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みぎゃ☆みぎゃ異世界コンカフェへようこそ!  作者: みぎゃー


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#21.クトゥルフの神々は異世界存在の最骨頂!?

ボクが夜中自室で寝ていると、何やらとてつもなく大きな音がする。

しかしそれは鼓膜を破ると言うよりは、心臓の奥から這い出て来るような

得も言われぬ言い知れぬ不安の中で潰されるような圧迫感だった。


「何?こんな感覚は初めてだよ…。

 いくら異世界存在が寄って来やすい体質とは言え、

 こんな凄いのはさすがに夜中には勘弁だよ…。」


更にそれはボクの心の内側からボク自身を覗いているような

とても深い不快感を与えた。

どうしよう…、今回の異世界存在はちょっと次元が違うぞ….。


そうして体は一ミリも動けずにだけど代わりに頭の中だけが

高速回転して様々な世の中の物理法則やらの計算を始める。

もちろん、ボクにそんな知識があるワケが無い。

何だコレは、何を見せられているんだ一体。


そうして難しい数式をボク自身の脳みそをフル回転して解かされた後、

それらを一旦全て消却されて今度は全くの白痴にされてしまった。


何も感じない、何も言葉が出て来ない・・・・。


それから一体どれだけの時間を過ごしたのか、

次にボクはただ遠く地平線までが360度見渡せる嵐の平原に居た。


怖い・・・・。

周囲には稲光が地面に大きな音と共に落ちて来ており、

こんな場所1秒たりとも居たくない。


その時、真っ黒な空に大きな異世界存在が現れた。


『貴様の願いは何だ?我は混沌の使者なり。

 貴様があらゆる異世界存在を引き寄せ友好的なものにしようとも、

 我らのみはそれには全く関する事は無い。

 覚えておけ、愚かな人間よ。この世界は貴様らのものでは無いのだ。』


そしてひと際大きな雷撃がまさにボクの真横に落ちる。


━ドーーーーーーン!!!!!!!!!!!━


「ひゃうっ!!!!!!!!」


・・・・・・・・・


・・・・・・・・・


・・・・・・・・・


あ、・・・・・・。


ボクは汗だくで飛び起きた。まだ時間は朝の4時だった。

怖かった、とにかくもう二度と見たくない夢だ。

そして気付けばボクはお漏らししていた…。


「うぅ、恥ずかし過ぎるよぉ…。

 こんな所もし誰かに見られたら…って、ボクの家なんだから

 誰も見てるワケが無いか。」


すると、ベランダから誰かがコチラを覗いていた。


「ひゃっ!?だ、誰!?強盗!?」


しかしよく見るとそれはポンぬさんだった。


「何だぁ~、びっくりしたぁ~。いやもう本当、

 滅茶苦茶恥ずかしい所を見られちゃったじゃん、最悪だ~」


「あぁ、その事は誰にも言わないでやるよ。

 みぎゃー、お前、とても怖い夢を見ただろう?」


「え・・・。何でポンぬちゃんがそれを?」


「アレな、私知ってるんだよ。あの空に浮かんでいた者、

 アレは…クトゥルフ神話の神だ。」


「クトゥルフ、…神話か…。」


クトゥルフ神話(クトゥルフしんわ、Cthulhu Mythos)、またはクトゥルー神話は、パルプ・マガジンの小説を元にした架空の神話[1]。


20世紀にアメリカで創作された架空の神話である。作中では逆に、人類史の神話は太古からのクトゥルフ神話の派生であるということになっている。


クトゥルフ神話 - Wikipedia

「まさか、創作の神話から神々が飛び出して来るなんて…」


「まぁ、古代の神話だって元々は人間が作ったものだ。

 そう言った意味では比較的新しい時代に作られただけで、

 発表から数十年経っている今は最早一つの神話体系だ。

 いや、そんな事を言いたいんじゃないんだ。

 おそらく今、私達はクトゥルフの神々に目を付けられてる。」


「え?まさかそんな、クトゥルフ神話の神々って、どれもおぞましくて

 中には宇宙規模の存在もいるじゃん。それもレイナちゃんとかよりも

 もうワケのわからないくらいドデカい宇宙存在的な神とか…」


「あぁ、だから私もわざわざココに来たんだ。

 と言っても、コンカフェメンバーが全員寄った所であの存在達には

 対抗出来っこが無い。もう目を付けられた時点で、存在まるごとが

 まるで最初から居なかったかのように消されるんだ…。

 だから、最後にお別れを言いに来たのかも知れないな、私は。」


「そんな、恐ろしい事言わないでよ…。

 でも本当にクトゥルフの神々に目を付けられたのなら逃げられないね。

 だからと言って話が通じる相手でも無い…。

 そもそもあの神話は人間なんて如何にちっぽけであるかを思い知らせる

 それまでの神話とは物語構造の概念からして違う。

 あんな連中に少しでも興味を持たれてしまったら…あ、あぁあ…」


ボクは情けない事に恐怖から、再びお漏らし、いや失禁をした。

さすがにポンぬちゃんもバカにはしなかった。


「今回ばかりは、お前の気持ちがわかるからな、バカにしないよ。

 私だって本当は漏れてしまいそうなのをギリギリ耐えてるんだ。

 だってアイツらが本当に目の前に現れたらもう…全てが終わりだ。」


ボクとポンぬちゃんはただ二人で抱き合い、

襲い来るかも知れない恐怖に無力にガタガタと震えていた。

そこへ、黒みぎゃ子がやって来た。


「よぉ、ベランダ空いてるじゃん、不用心だな。

 って、あぁ、悪魔のキャストが来ていたのか。

 と言う事はやっぱり、アレって夢じゃないんだな。」


どうやら黒みぎゃ子もあの夢を見たようだった。


「うわ、てかお前、臭っ!お漏らししてるじゃん!

