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Ultimate pack-mule ただひたすらに強さを求めて  作者: 煉獄
第二章 秩序との戦い
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第四十話 新たなる覚醒

「ガ……ハッ……!!」

事象そのものを消滅させる漆黒のブレスが弾け飛ぶ。

『嵐龍』から喰らった絶対空間切断の防壁は跡形もなく消し飛ばされ、ナタルは背後の巨大な岩壁へと激しく打ちつけられた。胸の骨が軋み、激痛が走る。

【警告:接触対象の概念容量が過大です】

【『概念吸収(システム・オーバーライド)』による外部データの自動コピー&ペースト処理は不可能】

「ハッ……ハハハッ!!」

血を吐きながら、ナタルは喉の奥から凶暴な笑いを漏らした。

外部から『奪って増やす』——そのコピー処理がパンクしたというだけの話だ。

「勘違いするなよ、巨大なトカゲめ……。俺の強さは、他人のコードを模倣(コピー)するだけの出来損ないじゃない……ッ!」

ナタルはゆっくりと立ち上がり、体内の奥底……『器』に蓄積された無数の概念データへと意識を沈めた。

1体目の『空間歪曲』、2体目『嵐龍』の『絶対空間切断』、異形どもの『局所消滅』と『空間滑走』、そしてこれまでに喰らい尽くしてきたあらゆる魔術と物理の概念コード。

通常レベルは「レベル1」で完全固定。

だが——ナタル自身の「魔法レベル」だけは、歴史上の限界である「魔法レベル150」を遥かに突き破り、未知の領域へと上昇し続けている!

「吸収して呑み込めないなら……俺の体内で**『新たな理』を自作(プログラミング)**すればいいだけだ!!」

ナタルの中で、極限まで高まった魔法レベルのエネルギーが爆発した。

『空間切断』の鋭利さ、『局所消滅』の削取り、そして自らの過剰な魔法レベルの波動を融合・昇華させ、世界の設計思想に存在しない新たなオリジナル呪文をゼロから構築していく!

【ナタル固有の『魔法レベル』の上昇を確認:魔法レベル300へ到達】

【未知のオリジナル概念呪文の創出に成功しました】

「喰らい尽くせ……魔法レベル300・創生崩壊概念『事象穿孔・虚無喰い(コード・バスター)』……ッ!!」

右手を前に掲げた瞬間、ナタルの手元から「光」も「闇」も存在しない、透明な『歪み』の概念波が放たれた。

『ヴォイド・ドラゴン』が展開する『絶対拒絶空間』と『存在消滅領域』。

触れたものを消し去るはずの巨龍の消滅波紋が、ナタルの放った未知の魔法と激突した瞬間——「消滅」の現象そのものが喰い千切られ、霧散した。

相手の能力を奪うのではなく、相手が展開する『消滅』というルールそのものを、ナタルが新たに定義した『事象穿孔』の概念で強制上書き(ハッキング)したのだ!

「グ、ガ……!?!?!?」

拒絶空間を突破され、初めてその絶対の双眸に「狼狽」の色を浮かべる『ヴォイド・ドラゴン』。

「見たか……。これが、世界の理を書き換える『創出』の力だ」

概念の壁を力づくで粉砕したナタルは、無防備となった漆黒の巨龍の懐へと一気に跳躍した。


「喰らい尽くせ……ッ! 『事象穿孔・虚無喰い(コード・バスター)』!!」

魔法レベル300の領域へ到達し、ナタルが新たに創出したオリジナル概念魔法が爆発する。

『ヴォイド・ドラゴン』が誇る「絶対拒絶空間」と「存在消滅領域」の理そのものが、事象の穿孔によって強引に喰い千切られ、霧散していく。

絶対の防衛壁を破られた巨龍の単眼に、初めて明確な「狼狽」の光が宿る。

すかさず無防備となった喉元へと躍り出たナタルは、右手に集中させた『事象穿孔』のエネルギーを、そのまま巨龍の漆黒の結晶鱗へ深々と突き立てた!

ズドォォォォォォォォンッ!!!!

「グ、オォォォォォォォォオオオオン……ッ!?」

消滅領域という強固なセキュリティプログラムがナタルの新魔法によって破壊・解放されたことで、先ほどまで処理パンクを起こしていた『器』のアクセス制限が完全に解除される!

【対象の概念防衛コードの破損を確認】

【『概念吸収(システム・オーバーライド)』が再起動・発動しました】

【3体目のセキュリティコア『深淵巨龍・ヴォイド・ドラゴン』の概念データを複製・統合開始】

『空間虚無』『絶対重力歪曲』『存在消滅領域』の完全吸収——完了。

脳内に響き渡る絶え間ない覚醒通知(ログ)。

巨龍の体内から溢れ出す莫大で高次元な『消滅』と『虚無』のコードが、ナタルの体内へ怒涛の濁流となって流れ込んでいく。

身体中の全細胞が凄まじい熱量で鳴動し、ナタルの『器』はかつてない次元へと拡張・完全統合されていく。

「ガ……アアアアアッ!!」

星々の光すら呑み込んでいた『ヴォイド・ドラゴン』の超巨躯が、足元から黒い砂となってサラサラと崩れ去り、ナタルの右腕へと吸い込まれて消滅していく。

やがて——広大な最深部に、完全なる静寂が戻った。

「はぁ……はぁ……。やったのね、ナタル……! あの『ヴォイド・ドラゴン』を、本当に……!」

スターシャが息を呑みながら駆け寄ってくる。

ナタルは静かに立ち上がり、黒い手袋を締め直した。

『1体目』の歪曲、『2体目』の切断、そして『3体目』の虚無と絶対重力。

これらが体内で融合したことで、残り9体のエンシェントドラゴンを連続討伐するための**『瞬間移動』と『長距離概念侵食』の基盤が、完全に完成した**。

【ナタルのステータス:Lv.1】

【魔法レベル:300オーバー(進化中)】

「ふん……3体目完了だ。行くぞ、スターシャ。極東を抜け、次のノードへ向かう」

レベル1の男による世界強奪の旅は、いよいよ加速していく。


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