17調査途中経過
「どう?進んでいる?」
「まあ、どうも進んで居ないんだよね」
俺はレッスンの休みの日に探偵事務所に行った。
調査の腕前は良い前に勤めて居た所だったからよく知って居る。
俺はここで聖女さんのお母様と思われる令嬢の調査を依頼した。探索なんざあの家が散々やって居るだろうから、あくまでも調査に。
「どの辺から?」
「まあ、今までの調査結果見てみてよ」
探偵から見せてもらう。
「どれどれ、と」
「えーと、家族構成は、父、母、姉、で、ご両親は美人で賢い姉にかかりきりで妹さんは基本ほったらかしだったとか言われて居るけど、ちょっと人混みに出るとうるさく感じるみたいだから、自分から引きこもって居たみたい」
聖女さんと同じ体質だなあ。
「医者とかには相談しなかったのかな?」
「しては居たみたいだけど、どうもあんまり・・・」
「結婚とかは無理だろうから、お姉さんを名家に嫁がせようと教養や美容にけっこうお金使っていたのが贔屓だと思われていたみたいね。」
「まあ家で孤立して居たのは本当みたい、学校の成績は良かったみたいだけど」
「であの家との婚姻なんだけど」
「うん」
「どうやら御子息が妹さんに一目惚れしたみたいなんだよね」
「突発的だな」
あの騎士野郎か?
「あの家との婚姻は良い話だったんだけど・・・お姉さんの婚約者がちょっかいを出したと」
「ちょっかいねえ・・・」
「本人曰く、妹さんの悩み相談に乗っていただけだと」
「相談に乗っていただけだと・・・よく言うよなあ」
「なんか実感こもっているんだけど、その手の経験おあり?」
「いや、けっこうよく聞く話だからなあ・・・」
昔それで話拗れて刺されて死んだんだよなあ。
「で、それでお姉さんと拗れたと」
「とう言うより妹さんの婚約者がそいつを責め立てて、婚約を破棄したんだって」
あの騎士野郎、姉の婚約をぶっ壊したんかい!
「それでご家族と拗れて、妹さんは婚約者の家に入ることになって」
「で結婚式の直前に消えたと」
「そ、婚姻証明書類が提出される前に消えたそうよ。サインする前に、やっぱり結婚がイヤで逃げたんだろうって周囲の人たちは言って居るみたい」
「やっぱり」
「で婚家は彼女をありとあらゆる手を使って探したんだけど、見つからなかったの」
「見つからない様に手を貸したやつがいるのかな・・・」
騎士野郎の政敵か、結婚に反対した奴らとか・・・後は・・・
「駅で妹さんらしい背格好の人を見かけたのが最後と有ったんだけど・・・」
「なるほどで、そっからの足取りが掴めないと」
「どうしたの?」
「・・・お姉さんは、どうして居るの?」
「妹さんが失踪してから、散々責められてご家族と引越されたみたい」
「・・・そっかじゃあ、お姉さん中心に調べてみてよ」
「お姉さんが協力したと?婚約破棄されたのに?」
「妹の結婚ブチ壊したいんだったら手を貸すと思う」
探偵は少し考え込んだ後頷いた。
「そっか・・・わかった。お代よろしくね」
「ああ」
「それにしてもとんでも無いこと思いつくんだね。コツをお聞きしたいわ」
「・・・まあ、いろいろあってね」
まさか前世からの知恵だとは言えない、さて音楽会の歌を聖女さんと決めよう。




