第108話 旅立ちの朝 〜中編〜
【登場人物紹介】
伊賀の鎌足━━━━
江戸城の公儀御庭番伊賀組の小頭の女忍。伊賀流鎖鎌の使い手。七十年前に鬼を滅した伝説の半刃『鬼切丸』を持つ。鬼が現れた京都へ援軍として向かうが、滅亡したはずの風魔一族の江戸侵攻の報に、一時御所を離れる事を決断する。鬼切丸の残りの半刃を手に入れて伊賀の力となるべく、持主の役小角が隠遁する出羽へ旅立つ。
━━━━⋯⋯枕草子、冒頭の一節。
『春はあけぼの。やうやう白くなりゆく山ぎはすこしあかりて、むらさきだちたる━━⋯⋯』
⋯⋯そんな宮中の高名な随筆の情景をそのまま絵にしたような暁の空は今、近江国の鎌足たち同様に、この京の都にも新たな一日の始まりを告げていた。
鎌足の去った御所には、まだ朝靄の漂う早い刻限から珍しく、帝の後継者⋯⋯皇子である櫻の姿があった。
一人で縁側に座り、脚を前後にぶらぶらさせながら、ぼんやりと空を眺めている。
櫻は旅立った鎌足の事を思い出していた。
⋯⋯あの約束の日。
それは鎌足の謹慎明けの初日。
喜び勇んで駆け付けた午後の御所だったが、其処には既に鎌足の姿は無かった。
互いに堅く約束していた、十日ぶりの再会。
しかし鎌足は伊賀や江戸の危機の報を受け、当日昼過ぎには京都を急ぎ旅立たざるを得なくなってしまった。
そのため残念ながら会う約束は叶わなかった。
それでも鎌足はふらりと今日にもまた、御所に舞い戻って来るのではないか。
⋯⋯“やっぱり戻ってきちゃったよ”
そんな照れ笑いと共に、曲がり角の向こうからひょっこりと顔を出すのではないか。
鎌足を思い出すたびに、櫻はそんな淡い期待でいっぱいだった。
(⋯⋯ちぇっ。約束したのにな。⋯⋯鎌足姉ちゃん)
櫻が口を尖らせた、その時⋯⋯。
⋯⋯櫻に不意に声をかける者があった。
「⋯⋯あそぼ、まりつき、⋯⋯まり、もってる」
それはたった一度だけ、見知った顔。
同い年程に見える、可愛らしい少女。
⋯⋯天音だった。
何一つ足音も気配も無く、白靄の中から突然に現れたようにすら見えた天音は、櫻からほんの数歩離れた場所でにこにことあどけない笑顔を見せている。
そしてその両の掌には、そのたった一度の出会いの機会に櫻から貰った、あの鞠を大事そうに抱えていた。
「⋯⋯ひっ」
櫻は驚いて立ち上がると、怯えた表情で後退りする。
「わ⋯⋯、⋯⋯い、嫌だよ、君とは一緒には遊ばない」
この時、櫻の中に蘇っていた”暗い影“。
それはあの初めて天音と会った時の記憶だった。
占いとは名ばかりの得体の知れない、呪法。
今の可愛い声とはまるで違う、大人びた声。
そして不幸な死を想像させる、狂気の言葉。
櫻の身体は再び、あの時の背筋が凍り付くような恐怖に包まれていた。
「なんで? ⋯⋯あそぼ。まり、ふたり、たのしい」
櫻のよそよそしい態度の理由に、天音はまるで気付いてはいない。
首を傾げながら櫻に近寄ると、手にした鞠を櫻の目の前にそっと差し出した。
「⋯⋯っ、その鞠ッ⋯⋯、⋯⋯っ、遊ばないったら!」
櫻は思わず天音の手を払い退けていた。
差し出された鞠が、櫻の腕に弾かれて宙を舞う。
「⋯⋯あ、まり、⋯⋯ころころ」
鞠は庭を点々と転がっていく。
遠ざかっていく鞠を見ながら、天音は少しだけ寂しそうな表情を浮かべた。
櫻が見せたのは、明らかな拒絶。
しかしそれでもまだ一緒に遊ぶのを諦めきれない。
天音は櫻に笑顔で話しかけ続けた。
「⋯⋯まり、いや、なら、うらない、うらないあそび」
「⋯⋯遊ばない! 占いなんてしないよ!」
櫻を真っ直ぐ純粋にじっと見つめ続ける天音に対し、櫻の反応はまるで対象的だった。
天音の方など見向きもしない。
その甘える言葉もあどけない笑顔も、何もかもを無視して御所の中へ。
櫻は足早に逃げるようにして、庭から立ち去ってしまった。
