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みぎゃ☆みぎゃ異世界コンカフェへようこそ!  作者: みぎゃー


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#15.黒みぎゃ子と口裂け女のロマンス

引き続き、みぎゃーのクローンの黒みぎゃ子だよ。


幽霊も妖怪も宇宙人もアンドロイドも悪魔も。

ハッキリ言って、あらゆる異世界存在達からすれば人間が一番

異世界的な存在であると感じている。


彼らは自分達の常識に当てはめた時に異世界存在達が

理解不能なものだと感じているようだ。

その為に恐れて見たりもするけれど、そんなもの異世界存在からすれば

自分達のルールに則りやっている事だから人間達からとやかく

言われたくないのが本音だ。


そんな風にしてあれこれと異世界存在に対してコンタクトしようとしたり

書物に書き記してみたり会った事があると嘯いてみたり。

彼ら人間の習性は本当に理解不能な部分が多く、あらゆる異世界存在達は

人間から距離を取りたい、もしくは単なる食料や素材として

利用出来る部分だけ利用して深入りはしたくない、と言うのが実の所、

あらゆる異世界存在の総意なのである。


だけどボクはみぎゃーのクローンとして彼の本音に触れた。

そこでボクの中にもある彼の部分が反応して、もっと知りたいと思った。

だからボクはまず、人通りの多い交差点で裸になってみる事にした。


~都会の交差点~


ここは凄く埃っぽい所だ。だけど歩いている人の誰もが

その事にすらもう気付いていない。慣れているのだろう。

本当に人間とは不思議なものだ。こんな環境にも適応する。

きっと昔の妖怪などからすればこんな環境では生きられない。

しかし人間達は妖怪が居なくなってしまった原因を

文明化により妖怪の介在する余地が無くなったからだと思っている。

とんだ勘違いだ。彼らはこの汚い空気が支配する現代社会で

彼らの清浄を要する清き魂には不釣り合いなこの環境の中で

既に生きられなくなってしまっただけなのだ。


そんな事を考えながらボクは交差点のド真ん中でおもむろに

服を脱いでみた。季節は秋。少し肌寒い。


「おい、何やってるんだ!?」


「キャ、女の人かと思ったら男の人!?」


「いや、チ〇ポ付いてるけど、ま〇こもあるっぽいぞ」


「そんなんどうでも良いから、誰か通報しろ!!」


やけに周囲の外野が騒がしい。

そうしていると警備員がやって来た。あ、コレややこしいヤツだ。


ボクは追い付かれないように走って逃げた。

都合の良い事に歩いている人達はボクを避けてくれた。

路地裏にサッと隠れてやり過ごし、再び体に包帯を巻いた。


恥ずかしい、と言う感情自体は理解は出来るのだけど、

その恥ずかしいを実践してみた所、何だか難しいな。

そもそも人間は温泉とかでも裸になるだろう。

場所が違い、異性がいると言うだけで何が変わるのだろう。

そもそも動物や様々な異世界存在達は裸が基本だ。

もちろん人間達が創作した悪魔の姿は服を着ている。

だが、本来的にはそれらも裸が基本なのだ。


「全然、恥ずかしいって気持ち良くないな…。」


ボクは途方に暮れた。

恥ずかしい事をすればアイツの気持ちが理解出来ると思ったけど、

何もわからなかった。ただ少し混乱を生んだだけだ。

何をすればアイツがあんなにこだわっている『恥ずかしい』が楽しめる?


そこでボクは次に街中で突然猫の発情期の真似事をしてみた。

鳴き声も完璧に真似て、声だけ聴けば猫がいるのかと勘違いするだろう。


「みゃ~ごぉ~、ごろごろごろ…」


ポーズまで取って猫になり切る。

そんなボクの姿を見た人々は少し遠巻きにコチラを見ながら、

頬を赤らめて赤面している。お、良いぞコレは。


ボクはちょっと恥ずかしくなった。

人通りの多い街の中で突然やるにはそぐわない行為。

しかも単に頭が狂っているように見えるワケでは無い。

明らかに恥ずかしい事だとわかりながら猫の発情の真似をする。

その姿を見て周りの人々は驚きつつも少し興奮している。


「お、おい、アレ…男、なのか?

 だけど男にしては妙にセクシーだな、正直声興奮する」


「キャ、何アレ…。だけどちょっと可愛い…」


「猫の発情の真似をするたぁ、おじさんに犯されたいのか?

