第104話 暁の二人
※第103話末の予告記載時のタイトルを変更しました。
【登場人物紹介】
伊賀の鎌足━━━━
江戸城の公儀御庭番伊賀組の小頭の女忍。伊賀流鎖鎌の使い手。七十年前に鬼を滅した伝説の半刃『鬼切丸』と共に、鬼が現れた京都に援軍として派遣された。裏では極秘に朝廷探索の密命も帯びていたが、何者かの侵攻による伊賀の危機の報に、一時御所を離れる事を決断する。鬼切丸の残りの半刃を求め、出羽へと一人旅立つ。
森の中で道に迷い、とある小さな村へと辿り着いた鎌足は、鬼に纏わる奇怪な事件に遭遇する事になる。
御影燈十郎━━━━
浪人笠を被り、背中に般若の割面の絵柄の羽織を纏う剣豪、かつ日本『六歌戦』の一人である人格者。あらゆる剣客武人の頭領の証と名高い、『国士無双正宗』が愛刀。百八の流派の剣技を会得し、京御所から「鬼狩隊」隊長として鬼を遊撃する任を帯びている。基本寡黙だが口を開けば饒舌、笠の下から明朗な笑顔を覗かせる。
━━━━「⋯⋯うーん、それにしてもなぁ。⋯⋯鬼の葬魂の術を見抜く術なんて、やっぱり無いのかな⋯⋯」
鬼に喰われた旅人たちの亡骸が埋まる四方の壁。
散乱する村人たちの人骨。
そんな狂気の名残から距離を置き、鎌足は上座に腰を下ろして、じっと悔しさを滲ませていた。
自身の責任は何一つ無い。
それでも人々を救えなかった後悔の念が胸の奥から込み上げ、改めて葬魂の術への怒りへと変わる。
哀愁すら感じさせる鎌足の横顔だった。
燈十郎が気遣って声をかける。
「⋯⋯いや、あの光苔の嘘が、まさかそんなに鎌足殿を悩ませる事になるとは。浅はかであったな。すまない」
燈十郎は鎌足の心が鎮まるを見守るように、鎌足の隣にずっと立ってくれていた。
目深に被る笠の藁の隙間から僅かに覗くその目には、明らかに鎌足についた嘘への申し訳無さが滲んでいる。
「⋯⋯あ、いえ、違います、違います。そんな意味じゃなくて。お気になさらず。⋯⋯んと、実はですね」
鎌足は少し躊躇いながらも、燈十郎の抱いた誤解を解くために、胸に沸き上がった後悔を語り始めていた。
「⋯⋯私は”とある任務“で、ついこの間まで京都で鬼と対峙していたのです。⋯⋯が、鬼の葬魂の術によって、かけがえのない大切な三人の仲間を失いました」
「⋯⋯そうであったのか。鎌足殿も仲間を。⋯⋯ふむ」
「⋯⋯何か、何か、術を見抜く手立てがあれば⋯⋯、少なくとも仲間の一人は、死なずに済んだはずなのです。あの悔しさを思い出してしまいまして⋯⋯」
鎌足は唇を強く噛み締め、続く言葉を飲み込んだ。
その瞳は今の短い言葉以上に、深い憂いと哀しみの色を帯びている。
そんな鎌足の潤んだ憂いの瞳を、燈十郎は暫らくの間ただ黙って眺めていた。
鎌足の目の潤みが十分に乾くのを待ってから、燈十郎が静かに口を開く。
「⋯⋯鎌足殿。御主のその言う京都での任務とは⋯⋯、━━━━中将綾麿殿の代わりの、御所東番警備。御所に現れし鬼の打倒」
「⋯⋯えっ!?」
いきなりの不意打ち、核心を突く言葉だった。
驚きで鎌足は飛び上がるようにして身を起こした。
「そして十数日前に大規模な蒼鬼と紅鬼の襲撃を受け、綾麿殿と共に命を賭けて侵攻を食い止めたものの、破壊され尽くした御所の警備責任を問われた。且つこうして此処に居るという事は、その後、何らかの突発的な理由によって京都を離れざるを得なくなった━━━━。⋯⋯違うかな?」
「⋯⋯な、何故警備を⋯⋯私の東番の事を御存知で!? ⋯⋯で、何で綾麿の事も、責任を問われた事も知っているんですか!?」
「⋯⋯ははは、また驚かせてしまったか。すまぬ。拙者は図らずも人を驚かせてしまうのが得意な性分らしい」
「⋯⋯っ、そう言えば。燈十郎様は先程、”鬼狩り“と口にしていましたが、それと何か関係があるのですか? そもそも何故こんな山奥に独りで!? 京都に向かうと仰ってましたが、何か今後の警備の御役目を!?」
気付けば鎌足は燈十郎に詰め寄っていた。。
そして燈十郎へ、途切れの無い疑問の雨あられを投げかけていた。
