#19.性的に爛れた竜宮城へ!!
異世界存在と言うとUMAや幽霊、妖怪と言った怪物・生物にばかり
意識が行ってしまいがちだ。だけどもちろん、霧の中に子供が攫われたり
そうした『現象』や『建物』『空間』も立派な異世界存在だ。
そして今や異世界コンカフェだけでは無くボク自身が異世界存在を引き寄せ
その引力で様々なトラブルに見舞われてしまう昨今だ。
その日、ボクの元に一通の手紙が届いていた。
それは自宅マンションのリビングに置かれており、当然そんなもの
郵便受けポストから取って来た覚えなんて無い。
魚や海をあしらった封筒のデザインと切手、しかし消印は無い。
差出人には『竜宮城より』と書かれている。明らかにワケ有りだ。
だけど単なる悪戯とは思えない。だってコレだって立派な異世界存在だ。
ボクは中身を切らないように丁寧に封筒をトントンと床で軽く叩き、
カッターナイフで切り込みを入れた。
すると中から現れたのは手紙…では無く、煙玉だった。
━ボンッ━
「ごほっ、ごほっ!!
何だよ急に…またボク一人だけ、異世界に行ってしまうのか?」
気が付いて目を開けるとそこは海の底のようだった。
不思議と呼吸は出来ており、特に酸素ボンベや水中服は着ていない。
「いつも突然なんだから、本当にもう…。それで、この異世界存在は
ボクに何を求めているのかな?」
その時、ボクの目の前に大きなウミガメが現れた。おかしい。
こんなの助けた覚えは無いぞ?
しかしよく見るとソレは亀と言うよりも亀頭だった。
「え、えぇえ!?お、おチ〇ポ!?」
ボクはびっくりして腰を抜かして転けて尻もちをついてしまった。
「あ、どうも。私、貴方に救われた亀頭で御座います。」
パクパクと開く口はどう見ても尿道口だ。
いや、亀と言うよりむしろそれはミミズに見えて来た。
「あの…、ボク、キミなんて助けた覚えは無いんだけど?」
「えぇ、あなた様は覚えていらっしゃらないでしょうな。
私はある日にあなた様の異世界コンカフェを訪れた客の
おチ〇ポですじゃ。」
あ、ハッキリ言いやがったよコイツ。
この時点でボクはもう、とてもしょうもないモノを見る目をしていた。
「あの時、私の宿主様は非常にムラムラしておられた。
しかし、ヌくにヌけずにあなた様のコンカフェに辿り着いた。」
「・・・あのー、ねぇ、その話、最後まで聞かないとダメかな?」
ボクは心底アホらしくなって来ていた。
「その時!我が宿主様はあなた様のお姿を見て、先走られた。
要するに汁が垂れたので御座います。そしてそのまま店のトイレで、
致してしまった。」
うわー、あの時に掃除当番だったキャストかわいそー、と思った。
「あの日のお礼に、本日は竜宮城へとお連れさせて頂きましたじゃ。」
何でも良いんだけど、宿主様とか言って、コイツは寄生虫か何かなの?
おチ〇ポって宿主に寄生してる寄生虫みたいなモノなの?
「さぁ、乙姫様がお待ちかねですじゃ。コチラへどうぞ。」
ボクは亀頭が指し示す方向へと嫌々ながら歩いた。
だけど乙姫様には期待していた。もしかしたら亀頭を助けたお礼に
ムフフな展開が待っているかも知れない。そう考えるとボクの亀も
ムクムクと元気になって来た。
「コチラが、乙姫様ですじゃ。」
そう言って通された大広間の中心には、妙齢の女性が居た。
「え、コレが…乙姫様?」
『あら、いらっしゃい新たな浦島太郎。
私も長年の時間の経過の中で衰えてしまいました。
それでも新たな浦島は私の事を抱いてくれますか?』
正直、かなり悩んだ。あと2年若ければ余裕で抱いていた。
だけど今やもう、かなりギリギリ限界だった。
「あの、乙姫様失礼ですがその、ボク勃つかどうか…」
しかし乙姫様は天然全開で応えた。
「あら、女の子のように綺麗なお顔をしているわね。
男性ホルモンが少ないのなら確かに勃つかどうか怪しいわね。
大丈夫よ、乙姫そんな事じゃめげないから。」
あ、ヤバい。この人良い年して自分の事を名前で呼んじゃうタイプだ。
ボクはそれに気付き、すぐに警戒した。この手の人はいきなり襲い掛かり
既成事実を作っちゃうタイプかも知れない。
「それにしても浦島、あなた可愛らしいわね…。あぁ早く食べちゃいたい。
ねぇ、その包帯、ほどかせて?」
しかしボクは一切気分が盛り上がらずに、その場から走って逃げ出した。
「あっ!逃げた…。
よし、そっちがその気なら…皆の者、追えぃ!!」
乙姫の合図でそこら中から様々な形のバイブ達がワラワラと集まった。
そして自らスイッチオンしてブルブルと震えながらこちらに向かって来た。
「 ブルブルブルブル….。快感責めしてやる!!」
もう何て言うか、こんなの竜宮城じゃない。
ボクは全速力で城から逃げ出した。
しかしそこに、あの元の昔話の浦島太郎の話の中で亀をイジめていた
3人の悪ガキたちが居た。
・・・と思ったら、それはエリ様とポンぬちゃん、それに女上司だった。
「さぁ、亀頭をイジめるわよ」
そう言うとボクの股間に手を伸ばして来た。
「えぇえ!?いや、亀をイジめるってそういう!?
