36脱出する
今はとにかく脱出することだ。
幸い人混みが姿を隠してくれる。
一刻も早くここを出たいが、目立つのは不味い
突っ立って話し込んでいる連中の脇を通り
子供に言い聞かせて居る親の横を通り
教団員を褒めちぎって居るやつの割って入り
そんなこんなでゆっくりと出口へ向かう
出口まであと三人分くらいの距離になった時に
「みつけだぞ」
と腕を捕まえれた。
「お、おひさしぶりです」
一応挨拶礼儀は守らないとね
「貴様!いつまであの子に付き纏って居るんだ!」
怒鳴るなよ周りが見てっぞ。
「そりゃ音楽教師として雇われたんで仕事しただけです」
そうとしか言えない仕事コッチはしただけだし
「あの子の邪魔をして!」
どっちが邪魔してんだよ邪魔してんのはそっちだろ
「それはそちらで「あの子は私達の家族だから!」
「家族、家族って、血なんて繋がって居ないでしょうに」
血が繋がって居てもダメだろ
「あの子は彼女が残した存在!「確証ないでしょ」
そこまでしてなんで彼女にこだわるんだ?そんなに彼女が素晴らしい人だったのか?
それともそんなに霊力とやらが欲しいのか?
「ってなんて事を言うんだ!!!」
「だって「あの子は彼女が!」ってしつこいな」
握り込んできた
痛えな腕に力を入れやがった
と言うか誰も来ないなと思って居たら、どうやら騎士野郎の部下共に囲まれて居た。
周囲の人々は関わり合いにならない様にそそくさと出口へ向かって居る。
この調子だとかなりの数の教団員を買収して居るな。
「あの子はどこだ!」
早速かい声でけえな
「さあね、どこぞの誰かに攫われそうだから、奥にいるんじゃないでしょうかね」
「なんと!それは!大変だ!だから我が家に早く迎えると言って居るんだ!」
おいおいおいおいおいおい
「・・・自覚ないんかい」
タチ悪いな・・・
近くの無い悪意ってやつなだ。悪意有るやつの方がマシだな
「あの子の元へ案内しろ!」
「はいはいはい分かりました連れて行きますよ」
俺は騎士野郎に腕を掴まれたまま奥へ行くことにした。