口にはしていなかった自身の東番の任務を知っているばかりか、蒼鬼と紅鬼の同時襲撃、綾麿の名や問責の事実まで、燈十郎は京都で鎌足に起こった事のほぼ全てを把握している。
もしかしたら秘密のはずの自身の旅の事まで、深く知っているかもしれない。
その謎の答えを問いかけない訳が無かった。
一方の燈十郎は熱を帯びた鎌足とは対照的だった。
相変わらず落ち着き払い、浪人笠から涼やかで真剣な眼差しを覗かせながら、微笑んでいる。
「何故に鎌足殿の委細を知るか。⋯⋯あれこれ説明する前に拙者の“任務”を先に告げた方が早い」
そしてそんな燈十郎の目口が次に告げた言葉。
それは鎌足を更に驚かせる言葉だった。
「拙者の狩り。その獲物は京都周辺に迷い出る浮浪鬼。この村の鬼たちのように、人知れず悪事を働く鬼たち、その狂気の波が日本全土へと流出するのを未然に防ぐ、掃討が任務。そして拙者がその任を離れ、京都に一時に向かう理由はただ一つ。⋯⋯『六歌戦』の召集がため」
「⋯⋯え? ⋯⋯い、今、ろ、『六歌戦』の召集と仰いました? な、ならば燈十郎様は⋯⋯、もしや?」
「⋯⋯いかにも。この御影燈十郎、僭越ながら、その『六歌戦』が一人に数えられている」
「⋯⋯ぎゃ! わわわわわわわ」
鎌足は“わ”を連呼するのが精一杯だった。
上手く言葉が出てこない。
あまりの驚きで、後は目を丸くして口を諤々と動かすだけだった。
得意と自称する諺も間違えて覚えてばかりの鎌足。
更に字数も増え、詠み手のその時々の繊細な想いも言葉の随所に散りばめられた和歌、そんな教養の美の世界には、とことん疎かった。
とはいえ『六歌戦』はその呼び名の通り、和歌によって讃えれた六人。
今まで目の前に何度か和歌という気付きのきっかけが転がっていた。
それにも関わらず、あの美桜の想い人である鷹乃宮中納言霧人が『六歌戦』の一人である、そんな身近な事実ですら未だ知り得てはいなかった。
そんな鎌足にとっては、綾麿以外の『六歌戦』に出会えたのは今回が初めて。
燈十郎が”二人目“だった。
「と、⋯⋯燈十郎様が? あの綾麿と同じ、京都を陰で守護している高名な『六歌戦』の一人!? ⋯⋯あ、な、ならば⋯⋯、ならば、あの、その、えっと⋯⋯」
しどろもどろの鎌足を見ながら燈十郎は軽く微笑むと、浪人笠の結び目をゆっくりと解いていく。
(⋯⋯あ)
鎌足の頬がほんのりと紅くなる。
今宵、鎌足が初めて目にする、浪人笠の下。
其処には百八もの流派の剣技を極めた男━━━━御影燈十郎の、凛と男気溢れた精悍な顔が在った。
浪人笠という遮る壁が無くなった今、鎌足の目には燈十郎の清々しく澄んだ瞳がはっきりと見える。
そんな燈十郎の瞳が、鎌足に改めて微笑みかけた。
「鎌足殿よ。今の『六歌戦』の言葉への反応から察するに、この拙者に問いたい事が色々と有るのではないか」
「⋯⋯え、は⋯⋯、はい。⋯⋯そうです」
「どのような事だ?」
「⋯⋯あ、あの、⋯⋯その中の一人の事を、どうしても、どうしても、深く知りたいのです」
「⋯⋯ふむ。なるほど。⋯⋯その熱き真剣な眼差し。⋯⋯相分かった。拙者で良ければ、力になろう」
「⋯⋯わっ!」
「ただ此処は鬼の棲家。人の血の臭いが忌まわしく残り、無粋。また座敷に横たわる拙者の仲間、そして床に転がり壁に眠りし多くの御霊を、先に弔ってやらなければならぬ。⋯⋯少しだけ時間を頂きたい」━━━━⋯⋯
⋯⋯━━━━それから一刻(※2時間)程後、鎌足と燈十郎は、炎に包まれる村長屋敷の前に立っていた。
鎌足と燈十郎は座敷に数多く置かれていた行灯から火種を取り、また台所からも魚油を探して、屋敷中に隈無く撒くと、火を放っていた。
紅蓮の炎は全てを包み、亡き者たちを葬っていく。
漆黒の闇の中で赤々と燃える屋敷を眺めながら、この三月の間に鬼に殺された人たち、その全ての成仏を心から願い、黙祷する。
「⋯⋯南無南無、皆がどうか成仏できますように。伊賀の守護神、摩利支天様、⋯⋯南無南無南無南無」
「⋯⋯安らかに眠れ。⋯⋯我が仲間よ」