その場には天音だけが一人、ぽつんと取り残される形となった。
天音が握り拳を作る。
そして口を堅く真一文字に結びながら、涙目で俯き、悔しそうに呟いた。
「⋯⋯さく、うらない、だめ、⋯⋯おなじ、ととさま、かかさま、と⋯⋯」
⋯⋯その時。
少しだけ顔を上げた天音の濡れた瞳に映ったのは、朝の宮中廊下で優雅に揺れる二つの烏帽子。
それは陰陽寮を束ねる、二人の公家。
⋯⋯鷹乃宮中納言霧人と、春日目少納言樟羽だった。
「⋯⋯あ、ちゅうちゅうなごんさま。あと、くずはー」
「⋯⋯どうした? 天音」
霧人は優しく微笑む。
そして穏やかな声で、天音に言葉をかけた。
その言葉は効果てきめんだった。
まるで萎んだ花が今再び開き、花を咲かせるように、天音の顔にぱあっと笑顔が戻る。
「⋯⋯さく、まり、だめ。うらない、いや。ざんねん」
「⋯⋯そうか。飯事を断られたのだな。櫻皇子はきっと機嫌が悪かったのであろう。気にしなくてもよい。⋯⋯さあ、嫌な事は今は忘れ、控の間に戻るが良い」
「⋯⋯わかった、おへや、まり、ひとり、あそぶ」
天音は転がっていた鞠を拾い上げ、ぱっぱっと土埃を手で払い落とすと、一人すたすたと廊下を歩いていく。
そんな天音を見つめながら、樟羽がそっと霧人に耳打ちするように呟く。
「⋯⋯天音の方はまだ時間がかかりそうですね」
「⋯⋯ああ、そうだな。⋯⋯だが、決して交わらぬように見える二人とは言えども、所詮は子供と子供。⋯⋯今はその時間の流れに任せておけば良い」
二人は何かを確かめ合うように微笑むと、再び長い廊下を歩き出した。
宮中では綾麿と並び、高い位階や役職と共に飛び抜けた優雅さと美しさを誇る二人。
廊下をすれ違う公家や官吏たちは皆、感嘆と賞賛の溜め息を漏らしている。
すれ違う女官の中には、近くに寄れた感激で涙目になっている者すら居るくらいだった。
そんな者たちを横目に妖艶な笑みを浮かべながら、樟羽は隣を歩く霧人にそっと話かけた。
「⋯⋯霧人様。鎌足の出羽行きの件、計画通りに綾麿の知る所と致しました」
「⋯⋯御苦労であった。⋯⋯その後の動きは?」
「更に霧人様の読み通り。即座に追っ手を差し向けた模様。⋯⋯うふふ。玄武と朱雀は既に京都を離れました」
「⋯⋯やはりな。子飼いの二人、出羽に差し向けたか。我ら陰陽衆の掌の上で弄ばれているとも知らず⋯⋯。知の足りぬ愚かな奴等だ」
「⋯⋯そして霧人様。既に宮中の警備兵の六分以上は、我々陰陽衆の息のかかる者たちと相成りました」
「⋯⋯そうか。その調子で綾麿の勢力は全て削げ」
「⋯⋯はい。⋯⋯とすれば後の懸念は『六歌戦』御影燈十郎。あやつの差配する鬼狩隊。新たな御帝親衛隊の選抜に、隊士から十数名が加わるとの噂ですが⋯⋯、もしそうなれば多少なりとも厄介かと」
「案ずるな。それは既に手を打ってある。何の問題も抜かりも無い。⋯⋯それよりも、だ。例の御所の空の結界はどうなっている?」
「⋯⋯陰陽司の五色と陰陽衆たちが密かに創生を進めし結界、そちらも着々と。蒼鬼にも紅鬼にも、勿論、綾麿子飼いの青龍にも、誰にも気取られぬ事無く⋯⋯」
「⋯⋯よし、そのまま秘密裏に創生を続けろ。⋯⋯もし御所内に気取る者が出れば⋯⋯、━━━━殺せ」
「⋯⋯それはもう。見た者、知る者には死を。五色たちをはじめ、全員に重々伝えております。⋯⋯うふふふ」
陽の光すらも嘲笑うように、樟羽の妖しい笑みに闇色が加わる。
そして霧人もまたそんな樟羽以上に妖しく黒く、微笑みを返した。
━━━━御所の統制警備を徐々に掌握し、何かの企みを進めている、陰陽寮の頭であり、陰陽衆を束ねる『六歌戦』、鷹乃宮中納言霧人━━━━。
━━━━そして。
この妖しくも美しい陰陽師二強の前方。
その長い廊下の先から今、二人の方へ近づいてくる、白鞘を差した一人の少年の影があった。
「⋯⋯おや? 霧人様。南番の夜勤明けの少将が、相変わらず死相を浮かべながら此方に歩いてきますよ?」
