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7淀みと使命と


『淀み』それは世界の歪み、魔術を使った後にでてくる黒い煙の様なものそれがどんどん貯まって行くと世界が元に戻ろうとする現象が起きるこの際大雨や地震、植物の大量発生急激成長が見られ、治った後は地形が元に戻って居る。これを『再生』と呼ぶ

 その際に起きる災害が起きない様にするために『淀み』に魔力を打つけて相殺し、『聖女』の『霊力』で浄化するのだ。

 ()()()()()()()()()()()()()()使()()である。『聖務』と呼ばれるくらい重要な使命だ。

 『霊力』の持ち主は百人に一人の割合で存在する。

 さらに高霊力の者は()()()()()()()にしかならない、なので幼いものでも淀みの浄化に駆り出されるのだ。




 その日俺は聖女ちゃんとのレッスンが無いので、街に出て楽譜を見て居た。市場調査ってところかなコレは聖女ちゃんの練習に良いなあとか、この楽譜良いなあとダラダラと過ごし、小腹も空いたしどっかで飯でも食おうかなと思って居たところだ。


 近くの細く黒い煙が上がった。


 火事とかの煙じゃ無い絶対無いドロドロと暗い煙が細々と螺旋を描きながらゆっくりと上がっていくこのままにしたら「再生」が起きる急いで遠ざからないと!

 

 周囲の奴らは事態が把握できないのかぼんやりと空を見て居る。

 まずい!だからと言ってパニックになられても困る

「火事みたいです!さっさとここから離れましょう!」と周囲の人間に呼びかけた。

周囲の人たちはゆっくりと移動し始めた。が、

「よっ淀みだ!早く逃げないと!」と誰かが叫び、パニックになった。

くそ!誰だよ叫んだの!淀みが広がるだろ!

 その途端、空が一気に暗くなりざわざわと背中に冷たいものを突っ込まれた嫌な気配がした。

 パニックは広がり、あちこちで転んだ人や泣き叫ぶ人の声でいっぱいになった。

 俺は転んだ人を助けながら逃げていった。いくら記憶があっても災害は無理だ。

 周囲はどんどん暗くなって行くマズい、「再生」の前兆だ!

 ()()死んだ時を思い出した。

 窒息死だな。

 今回は人の多い街中だ。「再生」防止のための術は町中に仕掛けられて居るはずだ。本来なら溜まった「淀み」は術によって実体化し下水と一緒に押し流されて行く()()()()()

 誰かが許可もなく(街中では特区以外は魔法は使えない)魔法を使いまくったか、違法な魔道具を使ったかで淀みが出たんだろう。

 チクショウ!

 死んでたまるか!せっかく音楽家になれた!今日買った楽譜試して居ない!腹も減ってる!それにそれに聖女ちゃんと歌いたい!!


 俺は周囲の人たちに向かって

 「立ってください!できる限り『淀み』から遠ざかりましょう!」と声かけ走ると言うより早足で歩き出した。

 周囲の人たちもつられて歩き出した。

 しかし淀みがどんどん迫って来る走り出したくなるのを抑えて足を止めない。

 だんだん限界が迫って来る。

 それでも足を止めない。

 止めたら死ぬ。

 どんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどんどん



 前方から光が来た。

 足が止まる恐怖では無い「助かる」と言う確信のためだ

 ふわりと明かりが広がり、白いローブの集団がやって来る。その中心に聖女ちゃんが居た。

 (霊力)は聖女ちゃんから出て居る。ゆっくりと歩きながら祈っている。

 聖女ちゃんが進むたびに暗闇が晴れて行く

 それに連れて息苦しさも無くなって行く

 「淀み」の中心部と思われる所へと進んで行く灯を灯しながら、

 

 美しいものを見た


 光の中進んで行く乙女を光を灯しながら


 淀みがスッカリ消えた。皆がほっとして居る中俺は聖女ちゃんを探した。

 人混みでよく見えなかったが、聖女ちゃんは疲れたのかしゃがみ込んでいた。

 

 駆け寄って声を掛けてやりたかったが、教団員が後処理で忙しくして居る中近寄る事も出来ないし、部外者である俺が行っても追い返されるだけだ。

 でも何かしてやりたかった。良くやった素晴らしかったと褒めてやりたかった。

 

 俺は聖女ちゃんに向かって親指を立てた。

 

 



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