いつまでも目を瞑り、手を擦り合わせ続ける鎌足と、笠を外し、祈念を込めた右掌を胸に翳す燈十郎。
それぞれに真摯に祈りを捧げて想いを口にする。
葬魂の術を使う鬼たちに命を奪われた、その者たちの末路がどうなるのか。
幻斎から、綾麿から、果ては鬼の紅斬鬼からも耳にしてきた。
頭では理解しながらも、それでも鎌足は祈った。
ふと燃え上がる炎を見上げると、京御所で平次や大吾の亡骸が火葬された時の情景が、鎌足の脳裏を過る。
⋯⋯甚左、平次、大吾、鬼と戦い散った亡き三人の仲間にも、改めて熱く祈りを捧げずにはいられなかった。
隣で燈十郎が静かに呟く。
「⋯⋯先程の力添えの話だが」
「⋯⋯あ、はいっ」
「⋯⋯場所を変えよう。⋯⋯しかし鎌足殿は、確か急ぎ旅だったな? しかも道に迷った、と」
「はい。動いて目も冴えちゃいましたし、村もこんなだから、本当は今すぐにでも先に進みたいんですけどね。知らない土地だし、夜が明けないと難しいですけど」
「夜明け、か。⋯⋯まだ暫し刻はあるな。⋯⋯ならば拙者についてくるがよい。決して悪いようには致さぬ」
「⋯⋯え?」
「拙者の持つ地図によれば、確かこの村から北側の山道を暫く登れば、見晴らしの良い山頂へと辿り着くはず」
「⋯⋯へぇ、山の頂上かぁ。一人闇雲に森を進むよりは、周りの地形が先に見渡せるのは、方向音痴な私にしたら有難いかも。中山道もすぐに分かりそうだ」
「⋯⋯登山、しかも夜半の獣道を通る故、もしかしたら少し刻がかかるかもしれんが、差し支えないか」
「大丈夫です。それくらい。足元が悪い道には慣れてますから。身体も解せますし」
「⋯⋯では、少し春の夜風にでも当たり、歩きながら話の続きを聞くとでもしよう」
燈十郎はゆっくりと夜の闇へ身体を翻した。
大きな山の影の方角に向かい、村の中を歩いていく。
燈十郎の背に縫い描かれた般若が、闇の中に少しずつ少しずつ遠ざかっていく。
この時。
鎌足が燈十郎にどうしても聞きたかった事。
それは先程抱いた情報を知り得ている”何故“の答えだけではなかった。
(百地翁のあの文⋯⋯、『くも』とは何か。⋯⋯燈十郎様ならばその意味が分かるかもしれない)
『六歌戦』燈十郎が、どこまで『六歌戦』の他の五人を知るか、そして何処までその秘密を口にする事が許されているのか。
それこそまさに“くも”を掴む話、まるで読めない。
そもそも鎌足は燈十郎の気性は、まだ完全に把握できているわけではなかった。
噂の通りの人格者なのは間違いなさそうだが、人格者である故に密かな情報の流布を嫌う事も考えられる。
(⋯⋯ある意味、『六歌戦』の存在自体が日本の秘密、と言っても過言無いかもしれないからな。包み隠さず話をしてくれるかな。⋯⋯流石に綾麿みたいな天の邪鬼な性格って事は無いと思うけど)
果たして何処まで歩み寄って良いものか。
鎌足の気持ちはざわついたままだった。
羽織の般若と共に、燈十郎が振り向く。
「⋯⋯どうした? 付いて来ぬのか?」
「⋯⋯あ、はい。⋯⋯っ」
あれこれと考えている暇は無い。
鎌足にとって取るべき道はただ一つ。
今は黙って燈十郎の後ろを付いて行く。
それより他に選ぶ選択肢は無かった━━━━⋯⋯。
⋯⋯━━━━漆黒の闇の中、燈十郎が持つ松明と、鎌足の持つ提灯が揺れる。
その小さな灯りだけが頼りだった。
二人は村を抜け、畦道に沿って道なりに進む。
浪人笠を被り直した燈十郎は、鎌足を先導するように前を黙々と歩いている。
その背中を見ながら鎌足も後を歩く。
夜道の男と女、二人きり、憧れの大人物との初対面。
それだけでも、口下手な鎌足には難しすぎる状況だった。
たまに息を言葉に変えようとしては、吐く直前で飲み込んでしまう。
あれこれと話しかける機会を探りながら、改めて燈十郎の後ろ姿に様々な考えを巡らせていた。
(『六歌戦』の一人、御影燈十郎様⋯⋯、か。若い頃から数多の道場破りで名を馳せた豪快な御方だが、勝っても道場の看板を決して奪わず、負けた道場主すらをも心酔させたという。⋯⋯人を魅了させる、武人としての心もまた、その剣技同様に素晴らしいと聞いている)