「⋯⋯実の親まで斬ったと云う、綾麿子飼いの粗暴な駄犬。樋ノ口少将麒麟か。⋯⋯ふっ、目の穢れだな」
立ち止まり、麒麟の悪態を囁き合う霧人と樟羽。
そんな姿は当然に歩む麒麟の目にも入ることになる。
「⋯⋯っ!(⋯⋯陰陽師の奴等だ!)」
麒麟の位階と役職は、従四位下少将。
樟羽は従四位上中納言。
更に霧人はその遥か上を行く、従三位中納言。
しかも『六歌戦』と言う名誉職も担っている。
身分の差は明白だった。
いつもの麒麟ならば、目上に媚びへつらう事も大して気にはならなかったかもしれない。
しかし御所の警備にあれこれと口を出し始めた陰陽師たちを、麒麟は心から煩わしく思っていた。
そして上手く時勢に乗り、自分を飛び越えて出世を果たしていく者の存在が、何よりも気に食わなかった。
そんな疎ましい陰陽師たちを束ね、尚且つ宮中の皆からの羨望の眼差しを浴びている二人との、不意の遭遇。
麒麟の心がすぐさまに、霧人と樟羽を拒絶、礼を否定していた。
しかしいくら無視を貫きたくても、この状況下では流石に背を向けて廊下を引き返す事はままならない。
嫌々でも宮中の通例に従い、道を開ける他は無い。
麒麟はすれ違う際、立ち止まり道を譲り、そして黙ってぎこちなく頭を下げた。
「⋯⋯⋯⋯どうも」
霧人はそんな麒麟を一瞥すると、樟羽と共に薄ら笑みを浮かべながら、横を通り過ぎていく。
「⋯⋯これはこれは。ごきげんよう。少将殿。下々の務め、夜通しの警備、御苦労であったな」
それはすれ違いざまの、霧人からの一言。
その言葉、声色は明らかに人を見下したものだった。
頭を下げたままの麒麟の肩が、一瞬だけぴくりと小さく動いた。
「⋯⋯⋯⋯」
鼓動が速くなる。
白鞘を持つ掌が、怒りで小刻みに震える。
「⋯⋯ふふふふふふ、⋯⋯はははははは」
「⋯⋯うふふふふふ、⋯⋯ほほほほほほ」
高らかな嘲笑いと共に二つの足音が遠ざかっていく。
頭を下げたままの麒麟は、苦々しく唇を噛み締め、ひたすらに刃を向けたい気持ちを堪えていた。
元々持ち合わせていない堪忍袋。
それでも何とか急場で、無理やりにでも心の中で我慢の袋を拵え、袋を限界まで目一杯に広げながら、湧き上がる怒りをやり過ごしていた。
足音と笑い声が、刀の間合いから離れた⋯⋯。
⋯⋯堪え切った。
その事実を確信した麒麟は、大きく息を吐き出すと、堪忍袋の緒を緩めながらゆっくりと頭を上げていった。
そして廊下の先、角を曲がる直前の二人の後ろ姿を睨み付けた。
真剣のように鋭く、また獣のようにぎらついた瞳。
その眼には映るのは憎悪。
そして燃え滾る底知れない野心。
麒麟が床に唾までも吐き捨てる。
「⋯⋯ちっ、何が『六歌戦』だ、中納言だ。御所の表舞台、栄華という緩流の川に溺れる雑魚どもめ!」
霧人と樟羽の背が視界から消えた、その直後だった。
感情の赴くまま麒麟は白鞘の模造の刃を抜いていた。
そして手首の撓りと共に、怒りに任せて薙ぎ払う。
その鋭い閃光の煌めきは、模造の刃が生んだ虚飾の光にはまるで見えない。
常人の振るう“真剣”での煌めきなどは遥かに凌駕している。
そんな凄みに満ちていた。
突然の抜刀に混乱する公家たちの叫び声が響く中、麒麟の目の前の太柱は、深々と抉られるようにして粉々に砕け、そしてまるで花弁のように、木屑となって朝の風の中に散っていく。
この時の麒麟の目は、来たるべき輝かしい未来の自分を、朝陽の光の中に映していた。
(⋯⋯俺は御前たちとは違う。ちょっとだけ、人よりほんのちょっとだけ、運が無かっただけなんだ。⋯⋯見てろ。俺はな、目の前に立ちはだかるどんな急流にも逆らい上りきってやる! 京都朝廷だけじゃねえ。江戸や徳川もだ。この国を全てを飲み込み。この日本の頂に上り詰めるのは、━━━━この俺、”天舞童“麒麟だ!!)
