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みぎゃ☆みぎゃ異世界コンカフェへようこそ!  作者: みぎゃー


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#34.そもそもこの世界が異世界!?

異世界存在達からすれば、そもそもこの世界が異世界だと映るらしい。

では、この世界の価値とは何なのだろうか?


幽霊のハナちゃん曰く

「全てが見えている存在からするとあらゆる諸問題の解決方法は丸わかり。

 それなのに隣の家や隣の国にある探し者に気が付かないままで右往左往し

 生涯を棒に振ってしまう不思議な人達が暮らす世界」

と見えているらしい。


ハナちゃんは元々、35年程前にはこの世界の人間だった。

しかしもう暫く長い間幽霊として存在している事で、人間時代の意識とは

切り離された幽霊としての自分の意識が出来上がっているようだ。


更に九尾の狐と言う大妖怪のエリ様曰く

「自分達以外の存在を極端に恐れる非常に臆病な生き物達の住む世界」

に見えているらしい。


言われてみれば確かにエリ様は他のあらゆる異世界存在に対しても臆さずに

対等な存在として見ている気がする。

UFOだのUMAだのと大騒ぎしているのは人間だけかも知れない。


宇宙人のレイナちゃんからは、

「宇宙にロマンを持っている不思議な生き物達」

として見られているようだ。


そもそもからして同じ宇宙存在の仲間なのに、

宇宙と言うフィールドを特別視している事が滑稽なようだ。

他の宇宙存在達は当然のように宇宙は自由に動き回る場所だからだ。


アンドロイドのアイは、

「自我と言う遊びのような感覚に本気になっている者達」

として写るらしい。


彼女達には一見すると個性や意識があるように思われるが、

それらは遊びの一環として組み込まれているに過ぎず、

本当の所は大元で全ての同一存在達は繋がっている。

それなのにこの世界の人間達はそれぞれが個別の意識だと感じ、

それを前提にして生きている事がおかしく感じるらしいのだ。


悪魔のポンぬちゃんからすれば、

「罪と言う存在しない概念を自分達で形作った上でそれに縛られ、

 窮屈である事に安心感を覚えている哀れだが面白い存在の世界」

として見ていた。


それぞれ皆、ボクの住むこの地球の現在と言う世界を異世界と捉え、

楽しんだり研究対象にしたり哲学したりしているようだ。


だけどボクを含めてこの世界の現代に生きる皆からすれば、

ここはボク達にとっては当然の世界であり、異世界感は無い。


たまに誰も居ない深夜の工場地帯や山奥の廃村等に行って異世界を感じても

それは『帰って来れる安全な異世界感』でしか無い。


この世界を異世界として考えた上での感想や印象を聞くと、

皆それなりに興味深い異世界ではある、と答えた。


その理由を尋ねてみた所、またまたイジワルな発言が飛び出た。

コレは悪魔のポンぬちゃん談だ。


「そりゃまぁ、みぎゃーみたいなド変態のおっさんがいるからじゃん。

 こんな異世界存在、私からしたら楽し過ぎるんだよな。

 お前自身この世界の中では結構浮いた存在かも知れないが、

 そんなお前を生み出してしまったこの世界にも興味があるぜ。

 何で、異世界の中で更に入れ子構造のようにして新たな

 異世界存在を生み出してしまえたのか。」


ポンぬちゃんが言いたいのは、この世界を異世界として捉えた上で、

そこから更に別の異世界存在のような者としてボクが生まれた、

と考えているらしい。え、ボクってそんなに異質かな?


それにアンドロイドのアイちゃんが更に続けた。


「みぎゃタンってねぇ、自分じゃ気付いてないかも知れないけど、

 やっぱり特殊だよ。おじさんなのに女装してるだとか、

 そういう表面的な事ならそこら中に変態女装おじさん達はいるけどさ、

 みぎゃタンは何て言うかその、やっぱりちょっと特別だよ。」


いや、変態女装おじさん達はそこら中にはいないだろ。

居たらもう、治安以前の問題でSAN値(常識値)がピンチだ。


更に幽霊のハナちゃんも私見を交えて言う。


「私がそもそも自然にココに惹かれて来た事も不思議なんです。

 これまでの幽霊生活の中でこんな事ありませんでしたから。

 言わば、あらゆる異世界存在を惹きつけるブラックホール…、

 だとしたらちょっと逆に怖いイメージもありますよね。」


ブラックホール、か…。それは確かに自分でも怖い。

そこに宇宙人のレイナちゃんが続ける。


「そうそう、ブラックホールは言い得て妙なりよ。

 みぎゃタンは…引き寄せて改変して無責任に放り出して。

 いや本当、ブラックホールに似てるなりな。」


そして、九尾の狐のエリ様が一番酷いまとめ方をする。


「うぅむ…、わかり易く言えばお主は【公衆便所】じゃ。

 あらゆる異世界存在達が気軽に立ち寄れ、更には弄ぶ。

 そしてそのまま無責任に放っていける玩具。

 しかし、実の所あらねば困る存在でもあるのじゃ。

 どうじゃ、公衆便所扱いされて興奮したか?」


ひ、ヒド過ぎる…。公衆便所扱いはちょっとさすがにヒドい。

ボクは少し涙目になってエリ様に抗議した。


「あ、あのっ!ちょっとさすがにヒド過ぎませんか?