情報のほとんどは御頭の半蔵からだが、悪い噂は聞いた事が無い。
すぐ間近で会話を重ねても、噂話通り日本の剣客武人の頭領と呼ぶに相応しい姿に見えた。
(⋯⋯亡き仲間だけではなく、村人たちや壁に埋められた亡骸までも気遣う心。武の誉高い『六歌戦』に選ばれるのも当然だ。⋯⋯性格悪くて、ねちねちした綾麿の奴とはえらい違いだよ)
ただ尊敬の念しか浮かばない大人物だからこその問題もあった。
例えるならば”提灯と釣り鐘“。
世の中に名声響き渡る大きな鐘のような存在の燈十郎に比べると、どうしても鎌足自身の存在が、今 目の前で揺らめいている提灯のようにちっぽけな存在に思えてならない。
(⋯⋯うーん、話しかけづらいなあ。どう切り出そう。燈十郎殿は普段はあまり口数は多くなさそうな気もするしなぁ。⋯⋯あ、その点は綾麿と一緒か。でも一度口を開けば、親しげに爽やかに笑ってくれそうだから、むっつり根暗な綾麿よりかは断然良いか)
鎌足はいつの間にか綾麿と燈十郎を比較し始めていた。
考えれば考えるほどに不思議と笑みが溢れる。
(⋯⋯んー、⋯⋯ははは。やっぱりどう考えても、綾麿とは似て非なる御方。全然違うよね。むしろ御頭に似ているかもしれないな。⋯⋯ッ、━━━━それよりも)
鎌足の表情が突然に厳しくなる。
忍の耳が捉える。
遠くから、ほんの少しだけ、小さく物音がした。
干からびた田の奥の暗がりや、畦道から遠く離れた森の木々の影に、鎌足が警戒の目線を送る。
つい先程、この田の畦道に足を踏み入れた時から、鎌足は周囲の闇の中から自分たち二人に向けられる、鬼ではない何者かの視線の存在を感じていた。
一人ではない。
恐らく少なくとも四、五人は居るだろう。
(⋯⋯しつこいな、この視線。私たち二人に⋯⋯というよりも、私に対してだけ向けられているな。⋯⋯村に入る前、森の中に感じた気配か?)
謎の気配の群れに気取られないように、鎌足は立ち止まる事無く歩みを続ける。
そして目を瞑りながら氣の質を探った。
(⋯⋯ん、違う。森の気配は一人だった。それにあの時の視線とそもそも質が違う。そんな気がする⋯⋯)
今感じている複数の氣は、今にも襲いかかる寸前のような敵意戦意に満ちた強烈な殺気とまではいかない。
だがそれでも鎌足の一挙手一投足を凝視し、警戒している事には間違い無い。
気配の一つ一つからは強い氣が伝わってくる。
ただ今宵の闇の深さや静けさは、”受ける“鎌足にとっては好都合だった。
攻防は鏡写し。
相手の一挙手一投足も逆に鎌足は読む事ができた。
いつでも鬼切丸や鎖を抜き放つ事ができるよう、腰に手を当てながら歩く。
鎌足がすぐに気付く程なのだから、鎌足よりも遥かに剣技の実力の高い燈十郎も、当然にこの謎の氣に気付いているはずだった。
しかし何故か前を行く燈十郎の背中からは、警戒の念が何一つ感じられない。
(⋯⋯おかしい。気付いてないのかな?)
会話のきっかけにできる。
鎌足は思い切って燈十郎に話を切り出してみた。
「⋯⋯あ、あの燈十郎様? あの、先程から⋯⋯」
「⋯⋯ふっ、流石は江戸の御庭番小頭を相務める鎌足殿だ。周りの気配に早くも気付いていたか」
「あ、燈十郎様もやはり気付いていましたか」
「⋯⋯大丈夫だ、この気配は気にしなくてもいい。敵ではない」
燈十郎は軽く笑いながら、事も無げに呟く。
「⋯⋯え? 気にしなくてもいい? とは?」
「この視線はな、拙者の鬼狩りの仲間たちだ。先程の鬼の巣窟に踏み込んだのは拙者一人だが、万が一に鬼が逃げ出さぬよう、外も完全に固めてある。拙者の狩りに抜かりはない」
「⋯⋯そうでしたか、安心しました。敵ではなくて」
「本来ならば隊長の拙者の命令があるまでは、絶対に持ち場を離れてはならぬのだがな。⋯⋯ふっ、見慣れぬ女忍⋯⋯、いや、もとい美しい鎌足殿と一緒に歩いているものだから、気になって付いてきたと見える。⋯⋯ははは。後から灸を据えておかなくてはな」