━━━━天衣無縫流の使い手であり、底知れない野望を胸に秘める少年公家、樋ノ口少将麒麟━━━━。
━━━━更に。
この時、霧人、樟羽、麒麟⋯⋯三人がすれ違う様子、そして麒麟の暴挙を、離れた柱の陰から覗き見ていた者があった。
⋯⋯帝の娘、美桜である。
「⋯⋯ああっ、御所の大切な柱をあんなにずたずたに⋯⋯。酷い、やっぱり何て乱暴な御方なのでしょう」
麒麟の凄まじい剣閃と破壊に、美桜は顔を顰めながら、着物の袖で顔を覆っていた。
美桜が廊下をひっそりと覗き見していた理由。
それは何も警備番明けの麒麟を労ろうとか、麒麟の美桜への秘めた想いに勘付いていたからではない。
目的はただ一つ。
⋯⋯霧人だった。
「⋯⋯それにしても、⋯⋯あぁ、良かった」
美桜は胸を高鳴らせ、頬を赤らめながら呟いた。
「霧人様が揉め事に巻き込まれなくて⋯⋯、少将様に変な因縁を付けられなくて、本当に良かった」
そして掌の上へと目線を下ろす。
「⋯⋯でも残念。徹夜して折角作ったのに。⋯⋯これ、渡しそびれちゃったな」
昨夜、何かの目的で霧人は御所に滞在していた。
ならば少しでも、ほんの僅かな刻でも構わない、霧人の傍に在りたい。
美桜はそんな仄かな乙女心から、従者に無理を言い、珍しく昨日一晩を御所内で櫻と共に過ごしていたのだ。
見つめる手の中には、何日も前から作り始め、昨晩やっと完成した、手作りの紙細工が優しく握られていた。
錦の台の上に梟が三つ。
大きな梟と一回り小さな梟。
その大小の梟の間に、小さな梟が一つ。
「私と、櫻ちゃんと、あと一つは⋯⋯」
美桜が頬を更に赤らめる。
そして自分自身に気合を入れるように力強く呟いた。
「鎌足さんが元気になって御所に帰ってくるまでには、もっと霧人様と親しくなれるよう頑張らなきゃ!」
そんな美桜もまた櫻と同じく、この暁の空に鎌足を想っていた。
詳しい事はまるで分からない。
傷が癒えるまでは、代わりの援軍と交代し、江戸へ一時帰還する。
ただそれだけを兼季から聞いていた。
しかしいくら休養とは言え、鎌足が自分と櫻に何も告げず江戸へ旅立つとは、どうしても考えられなかった。
余程の事情が有るとしか思えなかった。
「⋯⋯鎌足さん、⋯⋯今頃はどの辺りだろう。何してるかな。今度もまた無茶してなければ良いけど」
それでも絶対に”さよなら“ではない。
鎌足は必ず帰ってくる。
元気な笑顔で、”ただいま“と言ってくれる。
そして自分も、“おかえり”と元気よく言葉を返す。
美桜はそんな未来を信じて止まなかった。
陽が昇っていく東の空に、美桜の祈りの心が響く。
(⋯⋯神様、どうか、どうか。鎌足さんが無事に京の都に帰って来れますように)
━━━━鎌足の身を心から案じ、『六歌戦』鷹乃宮中納言霧人に密かな想いを寄せる、美桜姫━━━━。
━━━━しかし鎌足を取り巻く運命の縁の中にあって、恋の深い迷い道に彷徨う女子は、この美桜だけではなかった。
━━━━「⋯⋯鎌足とか言う女子は、この琵琶湖の周辺をもう離れたかしら」
綾麿から鎌足たち伊賀者を仕留める役目を受けた、旅路の途中。
琵琶湖を一望する峠で、朱雀は悔しそうに爪を噛んでいた。
心の迷いを映すように、開いた番傘がくるくると左右に行ったり来たりする。
考える事は出発前も、今も、変わらない。
(あの綾麿様が気に掛けるなんて、どんなに綺麗な女子なんだろう。⋯⋯やっぱり小夜様と同等か⋯⋯、いや、まさかそれ以上?)
