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第四十五話 実力不相応の報い
街角の噂を聞きつけたスターシャは、手にしていた小物を弄びながら、面白がるようにナタルに話しかけた。
「ねえナタル、聞いた? 街で『自分たちがあなたが倒した、1体目のエンシェントドラゴンを倒した』って吹聴して回ってる新興パーティーがいるらしいわよ」
彼女は可憐な唇に楽しげな笑みを浮かべ、ナタルの反応を伺う。
「彼ら、手柄を捏造して一気に冒険者ランクを上げようと躍起になっているみたい。あなたの実績を横取りされて黙っているの? 私がサクッと化けの皮を剥がしてあげてもいいのよ?」
だが、ナタルは表情ひとつ変えず、冷ややかな声で短く返した。
「……ほっとけ」
「あら、意外ね。身ぐるみを剥ぎ取るかと思ってたのに」
スターシャが少し意外そうに首をかしげると、ナタルは冷酷な笑みを口元に浮かべた。
「身の程知らずに『エンシェントドラゴンを討伐した英雄』などと名乗ればどうなるか、頭の回る奴なら分かるはずだ。近いうちに、身の丈に合わない国家規模の危険な依頼や、実力級のドラゴン討伐の指名依頼が奴らの元へ舞い込む」
ナタルは黒い手袋を締め直しながら、路地裏の闇へと目線を向けた。
「自分たちがついた嘘の重さに押し潰され、本物の化け物の前で絶望しながら惨死するさ。わざわざ俺の手を汚すまでもない」