 男か女かわかんねぇヤツだけど何か可愛いな。

 よし、ナンパしてみるか!」


何だか直接的に危害を加えられそうな予感がしてボクは

すぐにその場を後にして自宅へと帰った。


アイツ(みぎゃー)が恥ずかしい思いをする事が楽しい理由、

何となく少しだけだけどわかった気がする。

当たり前みたいな顔をして歩いている常識人ぶった人間の中で

強烈な自我を出す事によって自分と言う存在を確認する。

その時の異質であると言う排除されるかも知れないリスク、

そして刺激や興奮。ボクにも少しだけ理解出来た気がする。


━ピンポーン━


突然、部屋のチャイムが鳴った。

ボクは普段誰も来ない自宅への突然の訪問に驚いた。


「一体、誰だ?」


出てみると、キャストの口裂け女だった。


「あ、裂け美です…。あの、黒みぎゃ子さん、

 先日は雇って頂きありがとうございました。

 本当に私、本店の方では約束を反故にされてしまい、

 もう一般の仕事をしようかと思っていたんです。

 そんな時にお声を掛けて頂いて…とても嬉しかった。

 あの、もしご迷惑で無ければ…お礼をさせて頂けませんか?」


お礼?何かモノでもくれるのだろうか。


「その、黒みぎゃ子さんの股間のソレ、舐めましょうか?

 あら、私ったらはしたないわ(汗)

 だけど、すぐ側で半裸みたいな包帯を巻いただけの格好で

 黒みぎゃ子さんの汗の匂いを嗅いでいたらその、

 我慢出来なくなって…、私正直その、帰ってから一人でその、

 致してしまいまして….。」


この口裂け女の独白にはさすがに興奮した。

そもそもあの時、ボクの匂いを嗅がれていただなんて…。

油断していた、と言うか自覚が無かった。

それだけにあの時、どれだけ臭かったか、と思うと

物凄く恥ずかしくなった。


「あ、ごめん…。臭かった?オス臭いみたいな…、ごめん。

 仕事中にそんなの嗅いだら集中出来なかったよね?」


「あ、いえ、違うんです。何て言うかその、

 可愛らしいのに男らしい匂いがするのが背徳的で、

 凄く興奮してしまいまして…。

 お礼と言いながら実際の所、私の疼きを止めたくて

 自分の為に我慢出来ずに来ちゃった面が大きいです。」


ボクは言葉を失った。

みぎゃーのクローンとして造られた存在としてのボク。

だけどそんなボクの事を名指しで必要としてくれる。

正直ボクはアンドロギュヌス(両性具有)だから、

男女どちらでもいける。だけど今この目の前の口裂け女は

とても愛らしくボクの目に映っていた。


「ボクなんかで良いの?みぎゃーのクローン、

 オリジナル存在じゃないんだよ?

 それなのに、ボクが欲しいって事?」


「当然です。オリジナルのみぎゃーさんはちょっと、

 その失礼ですけど変態過ぎると言うかマゾっ気が強いと言うか。

 黒みぎゃ子さんはそこから男らしさを増していたり、

 常識に寄せられていたり少し身長が高かったり…、

 何よりもご自身を模索中である事が良いですわ。

 私も出来れば貴方の自分探しに御一緒させて下さい。」


この日、ボクは口裂け女と激しい交情をまぐわった。

ずっと怪異として自身の性的欲求を解消出来ていなかった彼女は

非常に情熱的に何度もボクを求めた。

そのあまりの積極性にボクは途中から犯されるが如く、

甲高い声で恥ずかしく情けなく喘いでいた。

だけどそんなボクでさえも愛おしそうに抱きしめてくれた。


「あの…、めちゃくちゃ貪ってしまい、申し訳ありません。

 積年の性的欲求を全てぶつけてしまいました…。」


「いや、とても良かったよ。ただ、本当に凄いね。

 身体中裂け美さんの唇の跡が残っていて、

 コレ次に出勤した時に上手く隠せないよね…。

 だけど包帯ミイラは何となく外したくないし…。

 まぁ良いや、コケて怪我した事にしよっか。」


こうしてボクは口裂け女の裂け美との間に秘密を作った。

次の出勤の時、サキュバスのリリスは何かに気付いていた。

ゾンビのぞん子はボーっとしていて、怪我した事を信じていた。


お客様達の中には勘の鋭い人もいたが、単純に怪我を信じて

「気を付けて下さいね」と声を掛けてくれる人もいた。


みぎゃーから造られたクローン存在としてのボク、黒みぎゃ子。

オリジナルのみぎゃーの事はまだ研究対象ではあるけど、

ボク自身も幸せになっても良いのかも知れない。


アイツはアイツで、ボクはボクで。

それぞれに店を持っているのだから、それぞれの道がある。

そして違った幸せの上にゴールがあるのなら、

二人はパラレル存在みたいなものなのかも知れない。


ボクはこの日の勤務が終わった後にも、

また再び裂け美と激しく求め合ったのだった。


挿絵(By みてみん)

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