朱雀の佇む峠の街道沿いの御堂には、道祖神として仏像が一体、祀られていた。
ひとしきり苦々しい溜め息を付いた後、朱雀は仏像に徐に近づいていく。
「⋯⋯あった」
朱雀が仏像の前でしゃがみ込む。
「仏の頭に鉛色の頬かむり⋯⋯、か。玄武も此処を通ったみたいね。半日どころか丸一日くらいは遅れているかも? 急がないと」
朱雀が仲間内の合図をじっと見つめているこの時。
その背後から、鼻息を荒くして忍び寄る、三人の破落戸風の男たちの姿があった。
「よお! そこの日傘の別嬪の姉ちゃん、一人で旅してるのか?」
「良かったら俺達と一緒に行かねえか? 姉ちゃんは西か東かどちらに行くんだ? 俺達は西だ」
破落戸の品のまるで無いぶしつけな問いかけに、朱雀は再び深い溜め息をつく。
「東よ。北陸道に抜けるの。残念でした。違う方向よ」
朱雀が返したのは、赤羅様に嫌そうな表情と感情の籠もっていない返事。
しかしまだ破落戸たちは、絡みを止めなかった。
「嬢ちゃん、間違えたよ、西じゃねえ、東に向かうんだよ俺達。なら一緒な道だなあ。奇遇だなあ?」
けらけらと厭らしい笑いと共に、三人は更に朱雀に近づいていく。
朱雀の瞼が下がる。
じっとりと目を細め、冷淡な声で呟いた。
「西じゃなかったの? 随分と気まぐれで呑気な風来坊さんたちね。行先はどこでも良い、って事かしら?」
「へへへ、そういう事。そんな恐い顔しなさんな。まあ一つよろしく頼むわ。宿代や食費はあんた持ち。⋯⋯一緒に旅をして、夜の宿も四人一緒な部屋をとって⋯⋯」
破落戸の一人が、朱雀の肩に触れようとした⋯⋯。
⋯⋯その時だった。
朱雀が体を閃かせる。
⋯⋯その瞬間。
朱雀に触れかけた破落戸の指五本が、赤い鮮血と共に青い空をふわりと舞っていた。
「⋯⋯ぅんぎゃああああッ!!!?」
「⋯⋯何処でもいい、⋯⋯のならば地獄はどうかしら? 風来坊さん達が腰を落ち着けるにはお勧めよ。物珍しいたくさんの蒼鬼紅鬼にも会えて、毎日一緒な屋根の下にも泊まれるわよ。⋯⋯ふふ、御希望ならこの朱雀がいつでも葬ってあげる。⋯⋯勿論、ただ、でね」
「⋯⋯ひっ、⋯⋯ひぃぃいっ!?」
「⋯⋯お、おおおぉ、刀だ、傘に仕込み刀だ!?」
指を斬り飛ばしたのは、番傘の柄の先に仕込まれていた刃だった。
それは朱雀の異名にもなっている番傘剣。
しかも朱雀は既に納刀までも終えていた。
血の飛沫が飛んだ番傘を肩に掛け、朱雀は優雅に微笑みを浮かべ、舌舐めずりをしている。
しかしその目だけは笑っていなかった。
その冷酷な瞳を前に、三人の破落戸たちは血相を変えて、峠を転がるようにして我先にと逃げ出していく。
そんな三人の背に向けて朱雀は鬱陶しそうに呟いた。
「⋯⋯私の身体に触れていい男は、綾麿様だけよ」
周りの旅人たちもこの騒ぎに気付いていた。
街道に憐れに転がる、五つの忘れ物。
血溜まりに沈む五本指を目にした女性が、大きな悲鳴を上げる。
辺りは喧騒に包まれていた。
しかしそんな中でも朱雀は一切動じる素振りは無い。
番傘を優雅にくるくると回しながら、ゆっくりと東へ向かって歩き出した。
きらびやかな朱色に、白の渦模様が描かれた洒落た雅な番傘。
その傘の下で、傘柄と同じ瑞々しい朱色に染まる美しい唇を、朱雀はぎゅっと噛み締めた。
「綾麿様の計画にとっても、そして私にとっても、鎌足とかいう女忍は邪魔なだけの存在。残念だけど綾麿様にはもう会えないわよ。この私が絶対に殺してやるから」
『六歌戦』綾麿に恋焦がれ、鎌足への嫉妬や憎しみ、そして殺意が迸る美しき追跡者、番傘剣朱雀━━━━。
━━━━人の縁や運命の巡り合わせとは本当に不思議で、そして数奇なものと言える。
鎌足の無事を願う美桜も在れば、逆にこうしてまだ会った事も無い鎌足に殺意を抱く朱雀も在る。
そんな中、鎌足よりもむしろ所有する刀、即ち鬼切丸に謎の想いを寄せる者も在った。
━━━━「鬼ではありません、何かの間違いです!」
遠州屋の軒先で、上半身を縄でぐるぐるに縛られた二番番頭の男が、膝をつき許しを乞うていた。
その眼前には白馬に乗り、西洋風の外套を靡かせ、頭巾を深々と被る女性が居た。
⋯⋯神凪水軍首領、神凪摩耶だった。
