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37奥へと


 音楽家(軽薄そうな男)の男に連れられて、奥へ行くきっとあの子がいるはずだ。

 あの子を迎えたらまず何をしよう。

 傷つかない様に傷つけない様に、ふわふわした絨毯、レースのカーテンにリボン、愛らしいあの子に似合う様なドレスを作らせよう!

 お風呂に入れて綺麗に洗って、一緒にご飯を食べて、食が細いみたいだからから食べさせてと

 あとは寝るまでお話をしてやって・・・

 どこに行くのも一緒だ。公園、動物園、競馬場とどこにでも連れて行ってやろう。

 この世界のありとあらゆるものから守ってやる!

 「・・・気色悪いな」

 「何」

 「本人はあんたらの過干渉を嫌がっているのに分からないんだか」

 「かかんしょう?私はあの子の家族になろうと!!!」

 あの子と家族になりたいから

 「家族、家族ってたとえ例の彼女の子供であっても血は繋がっていないだろう?」

 冷酷に告げる音楽家とやらそれでも私は

 「それでも!それでも!家族なんだ!」

 懸命に告げる

 「その根拠は?」

 根拠?理由そんなの簡単だ

 「あの子は彼女にそっくりだ!」

 彼女の面影があるからこそ

 「そっくりなのね・・・それだけ?」

 もちろんそれだけではない

 「すばらしい霊力を持っている!淀みを一気に浄化した!」

 天が与えた力ださすが彼女の子!

 「やっぱり霊力目当て?」

 「違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!違う!」

 私は奴らとは自分たちの欲のために彼女を利用しようとする奴らとは違う!

 「どこが違うのさ」

 「私たちは私は違う!ただただ彼女に彼女の側にいて幸せにしたいだけだ!」

 信じて欲しい何度も彼女に言った!

 「幸せねえ・・・何が彼女の幸せなの?」

 それは

 「不自由はさせない」

 「でしょうねそれ以外は?」

 「私の側にいて、私と一緒に食事をして半分こにしたり食べさせあったり、一口づつもらったり」

 彼女とのお茶会でよくやったものだ彼女は恥ずかしそうにして居たなそこが可愛かった。

 「それ嫌がる人居るし、フォークとかの食器とか別にしたい人だって居るよ食事は全部食べたいって人もいるし」

 庶民の考えだ。

 「好きなドレスや宝石でアクセサリーを作らせて着飾らせたり」

 私に近寄る女達はみんなそうだった。でも彼女は違った。

 「あとは?」

 「一緒に公園に行って散歩し、競馬で馬を見たり、後はデパートで好きなものを買ったり、あとはカフェでお茶とか」

 貴婦人達が好む場所だ。

 「騒がしい所ばっかりだな」

 賑やかで明るい場所ばかりだ。

 「彼女を賑やかで明るいところへ連れていきたい!日の当たる場所で!」

 健やかで良いだろ

 「・・・賑やかな所が苦手だとか聞いたけど」

 「彼女には光の中で過ごして欲しい!」

 彼女は今まで家族の陰に隠れて過ごして来ただからこそ光の中で生きて欲しい!

 「なあ、アンタさっきから聴いていると自分がしたいこと、やってやりたいことばっかりだな。彼女のやりたいことは聞いたことないのかよ」

 「彼女のやりたいこと?」

 やりたいことか

 「そう、やりたいこと聞かなかったのか?」

 聴いたが、遠慮がちに目を伏せるばかりだった

 「ええと普通、夫人はドレスや宝石で着飾のが好きで、散歩が好きで、買い物が好きで、お茶会、舞踏会、パーティーが好きだと・・・」

 何を出しても遠慮がちで、慎ましかった

 「一般論だろ!彼女が好きなものは?」

 好きなものそんなの決まっている

 「本が好きだと聴いたが・・・」

 本は苦手だ。

 「本屋とか図書館とかに連れて行けば良いと思うが?」

 読むと眠くなるし、暗いし、教師に叩かれたことを思い出す。

 ここも暗い

 「でも・・・私はああいう堅苦しいところは苦手で「アホか!」

 うるさいと注意され、邪魔だと言われ良い思い出がない

 「彼女の好きな所に連れて行けば良いだろ!」

 だから明るい場所に連れていきたかったんだ。

 「でも・・・」

 「でもじゃないだろ!」

 音楽家(軽薄な男)とやらは、怒鳴って来た!

 無礼な!

 

 今気づいたがここはどこだ!周囲に誰も居ない!手のものも居ない!魔道具も無い!

 窓が無く、周囲はは懲りっぽいどうやら倉庫の様だ

 

 音楽家(クズ)に嵌められた!

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