 何でサッサと洗濯しないんだよ、匂い染み付くぞ!?」


それどころでは無かった。いやむしろ黒みぎゃ子は何故、

あんな圧倒的な存在達を感じながらも平常心でいられるのか。

あぁ、そうか。黒みぎゃ子はドラゴン使いだ。


「ねぇ、黒みぎゃ子が使役してるドラゴンで、

 クトゥルフ神話の神々、対抗出来そう?」


「いや、ちょっと無理だろさすがに….。

 ボクが落ち着いてる理由はさ、あくまでクローンだからだよ。

 お前達みたいに自然から生まれた生命体じゃないから、

 命が終わる事に対する恐怖も薄いんだよ。

 ってか悪魔も怯えるとか、やっぱ相当だな、クトゥルフの神々は。」


「わ、私だってあんなもの達は怖いに決まっているだろう。

 別に最上位の悪魔と言うワケでも無い。しかも最上位の悪魔でも、

 ヤツらには勝てるかどうか…いや、絶対に勝てないな。

 悪魔はあくまで人間の活動と共にあった存在だ。

 そんなもの余裕で飛び越えているアイツらに敵うワケが無い。」


黒みぎゃ子の表情は、珍しく余裕を失い真顔だった。


「だけどさ、だからってこのまま怯えていてもどうしようも無いだろ。

 せめて人間として抵抗出来る事だけはしてやろうぜ。

 って、キャストのアンタは悪魔だったな。」


「ま、まぁ私も人間としてカウントしてくれて構わないぞ。

 クトゥルフの神々からすれば人間か悪魔かなんて、些事な事だ。

 アイツらはただ目の前に邪魔なものがあれば退けるだけ。

 ただ、それだけだ。」


その時、ボク達の脳内にまたあの声が聞こえて来た。


『小童どもが集まって何をしておるか。

 貴様らどうやらこの世界の異常を正してしまう存在のようだな。

 我々のエサの高いSAN値(正常度合い)の邪魔になるようならば、

 貴様らまとめて排除せねばならぬ。』


すると、空が一瞬で漆黒に変わりそこにとんでも無い大きさの

異形の神が現れた。


『小さき者達よ。やはり今ここで潰させて貰おう。』


そう言うと、異形の神は山ほどある大きさの指をボク達に向けて

まるで蟻でも潰すように指が迫って来た。


「あ、ヤバい…コレ、絶対死ぬヤツだ…」


「嘘だろ、オイ。こんな所で死ぬのかよ」


「チッ、くだらねぇ人生だったな…」


指の影がボク達を覆い、それにより何も見えなくなる。

そして今まさにすり潰されようとするボク達の目の前に、

何者かが躍り出た。


「あ、あなたは…!!」


そこに居たのは、成人向け同人誌等で有名なモブキャラの

【種付けおじさん】だった。

彼らの性欲と繁殖力、何が何でも子種を残そうとする執念は凄まじく、

【絶対孕ませるおじさん】として有名だ。


「種付けおじさん!!だけど、あなたにもコレはどうにも出来ない…」


しかし、種付けおじさんは異形の神の指に飛び付き、腰を振った。


当然、そんな事をしても種付けは出来ない。

しかし彼の異常な性欲が常に腰を振らせているのだ。

何て言うか、正直な所虫みたいだ。


この異常な存在に、異形の神は非常に心を良くした。


「何と言う凄まじいSAN値だ…。

 およそ放置国家が支配する現代の社会の中で、

 これほどまでにカオスを体現した愚かでバカらしい

 ゴミのような存在がまだ実在しているとは…。」


感心している異形の神に、ボクは言った。


「ボ、ボクだって種付けおじさんに負けじと劣らないくらい

 変態性欲が強いよ!それを簡単に潰してしまおうだなんて…。

 ボクを潰せば確実にSAN値が低下して平時に戻るけれど、

 そんなつまらない世界の中でキミ達は生きていけるの!?」


しばらく黙り込み考え込む異形の神。

やがて、一つの結論に達したようだった。


『よし、わかった。今潰す事は勘弁してやろう。

 しかしまたもし貴様らが常識的な事をしてSAN値を下げ、

 我々を退屈させるようならば…次こそその命は無いと思え。』


こうして、異形の神は自身の帰るべき場所へと帰って行った。


「ふぅ、危なかったー。」


ボク達の側には腰振り種付けおじさんだけが残された…いや、居ない?

どうやら異形の神に気に入られてお持ち帰り(take out)されたようだ。

おそらく今もアチラ側の世界でヘコヘコと腰を振り続けているのだろう。


今回の件を教訓に、ボク達はただ真面目にだけ暮らす事を改めた。


「もっとこう、エキセントリックに歯磨きが出来ないかな…」


「トイレの個室は一人2時間まで!もしそれ以上に個室に入り続ければ、

 例え血の繋がった家族であれどグレネードランチャーをブッ放す。」


こうして日々の暮らしの中にカオスを入れる事でSAN値は高いまま安定し、

ボク達はワケのわからない行動の中から、二度とあんな恐ろしい存在達が

ボク達の目の前に現れないようにと願った。


そんなひにどこか遠くの星で、種付けおじさんが腰を振る音が聞こえていた。


挿絵(By みてみん)

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