19歌いたい
歌のアレンジしつつ歌のレッスンを進める。
「しかし意外だな」
「何がです」
「選んだの恋の歌だったからさ」
「・・・考えていませんでした」
「まあ、その手の歌って聴き心地の良いもの多いからな」
「やっぱり皆さん恋とかしなきゃいけないんでしょうか?」
「しなきゃ行けないって無いと思うけど・・・」
「お姉様達が・・・」
「教団員さん達がどうしたの?」
「音楽家さんがカッコ良いカッコ良いって言って居るんです」
「ふふふ俺はハンサムだからなあ」
顔には自信がある。
「不謹慎だと思うんですけど」
「不謹慎!」
真面目だなあ
「『教団員、使徒、教女は淫蕩に耽ってはいけない』って有るのに」
「思いを・・考えるだけなら良いんじゃ無いかな・・・そんな直ぐにはそんな関係にはならないと思うけど」
「思うだけなら良いんですか?」
「あとは一緒に居たいとか・・・」
「一緒に居たいかですか?」
「聖女さんには居ないのかな?一緒にいて楽しい人とか」
「・・・音楽家さんですかね」
「俺え!!!」
「そんなに驚くことですか?」
「いやちょっと・・・」
前にでもそういう対象になって色々拗れた後刺されて死んで居るからなあ。
まあ長い時間一緒に居るのは俺だしなあ。
「嫌ですか・・・」
「いや!いや!ぜんぜん嬉しいよ!!」
「良かった」
聖女さんの安心した様な笑顔を見て俺はほっとした。
「聖女さんは将来やりたいこととかあるの?」
ふと聞いてみた。将来なんて誰にも分からないけど、生きるのに目標はあった方が良い。
俺だって『将来何になりたいか』って決めたとたん生きているって言う実感湧いてきたもんな
「・・・将来ですか?・・・考えたことないです・・・」
「・・・浄化の力あるからやっぱ教女とか?」
「・・・はいそうなると思っていました。でも私の霊力は不安定だそうですので・・・」
ここだけは騎士野郎に感謝だな教団に使われる以外の道を考えるきっかけを作ってくれた。
「わたしは生まれて来た使命を果たせるんでしょうか?」
「使命ねえ」
「人には『使命』があるんですよ」
『使命』とやらはこの世界にうっすらとある信仰の様なものだ。
ただ無意に生きるより、科された使命を果たせと言う。
俺にはどうも合わない、やっぱり転生者だからだろうか?
「使命なんて、生まれたから生きるじゃないかな?」
「生きるですか?」
「昔聞いたことがあるんだけど、『人の使命はまず生きる事』だとでそこからだんだんと『自分の使命が分かって来る』んだそうだ。と聞いたんだよ。」
一番良いなと思って居る言葉だ。
前の先生から聞いた話だ。
あの人はいい人だったなあ。
「先生から聞いた話だ。」
「音楽家さんの先生ですか?その人も音楽家なんですか?」
「いや、学校の先生だったよ。字とか計算とか教えていたなあ」
「今も学校の先生なんですか?」
「・・・いやもう亡くなったよ」
「・・・ごめんなさい」
「いやいいよ、俺も先生の話出してきたし」
前の話だから今だとかなり昔になるなあ。
「俺なんかにも色々教えてくれてさ、さっきの話もしてくれたんだよ」
前の記憶に苦しむ俺に言ってくれたんだよな。
「そうですか・・・」
良い機会だ俺は先生の話をすることにした。




