4嫌いなものは?
「じゃあ苦手だなあイヤだなあと思うものはなに?」
「・・・いきなり体にさわられることと、・・・大きな声で話しかけられることです」
だろうなあここは予想通りだった。
「・・・あとは口にものを入れられるのも・・・」
次の日、同じ教室で聖女ちゃんのレッスンが始まった。
五日毎に二日ほど開けて3刻ほどのレッスン前の日時に言わせれば一週間の内土日休みで3時間くらいのカリキュラムである。そのうち1時間はカウンセリングに当てようと考えて居る。
聖女ちゃんの調子に合わせていこう。
その前に俺は教団員さんに聖女ちゃんのことを聞いてみた。
聞いて良いと思われる部分までだが
彼女はスラム街で生まれてそこの窮民院で育ったらしい国の「手入れ」が有った時に彼女が強力な霊力を持って居ることがわかり教団に引き取られたそうだ。
でもスラムという劣悪な環境で育ったせいか、感情が出せない、理解できないのだ。
とんでもない生まれだなあ大出世だけど精神が心が追いつかないんだろうな。
「それで芸術とかに触れさせることで感情を理解してもらおうと考えたわけですね。」
と俺は教団員さんに言った。
「はい、それで情緒が育てばと考えております。」
顔を曇らせて言った。
「なるほど・・・ではこの授業は私に一任させて欲しいのですが。」
どこまで介入してくるか知りたい
「それは・・・」
俯くどうやら彼女にそこまでの権限は無い様だ。
「そちらで手に負えないから外部のものに任せたんでしょう。それに音楽のことについては私の方が詳しいですよ。」
不満そうだな
「・・・それはそうですが」
「まあ、分からないのは私の様な若い音楽家に声が掛かったのか?とう言うところですが。」
そこが気になった。教団内にも音楽家は居るとは思うのだが。
「・・・すこし名が売れてきた方ですし、彼女には人慣れして欲しいので歳が近い方が良いとのことですが。」
「え、歳が近い?」
嘘だろ!一桁までは行かなくとももっと幼いと思って居た。
「彼女は今16歳です。あなたとは4歳違いですね。」
この国の成人年齢一歩手前だ。小学生くらいに見えた。
「すこし幼い様に見えますが?」
やっぱり何か有るんだろうな。
「環境が環境でしたので成長が遅い様なのです。才能は有るのですが・・・」
それも関係して居るな絶対
「それは見ました。なんでもどんな事もすぐに出来てしまうと」
そんな才能のやつは前にも見たな大抵ろくな末路じゃ無かった。前のドラマとかでも見たことあるし、小説とかでもあったなあ。
「それも関係あるのかも知れません。」
調査はして居るようだ。
「何かこちらから手伝って欲しいことは」
余計なことはしないで欲しい。
「その場合はこちらから伺いますので、聖女様への音楽教育は私に任せていただきたいです。」
「分かりました。よろしくお願いいたします」
よし、言質とったぞ!
「その・・・好きなもの探しと音楽がどう関係が有るんですか?」
と聖女ちゃん
「そうだなあ、音楽って生きるには必須というほどでも無いよね?」
後回しになる
「音楽家さんが言いますか?」
そりゃそうか
「まあ、でも生きるには楽しみが必要じゃないか?」
ただ生きるだけなら誰でも出来る。でも・・・
「・・・分かりません」
「そこからかあ」
何かを楽しむことが無かったんだろうな
「ごめんなさい」
自覚はあるのだろう
「まあ謝るな、で何が心地よいかを知りたい。」
と俺は穏やかに聞こえる様に言った。
「分かりました。」
と聖女ちゃん
「じゃあ苦手だなあイヤだなあと思うものはなに?」
となった
「それっていじめっ子に変なものを入れられるのがイヤなのか?」
虫とか石とか入れられた記憶とかあるなあ
「・・・ゆっくり食べたいのに口にいれられるのは・・・」
早食いだと思って居たが違うのかな?緊張して居たからかな?
「ペース乱されるのイヤか」
誰だってそうだよな
「食べて居る時に話しかけられるのも」
おしゃべりしながら食べる習慣は無いのかな?
「口にもの入って居るからなあ」
「目の前に何かを突きつけられるもの」
それは怖い
「先端恐怖症か」
怖いよなあ
「?」
「なんでこんなこと聞くんですか?」
「君の嫌がることはしたく無い」
「・・・ごめんなさい」
こりゃ傷は深いようだ。
「まあ、こっちは金もらっているからなあ。大丈夫だよ」
と俺はなんてことない様に言った。
「・・・」