「⋯⋯嘘は駄目だよ。蒼鬼だよ。下手な芝居はいいから。臭いの濃さからして一月半、ってところかな」
馬上から男を断罪した摩耶は、近くで怯えた表情で様子を見守っている遠州屋の女中に向け、言葉を続けた。
「ねえ、ちょっと。そこのお姉さん。この一月半の間で、店の周りで不審な死者が出たり、行方不明になった者は居なかった?」
問われた女中は、おどおどしながら答えた。
「⋯⋯野犬に襲われて死んだ者が二人。あと丁稚の子が一人行方知れずなのと、⋯⋯あ、店の女中や男の方が三人ほど突然置き手紙を残して郷に帰ったりとか⋯⋯」
摩耶が縛られている男の方へ向き直る。
「ほら、しっかり喰ってるじゃん」
「ええっ、今の話と私が何の関係が!? む、無実です! 私は天地神明に誓って、断じて鬼ではありません!」
「⋯⋯ねえ! 誰か火を持ってきて。燃やしたら直ぐに本性を見せるから」
摩耶は聞く耳を持たない。
事も無げに大層な事を次々と口にする。
「炙り刺しはね、効くよ。どんなに元気でむきむきな鬼でも、いちころ、だよ。ぴんぴんころり、だよ」
「⋯⋯そ、そんな!?」
「この店に近づいたのは何故? 命令? それとも浮浪鬼? ⋯⋯まぁ、別にいいや。そこまで首を突っ込む必要は無いか。でも散々暴れていたみたいだからね、相応の報いは受けてもらうから」
「⋯⋯ぐ、ぐぅぅうぅぅ⋯⋯」
「因果応報ってやつさ。⋯⋯ねぇー? 火はまだ?」
「くッ! ⋯⋯くっそおおぉ! どうシテバレタァ!?》
男の形相が、まさに人外の“鬼”へと変わる。
と同時に、隠していた邪悪な力を曝け出した。
堅く縄で縛られたままの状態で、足の力だけで空中に飛び上がる。
そして鋭い牙と狂暴な本能を剥き出しにして、顎が裂けてしまう程に口を大きく開け、馬上の摩耶へと襲いかかった。
《⋯⋯グオオオォッ! 得体ノ知レヌ女! 死ネェッ!!》
「⋯⋯往生際が悪いね。これだから鬼は嫌なんだ」
馬上で外套を颯爽と翻した摩耶は、内の腰に差す二本の刀の鞘、その左の一本を握りしめる。
そして飛びかかってくる蒼鬼の羅刹に向けて、真上から真下へ、一気に刃を抜き放った。
得体の知れない水飛沫が飛び散る。
その水音と共鳴するように重く低い轟音が響き渡る。
その飛沫や音と同時だった。
蒼鬼の身体は脳天から股に至るまで、まさに一刀両断、真っ二つ。
一瞬にして垂直に切り裂かれていた。
蒼鬼の方は自分の身に何が起こったのか、それすらも分からなかったかもしれない。
叫びを上げる暇も無く、蒼鬼の身体からは蒼い霧が迸る。
左右に斬り裂かれた身体は、そのまま馬上の摩耶の左右の宙を舞い、そして鈍い音と共に地に落下した。
そして摩耶の被る頭巾にも、まるで激しいにわか雨のように、鬼の返り血が大量に降り注ぐ。
「あ。⋯⋯お気に入りの外套だったのに⋯⋯、最悪だ」
血化粧を纏いながら、とほほ顔で呟く摩耶とは対象的に、其処にはあまりにも壮絶な光景が広がっていた。
周囲で見守っていた人々からは、気が狂ったような甲高い悲鳴と、身近に鬼が潜んでいた事実への動揺のざわめきが起きる。
しかし摩耶はそんな騒ぎ声も、まるで気にかけない。
鮮血の外套もそのままに、二つに分かれて転がる男の亡骸を馬上から冷ややかに見下していた。
一気に一月半の刻が進んだ亡骸は、一部は白骨化していたものの、まだ微かに人としての原型は留めている。
「⋯⋯一月半もの間、店の誰も気付かないとはね。やっぱり葬魂の術を見抜くのは、普通の人間には無理、か」
不思議な事に暫らくの刻を経ても尚、この場にはまだ先程の一閃の余韻、奇妙な謎の音の残響が残っている。
摩耶は壮大な和楽の旋律を聞いているように目を瞑り耳を澄ますと、何事も無かったように淡々と呟く。
「地上の抜刀は、だめだね。海鳴りが聞き慣れない。この海鳴剣を使うなら、やっぱり海に限るよ」
そして白馬の手綱を取ると、その頭を優しく撫でた。
「関係の無い御前まで、鬼の血で汚しちゃったね。⋯⋯ごめんよ、よしよし」
この時の摩耶は、先程の剣捌きが嘘のように物静かな声、そして穏やかな瞳をしていた。
白馬は摩耶の擦る手に何度か頬ずりし、そして雄々しく凛々しくいなないた。
(鬼切丸は、果たしてどんな海鳴を奏でるんだろう)