や、やめてよ!ボクの亀は関係ないでしょ!?
って言うか、何で上司までいるの~!?」
その時、ボクの目の前に先ほどのウミガメ、いや亀頭が立ちふさがる。
「この方には一歩も手を触れさせません!
イジめるなら私をイジめなさい!!
ほらもう先走り汁が溢れて…」
ボクは亀頭野郎を思い切り殴りつけた。
どこまで下ネタ全開のままで行くんだ、コイツは。
そこへ乙姫様がやって来て悲しそうに言った。
「あぁ、新しき浦島太郎。
やはりその3人のような今時の女子達の方が
あなたは好みだと言うのですね…」
「え、いや、あの、乙姫様何か勘違いしてないですか?
一匹は千年を超える大妖怪ですし、一匹は悪魔です。
あと人間の女上司ももう35超えてます。
決して誰一人としてフレッシュな子はいませんよ?」
しかしそれを聞いて3人は怒り心頭になった。
「ほぅ、お主…妾にケンカを売っておるのだな?」
「おいおい、それは悪手だぜ、みぎゃー。
もしかしたら私は若い悪魔かも知れないんだぞ?」
「おい、みぎゃー。人手が足りないんだ。
もう一回入社しろ。色んな意味でシゴいてやるぞ。」
迫りくる3人。ボクは亀頭野郎を殴り飛ばした事を後悔した。
盾が無くなったからだ。さて、どうするか…。
その時、乙姫様がボクの前に躍り出た。
「そなた達、この新しき浦島太郎をイジめてはならぬ。
どれ、鯛やヒラメの舞い踊り、とまでは行かぬが、
チンアナゴやアワビのイキ狂い踊りを見せてしんぜようかの?」
いやいやいやいや、絶対にチョイスがおかしいから!
何かもう3人も乙姫様も全部総じてボクの敵じゃん。
そんな時、広間の奥の方から男の声が聞こえた。
「お前ら、そんなに客人をイジめるな。おい、こちらへ来い、客人。
共に酒を飲み交そうぞ。」
呼ばれて行ってみるとそこにはある一人の老人が居た。
ボクは直感で感じた。「浦島….太郎だ。」
浦島太郎はボクに座るように促した。
そしてボクにお猪口を持たせて酒を注いで来た。
「ほれ、飲め!それにしてもべっぴんな男じゃのぅ。
おなご達がイジめたくなる気持ちもわかるわい。」
何故、浦島太郎がココに!?
彼は地上に上がり時間の経過に絶望したのでは!?
「ほぅ、不思議そうな顔をしておるのぅ。
確かに、物語の中ではワシは歳を取り絶望した。
しかしその後、自分の居場所はココしか無いと、
再び海に潜ったのじゃ。」
なるほど…。確かに自分をもてなしてくれた場所だ。
戻りたくなる気持ちがわからなくも無い。
「それからは毎晩のように乙姫とヤりまくった。
しかし不思議と子供は生まれなかった。
ワシがもう歳で種無しになっていたんじゃな…。」
悲しい男の性、とでも言うのだろうか。
そして浦島はボクにとんでも無い事を頼んで来た。
「新たな浦島太郎よ、頼む。
もう随分と歳も取り老け込んではおるが、
まだギリギリ乙姫はイケるじゃろう?
ワシの代わりに乙姫に子種を仕込んで欲しいのじゃ。
もちろん地上世界に迷惑はかけぬ。
あくまでこの深い海の底での時期王位継承者を
産ませてやって欲しいのじゃ。」
「は、ハアァァァァァァァーーーーー!!!???」
ボクはとんでもなく驚き声を荒げてしまった。
いやいやいやいや、何だそのワケわからない話は。
乙姫様も既に着物を半分脱ぎかけ「お願いします」と言う。
更には悪い事に、3人の女性達も囃し立てて来る。
「ほぅ、コレは見ものじゃのぅ。みぎゃー、小作りせよ。」
「おいおい、見られた方が興奮するとかさすがは変態だなぁ?」
「そんなババァと小作り出来るなら私ともしなさい!!」
口々に好き勝手放題だ。
いやいやいやいや、こんな人前で出来るワケが無い。
と言うより、そもそも乙姫様とするワケが無い。
「あの、ごめんなさい。丁重にお断りします。」
しかし浦島は恒例の為か耳が遠かった。
「ん、何?男割りします、だぁ?
それは、この酒の中にワシの子種が無くなった精液を混ぜて
文字通り『男(汁)割り』の酒を作れと言う事か?」
とんでも無い聞き間違いだ。ボクは頭がクラクラして来た。
そしてこれは夢だと信じ込み、とにかく夢が覚めるように願った。
「夢よ覚めろ、覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ覚めろ…」
すると突然、パァン!と世界が弾けた。
次の瞬間ボクは、部屋の中で目を覚ましたのだった。
「何だ、やっぱり夢か…。」
ボクは汗びっしょりだった。滅茶苦茶汗臭い。
ボクは洗濯機の中にピンク色のネグリジェを放り込み、
そのまま冷蔵庫に飲み物を取りに向かった。
リビングの机の上には何故か買った覚えのない沖縄土産の
『ちんすこう』が置かれていた。
そしてパッケージには何故か、首の長い亀の頭が描かれていた。