 ボクってそんなに汚いんですか?」


ボクは涙目が本当に大粒の涙になって行くのを感じた。


「おやおや、大の男がそんなに涙を流して…情けないのぅ。

 別に汚いとは言っておらぬだろう。ただ、皆にとって気軽で、

 使い易く、しかし必須である、と言っておるのだ。」


何ともエリ様の言葉がボクの耳に入らなかった。

公衆便器扱いだなんて…恥ずかし過ぎてボクは顔中真っ赤だ。

そしてアイが悪気無く僕を更に辱める。


「ありゃま、みぎゃタン顔だけじゃなくて、

 包帯から覗くセクシーな身体まで真っ赤だよ?

 そんなに恥ずかしかったの?」


ボクは顔だけじゃなくて体まで真っ赤にして泣いている自分に

心底情けなさと恥ずかしさを感じて体が熱くなるのを感じた。


「や、ダメ…それ以上イジめないでぇ~」


皆大笑いした。正直、本当に滅茶苦茶恥ずかしかった。

だけど、ボクは実はコレが一つの異世界交流の形じゃないか?

と言う事にこの時初めて気付いた。


どんな異世界存在達であれ、そしてこの世界の人間達なら尚更、

それぞれにプライドを持っている。だからこそ、自分の世界を守りたく、

異世界存在を異質なモノとして排除したがる。

しかし、ボクの極端に低いプライドや被虐体質は簡単に何でも受け入れる。

でもそれこそが今必要な異世界異文化交流の姿勢かも知れないのだ。


「もう、皆!そんなに笑って~!!!!

 …でも、皆が笑ってくれてるんなら良いよ?

 ボク、辱められても良いんだ。だって皆がハッピーになれるなら、

 どんな形であれそれが正解だもん。」


エリ様は「言うようになったな」と言った。

そして皆、愛おしそうな目でボクを見た。


そこへ奥の方の席にぎゅっと詰め込まれている秘密結社のおじさん達が

ニヤニヤと笑いながらコチラへ歩いて来た。


「いやぁ、感動的なシーンを見せて貰ったよ。

 まさか異世界存在達とこんなに心が通じ合っているとはね。

 ただまぁ勘違いしてはいけないのは、

 あらゆる異世界存在がそうでは無い点だ。

 ここに居る異世界存在達はあくまで交流可能な者達だ。

 しかし異世界の中には決して我々と意思の疎通が出来ないものもある。

 そうしたものにはキミと言えど、通用しないよ。」


もっともらしい事を偉そうに言っている。

いや、確かに正しいのだ。さすがは目のマークの秘密結社達だ。


ただ、その、ボクの包帯を嗅ぎながら言うのは止めて欲しい….。


「クンクン、いやぁ本当にいやらしい匂いだなぁ。

 どうして40代中盤の男からこんな匂いがするんだ?」


「アァ~、久々に嗅いだわコレ。今日は帰ってから3発ヌこ。」


「我々は気高き秘密結社だ。表向きはキミに夢中なようだが、

 決して心まで奪われたワケでは無い事を理解しておけ!」


何だか最後に滅茶苦茶強がりまで言われた。

いやいや、態度からしてもうボクの匂いに夢中じゃん。

恥ずかしい通り越してボクはただ無心だった。


その時、もう一つの姉妹店から黒みぎゃ子が遊びに来た。

コイツはボクのクローン存在だ。


「何だか異世界存在に関してのお前の影響力の話してた?

 そもそもさぁ、お前が持ってるその不思議なエネルギー、

 【グラウンドゼロ】だって事を理解してるか?」


突然の黒みぎゃ子からの話題の持ちかけ。

グランドゼロ、爆心地。どういう事?


「あらゆる宇宙が出来上がる事になったビッグバン。

 ・・・まぁコレは、あくまでわかり易く解釈しただけの

 詭弁みたいなモンなんだけどよ。まぁ、それで色んな

 異世界がたくさん出来たワケだ、その爆発で。

 その爆発のド真ん中、中心地がグラウンドゼロだ。

 そしてお前が持っているのはその原初のエネルギーだ。」


「え、と….。意味がわかんないんですがどういう事だ?

 え~と、つまりはボクが…ん?わからないぞ?」


「ま、わっかんね~だろうな。お前はケツ穴で感じとけ!」


そう言うと黒みぎゃ子はボクのお尻に指を挿して来た。


「ひゃうっ!?」


「アハハ(笑)感じ過ぎだろ、お前こっちの才能もあるのかよ。」


「いや、さすがにコレはヒド過ぎでしょ!?

 ボク、そんな事されるような悪い事した!?

 ちょっと…また泣いちゃうかも…」


しかし黒みぎゃ子は自身の胸にボクの顔を埋めさせた。


「ばーか。あのさぁ、お前一応40超えた男だろ?

 さすがにそんな人前で安く泣いてばっかいんじゃねーよ。

 たまには我慢してみろよ、この泣き虫が。」


言われて、ボクは自分があまりに最近弱くなっている事に気付いた。

皆と仲良くなり過ぎて自制心すら忘れていたかも知れない。


ボクは唇をぎゅっと噛みしめて泣くのを我慢した。

そしてちゃんとボクの理念を語ってみた。


「あらゆる異世界存在達がボクを通じてより良くなってくれるのなら、

 ボクはその為に存在し続けたいよ。そんな大それた存在かはわからない。

 だけど、ボクに出来る事は出来るだけしたいよ。

 繋げたり、離したり、相談に乗ったり切ったり貼ったり、

 ボクに出来る事なら何でも。」


それに対してコンカフェ内で小さな拍手が起こった。

秘密結社の人達も拍手をくれているのかな?と思って目をやると、

彼らは拍手には参加せずに包帯を鼻に詰めて悦に浸っていたのだった。


挿絵(By みてみん)

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