「⋯⋯そ、そんなぁ。美しい、だなんて。て、照れるなぁ。困るなぁ。⋯⋯にひひ。⋯⋯それにしてもお仲間たちは皆、燈十郎様思いなんですねぇ」
「⋯⋯ああ。本当に隊士には感謝している。⋯⋯拙者たちは常に、複数の鬼との生死を賭けた戦い、即ち死地と隣り合わせ。全員が相当の手練れではあるが、こうして何人かの組を作り、鬼狩りをしているのだ」
「⋯⋯へぇ、組を。なるほど」
「久方ぶりの『六歌戦』急な召集。拙者はこのまま京都へ向かうが、他の者たちはまた別の狩場へと移る。⋯⋯羅生門の出現を受けている最近は、先程の屋敷で起こった凶行の様に、京都から流出した浮浪鬼の出現や悪行がかなり増えてな。休む間も無いくらいだ」
「浮浪鬼ってそんなに居るんだ。鬼の世界も人間の世界と一緒なんだなぁ。⋯⋯ん、でもそんな大事な任務の時に『六歌戦』の急な召集。⋯⋯たぶん私が東番でやらかしちゃったからですね、すみません」
光苔の時とは立場は真逆だった。
今度は鎌足が申し訳なさそうな表情を見せる。
そんな鎌足の様子が背中からでも十分に伝わったのか、燈十郎は鎌足の抱いた暗い心を吹き飛ばすような、明るく朗らかな笑みで返してくれた。
「⋯⋯ははは。あのとばっちりの件か。御所よりの報告で聞いている。かなり厳しく問いただされたようだが、清涼殿への侵入を許した事、大鳥居の件、鎌足殿に非は無い。⋯⋯気にしなくてもよい」
「⋯⋯あ、はは。『六歌戦』ともなれば、御所で何が起きたかはちゃんと連絡がいくんですね。⋯⋯だから色々知っているのか」
「最低限の情報だけは、な。それと拙者たちの緊急召集の件も気にしなくてもよい。鬼の本格的な侵攻を受けた此度、あの大規模な襲撃があってもなくても、遅かれ早かれ京都御所には呼ばれていたはず。それに今まで以上に重要な会合の場になりそうだからな」
「⋯⋯え? 今まで以上? 何かあるんですか?」
「正義感に溢れた鎌足殿としては恐らく信じられぬ話だろうが、『六歌戦』の中には本当にこの国の行く末を憂いておるのかどうか、甚だ疑問に思う者も居るのだ」
「⋯⋯どういう事です?」
「⋯⋯一人な、毎回いつも『皆の合意に従う』という『委任状』を送ってくるだけで、会合に一度も出席したことの無い『六歌戦』が居てな。拙者よりも前から『六歌戦』に名を連ねている、古参の者なのだが⋯⋯」
「委任状だけ? ⋯⋯はは、そんな方も居るんですね」
「だがその者ですらも、此度の召集に関しては特段に興味があるらしく、珍しく参加するとの事。恐らく今日か明日にでも船で大坂港に着くだろう。⋯⋯つまりは今回の召集は久方ぶりに『六歌戦』全員が一堂に会すのだ」
「⋯⋯へぇ。何ででしょう? 流石に蒼鬼に加えて紅鬼まで現れたんだから、びっくりしちゃったのかな。それとも何か他に目的があるんでしょうか?」
「⋯⋯さあな。だが全会一致が原則の『六歌戦』、此度の集結は間違い無く今後の日本防衛の戦いを行方を左右する、極めて重要な場になるはずだ」
「⋯⋯欠席魔の『六歌戦』か。全会一致⋯⋯、綾麿と上手くやれるのかなぁ」
鎌足は何気にまた綾麿の名前を口にしていた。
「ふむ。⋯⋯綾麿殿、⋯⋯か⋯⋯」
綾麿の名前を耳にした燈十郎は、顎に指を当て、何かを考え込むような仕草をとった。
後はそれきり黙り込んでしまった━━━━⋯⋯。
⋯⋯━━━━頂へと登る山道は、鬱蒼と茂る木々に囲まれた村の北の外れにあった。
狭い獣道、しかも両脇からは乱雑に伸びた枝葉が行く手を遮る。
鎌足の想像していた以上に、山頂への道は時間がかかり、険しいものに思えた。
燈十郎は鎌足のために道を作るように藪を掻き分け、鎌足を先導しながら、ゆっくりと少しずつ歩を進めていく。
鎌足の背中には、依然として複数の視線が纏わり付いている。
燈十郎の仲間たちも木々の黒と緑に身を隠しながら、二人の後を付いてきているようだった。
暫くの沈黙が続く中、鎌足の目の前に、燈十郎の腰に差さる黒い愛刀、“国士無双正宗”がちらついて見える。
(⋯⋯剣の腕、⋯⋯綾麿とこの燈十郎様では、どちらが上なんだろうか?)