その白いいななきが、摩耶たちの次に取るべき行動の合図となった。
摩耶が腕を上げ、背後の馬群に合図を送り、颯爽と外套を翻す。
そして六人の仲間たちと共に、改めて京都へと続く街道を意気揚揚と見つめた。
「まだ十五里はあるのにね、随分と道草しちゃったな。⋯⋯急ごうか。会合の時間に遅れたら、誇り高き『神凪水軍』の名折れだ⋯⋯」
その瞳の先に何を想うのか、鬼切丸を目にする事だけを目的に、初めて会合に参加する神凪水軍首領、謎多き『六歌戦』、神凪摩耶━━━━。
━━━━この摩耶や燈十郎のように、日本には”鬼を斃す者“も居れば、逆に“鬼と手を結ぶ者”も居た。
その内の一人の男は今、燦々と煌めく陽の下ではなく、暗くじめじめとした陽の当たらない地下で荒々しい息吹を放っていた。
其処はまるで手を組んでいる鬼たち、その住処である地獄の底を彷彿とさせる、暗く寂しい場所だった。
━━━━四隅の至る所に蜘蛛が這い、八角の巣を作る、陰鬱陰湿な地下座敷。
「⋯⋯那由他様。蒼賽鬼から良い報せと悪い報せ、二つが届きました。何方から聞かれますか?」
巨大な刀を背負う女忍、刹那の問いかけの声が響いていた。
全ての鎧や手甲を脱ぎ、軽装の忍服を纏っている。
先の蒲生将監の拷問の際に見えなかった鎧の下の皮膚も、今ならば垣間見える。
しかしその皮膚もやはり無残なものだった。
この薄暗い地下でもはっきりと分かる程に、大小数多の傷で覆われている。
そんな傷だらけの刹那の目の前。
粗雑に足を組み、南蛮の椅子に腰掛けている風魔一族の頭⋯⋯風魔那由他は、手にしている酒の盃を一気に飲み干すと、愉しそうに呟いた。
「⋯⋯そうだな、ならば良き報からだ」
「例の蒼鬼に依頼していた四鬼の修羅手配の件、蒼鬼の総大将より早速に許可が下りたそうです」
「⋯⋯ほう、思ったよりも早いな。流石は蒼の旦那だ」
「蒼賽鬼を含む五鬼の修羅、近い内にこの風魔屋敷に挨拶に推参する、との事。そして将軍の暗殺、及び江戸城の陥落に至るまでは、全面的に那由他様の指示に従い、その下に動く、とも」
「⋯⋯ならば、悪い報は?」
「⋯⋯根来衆が停戦降伏の条件を拒否。そして懸念していた通り、やはり雑賀衆と手を組みました」
「⋯⋯ほほう。ふん、⋯⋯で?」
「送り込んだ偵察部隊からは、近い内に奴等は大胆にも先手を打ち、当屋敷に攻め込んでくる恐れ有り⋯⋯、との報も届いております」
「⋯⋯くくく、成る程な」
良し悪し二つの報告を聞き終えた那由他だったが、その表情はどちらの報告においても何一つ変わらない。
ただにやにやと薄ら笑みを浮かべ続けている。
酒に酔っているようには見えない。
この決して揺るぎない自信や余裕が、風魔那由他という男にとっての、当たり前なのだ。
「⋯⋯面白え。西日本の忍の二大勢力、根来衆と雑賀衆が仲良く手を結んで、俺たち無敵の風魔に反抗か」
「⋯⋯如何致しましょう? 奴等とて急な同盟。攻めてくるまでには、まだ暫くの日を要するとは思いますが」
「なあに。その頃には、匙たち風魔死天王だけじゃねえ。蒼賽鬼たち蒼鬼までが、手ぐすね引いて待ち受けている⋯⋯、それを知らずに無謀にも屋敷に攻めてくる、ってか? ⋯⋯はっはっは! こいつは見ものだぜ!」
「⋯⋯策を弄せず、真正面から受けて立つ、と?」
「当たり前だ。おめでたい馬鹿な奴らめ。⋯⋯刹那よ。今の二つの報せ、俺にとってはどちらも良き報だ。⋯⋯そうだな、ならば江戸徳川や伊賀への復讐ついでに、日本の忍の統一とでも洒落込もうじゃねえか!」
那由他は手酌で盃に波々と酒を注ぐと、再び一気に飲み干した。
そしてまたすぐに次の一杯を盃に注ぐ。
「⋯⋯那由他様? ⋯⋯あ、あの、⋯⋯飲み⋯⋯過ぎには十分に注意してください」
心配そうに那由他を見つめていた刹那だったが、居ても立ってもいられずに気遣いの言葉をかける。
那由他が一番に反応を見せたのは、奇しくも、“その時”だった。
「あん? ⋯⋯五月蝿え。刹那⋯⋯、何度言わせれば気が済むんだ? ⋯⋯俺のやる事なす事にいちいちぐだぐだと注文を付けるんじゃねえ」
激しい叱責を前にして、刹那が目を逸らして俯く。
「⋯⋯は、はい。⋯⋯また悪い癖が出てしまいました。申し訳御座いません」
