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「はい、これで平気!もうこんなところで走り回っちゃダメだよ?」
紳士のような振る舞いのメカヘッドは、今日も街を出歩いている。現在、転んで怪我をしてしまい泣いていた少年に手当をしていたところだった。手を優しく握り、慰めてやっているのだ。
「ドゥオさん……ありがとうございます、うちの子すぐ転ぶもんで……」
「お安い御用、元気な証拠で良いと思いますよ。」
真っ黒な燕尾服を手で直して、お辞儀をする。
「元気でね、坊や!」
少年も元気よく手を振り返してくれた。
「ほんと今日、転ぶ人多いなぁ……?」
サイクリング中に畦道の泥濘でスリップした人、階段を踏み外した人、酔って線路に落ちかけた人、それ含め今日で20人は助けた。流石にここまでくると瓦落多の仕業だと思えてきた。
「警戒しとくか……でも、割と大規模な奴っぽいし、ボク1人じゃ絶対無理ね〜」
悲しくも、自分は戦隊の中でも最弱だと自認していた、唯一勝てるのは頭脳くらいだ。そのため、彼は街の困ってる人を助け、異常などがないか偵察する役割を自ら担っていた。
「……やっぱ都会歩いてると、注目集まるな……。そりゃそうか、日本の戦隊は5人。ああ、そう、ボクはみんなの言うヒーローなんかじゃない。ただの見回り役。」
弱さ故に、自分に自信がなかなか持てず、自分を戦隊として認識できなかった。毎日劣等感が募るばかりで、すごいすごいと騒ぎ立てる通行人には嫌気が刺してくる。なぜボクなのか、ボクにどんな価値があるのか、そういう思考が頭を支配してしまうから。いつも紳士のように取り繕うよう努力はしているが、内心、ずっと自信が持てなかった。ビルのデジタルサイネージに新作映画の予告が流れている。
「外国のヒーローとか見てみたいな〜、カッコいいよね?」
「映画のキャラを現実に、本物を作れちゃう時代が来るなんて思わなかった。」
「パンデミックで成長する技術ってやつ。」
「ねぇ!あそこにいるの、ドゥオって子じゃない!?」
「話しかけてみない!?」
わーわー、凄い凄い。
「……早く田舎に戻ろう。」