剣客ならば誰もが抱くような、もしもの話。
そんな興味を、ふと鎌足も抱いていた。
前を歩く燈十郎の背中と国士無双正宗に重なって見えてくるのは、何故か村雨の金色の鞘。
そして綾麿の顔だったからだ。
(⋯⋯男の人の背中か。⋯⋯あ、そう言えば最初に綾麿に会った時も、麒麟との戦いの翌日も、こんなふうに京都御所で綾麿の後ろを歩いた事があったな)
鎌足の目が遠い過去を遡るような、虚ろさを纏う。
(⋯⋯不思議だなあ。随分と遠い過去の様に思える。⋯⋯ん、そっか、綾麿とは最後ろくに挨拶もしないで、騙すようにそそくさと旅立ったんだっけ)
きちんと挨拶と旅立ちの言葉を交わせたのは、門番、たった一人だけ。
美桜や櫻にも会えなかった。
兼季にも真実を告げる事無く旅立った。
心からの挨拶を出来なかった者は数多くいた。
それでも今、一番先に浮かぶのは、綾麿の顔だった。
胸の奥がちくりと痛む。
それは後悔にも近い、不思議な気持ちだった。
靄とした鎌足の心が呟く。
共に背中合わせで蒼鬼紅鬼と戦った、あの夜の記憶が蘇る。
(⋯⋯旅の目的までは告げなくても、やっぱりもう少しきちんと、綾麿にも挨拶しておけば良かったかなぁ)
「⋯⋯急にぼんやりしてどうした? 京都に残してきた大切に想う誰かの事でも思い出したのか?」
「えっ」
宙を彷徨っていた鎌足の意識は、燈十郎の不意の声によって、京都御所から夜の森へと戻された。
「⋯⋯ははは。⋯⋯背中に痛い程の視線を感じるぞ。大切に想う誰か⋯⋯、図星だったか?」
「⋯⋯ひゃっ、え? そ、そんな、私は綾麿の事なん⋯⋯違っ⋯⋯、そんな事ォ、考えてませンッ」
鎌足は思わず綾麿の名前を呟いてしまった上に、その声も裏返る。
(⋯⋯わ、びっくりしたあ。⋯⋯変な声が出た)
足取りもぎこちなく、目線は宙を泳ぐ。
明らかに動揺が見て取れる鎌足に、燈十郎は笠越しに軽く笑みを浮かべた。
そして何やら考えを固めたように一人で頷くと、神妙な面持ちで口を開いた。
「先程から『六歌戦』不知火綾麿殿の事を何度か口にしているが、鎌足殿とはもうかなり親しい間柄なのか?」
「⋯⋯え?」
唐突な“親しい間柄”という問いかけの言葉。
しかも、”かなり“ときていた。
鎌足の胸が熱く脈打つ。
そしてそんな胸の高鳴りを誤魔化すように、鎌足は両掌と頭を左右にぶんぶんと激しく振っていた。
「⋯⋯あ、あ。⋯⋯い、いえ、少しだけ知っている程度です。だってあの綾麿と私はまるで水と油、何もかもが合わないから。はは⋯⋯」
自身と綾麿との関係は、“少しだけ知っている間柄“。
そんな表現が正しいかどうかも分からない。
とにかく笑って、とにかく誤魔化さなければ。
鎌足は焦りに焦りまくっていた。
「⋯⋯ん? そうなのか? おかしいな、綾麿殿の事は、その剣の腕を含めかなり詳しそうに見えたが?」
「いやいやいや、気の所為ですよ、あは、⋯⋯あはは」
「⋯⋯そう言えば。月日の流れは早い。綾麿殿と言えば、あれからもう一年か」
「⋯⋯一年? 何がです?」
「⋯⋯拙者はな、一度だけ綾麿殿とその配下たちが刀を振るう姿を見た事がある。⋯⋯そう、ちょうど一年前の春頃だ」
「⋯⋯一年前に綾麿を? ⋯⋯あ、ちなみにはっきり言わせて頂くと、私、綾麿の事は全然知らないんです」
「全然? 本当か?」
「村雨の二刀を使ったりとか。少将の麒麟っていう、生意気で嫌ぁな奴が傍に居たりとか。それぐらいしか」
「⋯⋯天舞童麒麟か。確かに。あの者も綾麿殿に負けず劣らず恐ろしい程の手練れだな」
「⋯⋯てんまどう? ⋯⋯いえ、麒麟は確か樋ノ口って苗字ですよ?」
「いや、拙者が口にしたのは、京都の裏世界での通り名の事」
「⋯⋯通り名?」
「まあ、“あだ名””異名“みたいなものだ。天衣無縫流の天舞の技と共に、天を舞う童子。称して天舞童」
「⋯⋯なるほどぉ」
「実は一年前、芸州(※現広島)あたりから京都に野盗の軍団が流れ出てな。百人近くで群れをなす、残虐非道な奴等だった。京都の裏社会、即ち破落戸や盗賊どもが巣食う暗黒街の中でも一、二を争う、大集団だった」
