表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
理不尽を論破したら異世界のルールが壊れた件  作者: 万丈トオル


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
19/30

第19話「分岐」



戦いは、長くは続かなかった。




---




「……終わりだな」




リドウが拳を下ろす。




---




地面には、倒れた暴徒たち。




---




だが――




---




「まだ生きてる」




リリーニャが確認する。




---




「大丈夫です。命に別状はありません」




---




光が淡く広がる。




---




負傷者の手当てが進む。




---




「……助かった」




---




住民の一人が、震えながら頭を下げた。




---




フィートスはそれを見て、ゆっくりと息を吐く。




---




「……すまねぇ」




---




小さく、呟く。




---




誰にも聞こえないような声だった。




---




だが――




---




俺には聞こえた。




---




「……行くぞ」




---




フィートスが顔を上げる。




---




「ここは一旦落ち着いた」




---




「次に行く前に、拠点を押さえる」




---




「拠点?」




フウカが聞く。




---




「俺たちのアジトだ」




---




翼がわずかに揺れる。




---




「情報も、人も集まってる」




---




「状況を整理するにはそこが一番だ」




---




俺は頷いた。




---




「合理的だな」




---




---




数時間後。




---




フィートスのアジト。




---




岩山の中腹。




隠れるように作られた拠点。




---




中には――




---




負傷者。




戦闘員。




そして、怯えた人々。




---




「……多いな」




リドウが呟く。




---




「これでも一部だ」




フィートスが答える。




---




「各地で同じことが起きてる」




---




沈黙。




---




(やはり、一箇所じゃない)




---




俺は状況を整理する。




---




そのとき。




---




「……私はここまでだ」




---




クローが口を開いた。




---




全員の視線が向く。




---




「報告がある」




---




「アナグラムに戻る」




---




短い。




---




だが、それだけで十分だった。




---




「……そうか」




リドウが言う。




---




クローは軽く頷く。




---




「次に会うときは――」




---




一瞬、間を置く。




---




「状況が変わっている可能性が高い」




---




それだけ言って。




---




背を向ける。




---




「……行ったか」




---




誰も止めなかった。




---




---




その夜。




---




簡易的な会議が開かれた。




---




「現状は三つに分けられる」




俺が言う。




---




「暴徒」




「避難民」




「アナグラム」




---




「全部が混ざってる」




---




フィートスが頷く。




---




「だから厄介なんだ」




---




「なら分けるしかないな」




リドウが言う。




---




俺は頷いた。




---




「役割を分ける」




---




視線を全員に向ける。




---




「リドウ」




---




「ああ」




---




「前線だ」




---




「暴徒の鎮圧、現場の確認、保護」




---




「分かりやすいな」




---




フィートスが笑う。




---




「俺もそっちだ」




---




「空から全体を見る」




---




リリーニャが一歩前に出る。




---




「私も行きます」




---




「回復と支援が必要です」




---




「決まりだな」




リドウが言う。




---




---




「残りは――」




---




俺はフウカを見る。




---




「こっちだ」




---




フウカが少し驚く。




---




「え、私?」




---




「戦力が足りない」




---




「鍛える」




---




ドミールがくすりと笑う。




---




「いいねぇ」




---




「ちょうど観察したかったところだ」




---




「……観察って」




フウカが不安そうに言う。




---




「安心しなよ」




---




ドミールが軽く手を振る。




---




「ちゃんと面倒は見る」




---




「たぶんね」




---




「たぶん!?」




---




小さな騒ぎ。




---




だが――




---




空気は悪くない。




---




「俺たちは後方だ」




---




俺は言う。




---




「情報収集」




「支援」




「そして――」




---




「強化」




---




フウカが小さく頷く。




---




「……うん」




---




その目に、迷いはなかった。




---




---




翌朝。




---




二つの隊が分かれる。




---




「じゃあな」




リドウが手を上げる。




---




「死ぬなよ」




---




「そっちこそな」




---




フィートスが笑う。




---




「安心しな!」




---




「俺がいる限り、そう簡単には崩れねぇ!」




---




リリーニャが深く頭を下げる。




---




「また、必ず」




---




フウカも手を振る。




---




「気をつけて!」




---




---




分かれる。




---




道が、二つに分かれる。




---




前線と、裏方。




---




戦いと、準備。




---




だが――




---




どちらも同じ。




---




「……始まるな」




---




俺は小さく呟いた。




---




本当の戦いが。




---




(続く)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