬ時に一度通る場所です。

 ただ和風なので、アリスさん達に合うかどうか…」


もう、合うかどうかなんて言っていられない。

ボクはすぐにハナちゃんの作った異世界への入口に二人を誘い、

その中へと入り込んだ。


~幽界~


そこは深い霧が漂い、日本人形や日本家屋等、

とても和風の佇まいの世界だった。

コレはハナちゃんのイメージしている世界が関係しているようだ。

金髪のアリスにはあまり似合わない世界観でもあった。

アリスの姉のマチルダが一つの道具に注目した。


「あの、コレは何ですか?」


それはコケシだった。都市伝説では『子消し』等と言われる、

曰くがありそうな民芸品である。


「えぇと、それは日本特有の伝統的な飾り物で…」


しかしその時、アリスがコケシを見て言った。


「この中に人が閉じ込められているわ。大変!

 どうしましょう、何とかして出してあげないと!」


アリスはどうにも、想像力豊かな女の子のようだ。


「あ、アハハ、アリス…、コレはね、日本の民芸品で…」


しかしアリスはコケシをむんずと掴むと、急に降り始めた。

それは激しくふりかけをシェイクするような動きで、

さすがにコケシの頭が取れてしまうのでは無いかと思う程だった。


すると、ある瞬間にポキッとコケシの首が折れた。


「わ!アリス…コレ、どうなっちゃうか知らないよ!?」


するとコケシの中から煙が上がって来た。

やがてそれは空中を覆い、中から半裸のおじさんが出て来た。


『やぁ、私はランプの魔人…では無く、ただの変態だ。

 変態的な願いに限り、何でも3つ叶えよう。』


とんでも無いヤツが解放されてしまった。

ボクはソイツをコケシの中に押し戻そうとした。

しかし、結局ケツがデカ過ぎるし絶対戻らなさそうなので諦めた。


「でもさ、キミ変態的な願いに限りって…。

 子供の前だよ?教育的な配慮をして?」


しかし変態にそんな分別は無いようだった。


「さぁ、願いを言え。どんな願いでも変態的なものに限り

 3つだけ叶えてやろう。」


しかしこの時、アリスが一つ目の願いを唱えた。


「私を追っていた筋肉質な黒い肌の男達を、全員全裸にして

 お互いのお尻を舐めさせ合って!」


『お安い御用だ。』


すると変態は願いを叶えた証拠として、マッチョさん達の様子を

空中に透明なディスプレイを表示してそこに映した。


マッチョさん達突然互いの尻を舐め合い、阿鼻叫喚図となった。


「本当に、叶えちゃった…。」


『さぁ、次の願いを言え。どんな願いでも変態的なものに限り…』


その時、姉のマチルダが願いを言った。


「この猫耳の人の包帯を半透明にして!!」


『お安い御用だ。』


何と、マチルダはボクの包帯をスケルトンにして丸裸にした。


「いやぁ!!恥ずかしいっ。」


ボクはすぐに体を丸めて彼女達にはボクの丸まった背中だけが見えている。


「ヒドいよ、どうしてこんな事するのぉ?」


ボクは涙目でマチルダに訴えた。


「いえ、あなた男か女かわからなかったから、確かめようとしたのよ。」


「それだったら!普通に直接聞けば良いじゃん!

 どうしてわざわざこんな恥ずかしい事するのぉ!!」


「いや、私ってちょっとSだから、辱めたいなって。」


「ヒド過ぎるよぉ、うぅ…」


「まぁまぁ、ホラ、もう一つ願いが残ってるでしょ?

 変態的な願いって事だから…バニーガールでも着せて貰えば?」


「ふぇ?でもそんなの、股間盛り上がっちゃうじゃん。」


「それが逆に良いのよ。大体ね、ほとんどの健全な女の子は、

 あなたみたいに可愛い男性なら股間が盛り上がっていても引かないわよ。

 可愛いなぁって、むしろイジりたくなっちゃうかも。」


「ふぇえぇぇぇ!?そんなの恥ずかし過ぎるよぉ…。

 でもこんな透明な包帯じゃあ恥ずかし過ぎるし、

 マチルダさんの言った案にしようかな。

 ねぇ、ランプの精…じゃなくて単なる変態さん。

 ボクの服装をバニーガールにして?」


『お安い御用だ。』


するとボクの服装は包帯柄のバニーガール衣装になった。

何て言うか珍しいデザインだ。


「まぁ、透明包帯よりは全然マシだよね…」


そして、マチルダはここで初めてボクにお礼を言った。


「あの、妹のアリスと一緒になれるまで居場所を与えて下さり

 本当にありがとうございます。お礼を何かしたいのですが…、

 身体で良いですか?」


女剣士のアラヤと言い、異世界存在達の貞操観念はどうなっているんだ?


「あ、いや、大丈夫だよ。貞操はちゃんと大事にして?」


「あら、私結構たくさんの男性達を相手にしてるわよ?」


どうやらマチルダは結構なビッチだったようだ。


「あ、いや、それにしたってボクは大丈夫だよ…。

 さぁ、それじゃあ帰ろうか。」


ボクは天を仰ぎ、両手をパァッと空に翳した。

コレがハナちゃんへの元の世界に帰して、の合図だ。


次の瞬間、ボク達は異世界コンカフェへと帰って来た。


「みぎゃーさん達、おかえりなさい。」


「ふぅ~、帰って来れたね。」


こうしてアリスともどもマチルダ達は自分達の異世界へと

帰って行った。


しかしこれ以降、アリスは度々異世界コンカフェに来るようになった。

その度に様々な異世界に行きたいとせがみ、ボク達を困らせた。


異世界コンカフェにまた、厄介な常連が増えた。

しかしその常連さんは何とも可愛らしく、将来きっと綺麗になるような

素敵なレディの雰囲気を携えた常連さんなのだった。


挿絵(By みてみん)

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