「野盗が⋯⋯? 京都にも⋯⋯、人間の姿にして人間ではない。まるで鬼の心を持った蛆虫みたいな奴等は何処にでも湧くんですね⋯⋯」
「ああ。その野盗の群れを殲滅するべく、帝から指令を受けた綾麿殿は、今話に出た麒麟という少年公家を含む、裏社会で名のしれた配下の者たち数名と共に、敵の本拠である廃寺を急襲したのだ」
「そうだったんですね。江戸も同じですよ、私も幾度となく同じような任務をこなしましたから」
鎌足が得意気に口を尖らせながら、力こぶを作る。
「拙者も和歌を詠われ、『六歌戦』に数えられながらも、まだ日々武の高みを求道する者。『六歌戦』内での私闘は堅く禁じられている故、綾麿殿の太刀筋は見る機会が無く。一度目にしてみたいと常々思っていた所にこの野盗討伐。音に聞こえし不知火の秘剣を実際に確かめるべく、密かに廃寺の陰から様子を窺ってみたのだ」
「⋯⋯で、どうでしたか? 同じ『六歌戦』から見て、綾麿は?」
「⋯⋯綾麿殿の剣腕はまさに妖魔の刃、蒼白の焔であらゆる邪悪を焼き尽くす、鳳凰の化身。流石、裏社会で“不知火鳳凰”と呼ばれるだけの事はある」
「⋯⋯し、“不知火鳳凰”、綾麿、そんな通り名を!?」
「⋯⋯僅か数名、僅か四半刻(※30分)足らず。百人もの武装した野盗を、圧倒的な強さで殲滅しただけでなく、拙者の存在にも気がついていたのであろう。気配を消して離れ隠れる拙者の方を睨みつけ、余裕の薄ら笑みを送ってきた⋯⋯━━━━
灼熱と極寒の蒼白二刀、不知火鳳凰
心の臓を削る魔性の刃、天舞童麒麟
破壊の神が宿りし巨槍、宝蔵院玄武
肉を斬り裂き骨を砕く、爪牙刀白虎
そして天翔る美しき刃、番傘剣朱雀。
━━━━⋯⋯凄まじい阿鼻叫喚の討伐であった。何れもまさに達人と呼ぶに相応しい、あの者たち五人の前では、たとえ地獄の悪鬼羅刹すらも逃げ出すだろうな」
燈十郎が語った綾麿配下の剣客たち。
その名前の中には鎌足が聞き慣れない者もあった。
「剣の達人の中の達人、燈十郎様にそこまで言わせるとは⋯⋯。今挙がった剣客たちの名前。しかと覚えておきます。⋯⋯でも、あれ? その場に青龍って男の人は居なかったですか? 龍笛を持っていて、鉢金を巻いて、大陸渡りの刀を携えた、落ち着いた雰囲気の⋯⋯」
「⋯⋯青龍? 裏社会では聞かぬ名だ。その者かは分からぬが、確かにもう一人、男は居た。だが綾麿殿らと野盗が斬り合っている中、ずっと腰を掛けて、龍笛を吹いているだけでな。その剣腕の程は見れなかったのだ」
「そうなんですね。いや、私も一度だけしか会った事はないのですが。あの余裕、只者ではないと思いまして」
「⋯⋯だが、その笛の音色だけは、今でもはっきりと覚えている。まるで一人また一人と斃れて逝く、野盗の魂を鎮めるかのように、荒々しくも美しく、⋯⋯そして、何より哀しい音色だった」
「あの笛の音色⋯⋯確かに物悲しくて心に染み込む不思議な音色だったなぁ。あの麒麟も一目置いているくらいだったから、かなりの剣の使い手だとは思うけど⋯⋯、そうか、やっぱり刀は振るわなかったんだ。御所からも突然消えてたし本当謎の人だなあ」
「⋯⋯拙者が綾麿殿について知る事は以上だ。⋯⋯ごほん。だから、よいか、鎌足殿? 綾麿殿への秘めた想いを成就させ上手く逢瀬を重ねていく為には、その逆鱗にだけは触れぬよう、くれぐれも気をつけたほうがよい」
「⋯⋯え? ⋯⋯⋯⋯、⋯⋯はぁァ?」
鎌足の声がまた裏返る。
「⋯⋯さて、ちょうど少し休める広い場所が見えてきた。⋯⋯で、拙者に聞きたい事は済んだな? 鎌足殿。さぞや聞きにくい事だったろう。恋路の話、故に当然だ。ははははは⋯⋯、いやはや、拙者もどう話を切り出してよいか、かなり悩んだぞ」
「⋯⋯あ、ずっと黙って歩いていたのって、まさか」
「⋯⋯そうだ。⋯⋯はっははは。緊張したぞ。拙者は男女間の事はとんと疎くてな。いやあ、肩の荷が下りた。鬼と戦う方が”まし“なくらいだ。⋯⋯はははは」
燈十郎は完全な思い違いをしていた。
その誤解に気付いた鎌足は、顔を真っ赤にして否定する。