「御前は死天王として、俺のために戦いの中に生き、そして俺への忠誠や風魔一族の再興を願う証印として、その体に傷を刻んでいくだけで良いんだ」
「⋯⋯はい、仰る通りです。重ね重ね失礼ばかり⋯⋯、どうかお許しを」
那由他は盃を床に打ち捨てた。
盃は刹那の前で粉々に砕け散る。
そして那由他は椅子から立ち上がると、盃の欠片を踏みしめながら、立ち竦む刹那の横へと歩を進めていく。
「⋯⋯さて、と。そろそろ召集に向かう準備をしなきゃだな。⋯⋯五人の面ぁ、拝んでくるとするか」
そのすれ違いざまだった。
ふと立ち止まった那由他は、刹那のすぐ耳元で囁くように呟いた。
「⋯⋯刹那。来たるべき江戸城制圧の折に死掛ける、風魔八門遁甲。御前にその映えある、第一糸を任せる」
「⋯⋯えっ?」
「⋯⋯匙や蒼賽鬼の旦那が手配する、四鬼の修羅。他の七つの糸を御前が指揮しろ」
「⋯⋯私が? よろしいのですか?」
「⋯⋯はっ、何を言ってやがる。戦場では敵対する誰もが恐れ慄く『大刀の刹那』だろう? 根来や雑賀との戦いでも、来たるべき江戸城総攻撃でも。また数多の傷を刻み、己をもっと美しく飾って魅せろ。⋯⋯それが俺たちの約束、御前の存在している唯一の理由だからな」
「⋯⋯あぁ。その御言葉、有り難き幸せ、⋯⋯必ずや那由他様の御期待に添ってみせます」
「⋯⋯頼りにしてるぜ、刹那」
那由他の最後の言葉、呼び名⋯⋯。
その声に刹那の目が惚ける。
「⋯⋯お任せを。那由他様」
力強い返事だった。
そして那由他を心から慕う返事だった。
美桜や朱雀だけではない。
此処にもまた一人、『六歌戦』の男に恋焦がれる女子が居た。
淡桃色に染まる傷頬。
熱い想いと深い憂いを帯びた瞳。
地下牢を後にしていく那由他の後ろ姿⋯⋯陣羽織の背中に描かれた巨大な女郎蜘蛛を、刹那はずっと見つめ眺めていた⋯⋯。
⋯⋯そんな刹那に見送られながら、薄暗い風魔屋敷の地下通路を、那由他は一人悠然と歩く。
乾いた廊下に、那由他の足音だけが響いていた。
そして背負う蜘蛛や、復讐と再興の念に呼応するように、通路の壁際や天井、至る所に張り巡らされた蜘蛛の巣の中で、無数の小さな八つ目が怪しく煌めいていた。
左右の指をまるで蜘蛛の足のように蠢めかせながら、那由他が不気味にほくそ笑む。
「⋯⋯さあ、『六歌戦』ども。今は江戸城侵攻の大事の前。当面の間は見逃してやる。⋯⋯が、俺たちの復讐劇に少しでも刃向かうようならば、御前たちも蒲生や根来と同じだ。━━━━どんな華やかな歌花でも、我ら風魔の進撃の後には枯れ草しか残らぬと知れ!」
━━━━風魔再興、徳川への復讐、その野望の成就のためには日本すら裏切り、蒼鬼と手を組むに至った、『六歌戦』、蜘蛛の那由他こと、風魔那由他━━━━。
━━━━そしてこの那由他以外にも、地獄の鬼と繋がり、日本の裏舞台で妖美に蠢く者が、もう一人居た。
紅鬼と密かに手を結ぶばかりか、時の権力者たちとも繋がり、京都の政治中枢にも強大な影響力を持つ、日本を陰で操る魔性の女⋯⋯、京の都の人々や信者たちからは、月から降臨した“女神”や、“月読の生まれ変わり”とまで呼ばれる、妖艶美麗な巫女。
その本拠、男子禁制の神門”弓削大社“では━━━━。
第108話も最後までお読み頂きありがとうございました。ブックマーク、☆評価、顔文字、感想等、良かったらぜひよろしくお願いします。その優しさや応援が新たな創作の励みに繋がります(*^_^*)。
次回第109話、第一鐘完結「旅立ちの朝 〜後編〜」は、11月3日の投稿予定です。
次回はいよいよ第一鐘完結、残りの主要登場人物たちに引き続きスポットを当てた、第二鐘への予告も兼ねた話になっています。どうぞお楽しみに。
序鐘9話、第一鐘「京都六歌死闘編」100話、全109話。
1月から始めた連載&第一鐘も残り1話で一区切りとなります。そして第二鐘への予告編1話(110話)を挟んで、111話からはいよいよ、第二鐘「出羽白雪血風編」の幕開けとなります。
引き続き『羅生門怪鬼譚』をよろしくお願い致します。
【改稿履歴】
改稿履歴は全て誤字脱字等や細部表現の訂正です。
過去話も誤字脱字を見つけ次第、訂正しています。
内容は全く変わっていませんので御安心ください。




