28強引な手段
あいつらが来ないだけでレッスンが進む進む快適だ。
聖女さんも調子が良いみたいだし良かった良かった
でもこんな調子の良いときこそとんだポカミスが起きるから気をつけないと
「音楽家さん・・・あの」
「どうした」
ひとしきり歌った後、聖女さんは教女認定が不合格だったと告げた。
「安定して霊力を出さないとだめだそうです。」
「・・・あれだけ出来てもか」
俺は今は専門家じゃないけどやっぱ細かいところで引っかかるんだろうな。
普通だったらまた頑張れになるんだろうが、今の聖女さんは変な奴らに狙われて居る。
正式に「聖女」として認定され教団に迎え入れれば手を出せないだろうと考えたのだが・・・
「素人の俺から見てもあれだけの霊力が出せるんだったら合格できそうだと思ったけど・・・」
教団の力はこれ以上借りられそうに無い
「こうなったらあいつらの強引な所業を知らしめるしかないなあ」
そうすれば世間の目もあるだろうし、貴族としての恥もあるだろう。
聖女さんは何か考え込んで居るようだ。
「音楽家さんはやりたいことがあったらどんな悪いことをしてでもやりたいですか?」
「それって?やりたいことが見つかったの?」
「・・・はい」
良かったやっと見つかったんだ!その割には浮かない顔だが。
「そうか、そうか、良かった良かった」
純粋に嬉しい
「あの・・・手伝ってくれますか?」
不安そうな顔で見上げてくる。
「いいよ!何でも言って!」
・・・あの子を手に入れるために教団員を買収して検査機の数値を誤魔化してもらった・・・
危ない橋を渡ってしまった。
でもこうでもしないとあの子を我が家に迎えられない!あの子は我が家が待ち望んでいた子なのだから!
私と結ばれるべきあの人の子供だから!
演奏会が終わったら迎えに行くんだ!あの子だってわかってくれるさ!
演奏会が終わったら、群衆に紛れてあの子に近づいて連れ出す!そして我が家の別荘に連れて行く!
そこで病気療養だと言って家に閉じ籠ってもらう、そして折を見て我が領地に連れかえれば、教団も手が出せない!
ああ、いっぱい愛情をそそいであげないと!甘いお菓子に、素敵なドレスに、ぬいぐるみにと色んなことをしてあげたい!
私達の愛情を注ぎたい!
あとは素敵なレディになるための教養やマナーも厳しくなるけど大丈夫だろ。
やりたいことは全てやらせてあげたい!お買い物や観劇や乗馬とかも!留学や旅行も良いな!音楽が好きみたいだから、演奏とかも!
音楽といえばあの男!新人の音楽家みたいだけど!あんないい加減で軽薄そうな奴は君の人生にはいらないから排除しても良いよね!