「⋯⋯ち、ち、違いますっ! 『六歌戦』の貴方に聞きたいのは、綾麿の事では無いんです! 綾麿には一切、興味ありませんし、むしろ大嫌いですから!!」
「⋯⋯おやっ? そうだったのか。あの真っすぐ恋路を突き進むような眼差し。『六歌戦』の中で詳しく聞きたい者がいる。綾麿殿の事ばかり呟く。⋯⋯だからてっきり、同じ警備番の綾麿殿に恋慕の情を抱き、もっと深く知りたいと願っているのかと勘違いしていた」
「いや、違いますし! 断じて違いますし!!」
「⋯⋯そうか、それは残念だな。お似合いだと思ったのだがな。いや、真に失礼した」
燈十郎は鎌足と向き合って、申し訳無さそうに頭を下げた。
燈十郎は意外にも思い込みが激しく、何処か抜けている。
寡黙な所は御頭にも似ているが、抜けは鎌足にも相通じるものがある。
垣間見えたそんな燈十郎の意外な一面。
鎌足は渋い表情を浮かべながらも、何処かおかしさがこみ上げてきた。
「いや、すまぬ、鎌足殿。本当にすまぬ、許してくれ」
「⋯⋯あ、はは。気にしないでください」
(⋯⋯ったく⋯⋯ふふ。美桜みたいな事も言ってるし。綾麿は伊賀の敵、好きになるどころか、分かり合う事すらできない存在だよ。⋯⋯時と場合によっては殺さないといけないかもだし。⋯⋯それにその綾麿の”逆鱗“だって、私、もう触れちゃってるんだよな。⋯⋯あはは)」
そして気付けば自然と優しい笑みを浮かべていた。
(⋯⋯でも一つ分かった。間違いない、この燈十郎殿は、噂通りの人間が出来た、素晴らしい御人だ)
「⋯⋯では? 拙者に聞きたいのは一体誰の事だ? ⋯⋯まあ、とりあえずはあの広い場所でゆるりと聞こう」
燈十郎は首を傾げながら、再び歩みかける。
鎌足はその背中に向かって、思わず叫んでいた。
「燈十郎様! 『六歌戦』の御立場と御役目柄、無理を承知の上、是非にお願い致します! ⋯⋯どうか、どうか一人だけ、たった一人だけで良いのです! 私に教えてください!」
この暁の夜、一番に熱を帯びた、真剣な鎌足の表情と声。
そのあまりもの熱量、そして聞こえてきた”ある言葉“に、燈十郎は踏み出そうとしていた足を止め、鎌足を振り返る。
「⋯⋯⋯⋯、⋯⋯その目。余程の事が有るようだな。⋯⋯聞こう」
「くも! 私が知りたいのは『くも』という言葉の意味です! 『六歌戦』の中に、『くも』という言葉に関係のある者は居ますか!? 私たち忍の種族が今次々と襲われていて、江戸や伊賀にもその魔の手が近づいているのです! その首謀者を手繰る唯一の手掛かりが、二つの言葉。『くも』⋯⋯そして『六歌戦』なんです!!」
「⋯⋯くも?」
「⋯⋯虫の蜘蛛か、空の雲かは分かりませんが。⋯⋯あ、いえ、でも綾麿は違います。綾麿は蜘蛛の巣みたいにねちねちしてて、空の雲みたいに気ままだけど⋯⋯、綾麿以外で、です。⋯⋯何か心当たりはありませんか」
鎌足は聞きたかった事の全てを口にしていた。
想いを吐き出し、最後は俯いてもじもじとしている鎌足を前に、燈十郎は、何かを考えるような素振りを見せている。
この時、笠の下から覗く燈十郎の顔。
それはこの暁の夜、鎌足が燈十郎を見た中で、最も真剣で緊張した面持ちに見えた。
まるで鎌足の口にした“見えざる敵”から自身も身を隠すように、燈十郎は浪人笠を更に目深に構える。
⋯⋯そして、たった二言、呟いた。
「⋯⋯禁門関東総支配、⋯⋯風魔那由他」━━━━。
第104話も最後までお読み頂き、ありがとうございました。ブックマーク、☆評価、顔文字、感想等、良かったらぜひよろしくお願いします。その優しさや応援が新たな創作の励みに繋がります(*^_^*)。
次回はいよいよ“見えざる敵”その正体の一端が明らかになります。第105話「座敷牢の蜘蛛」は10月18日〜19日頃の投稿予定です。
引き続き『羅生門怪鬼譚』をよろしくお願い致します。
【改稿履歴】
改稿履歴は全て誤字脱字等や細部表現の訂正です。
過去話も誤字脱字を見つけ次第、訂正しています。
内容は全く変わっていませんので御安心ください。




