15役目
聖女さんは乱読派だ。
施設の図書室の本は全て読んでしまったそうだ。
絵本から始まって、童話、小説、教養本、専門書、まで読破したそうだ。
いままでは専門書や図鑑を主に読んでいたが、最近は小説や詩集を読む様になった。
騎士野郎のこともあり新聞には必ず目を通す様にして居る。
世間の情報も知っておかねば!
そこで俺の記事を読んだそうだ。
「音楽家さんって有名なんですか?」
「まあ名前は売れて来て居るけど、なんでだ?」
こう見えても新進機の音楽家だ。無名の頃には広場で歌は歌っていたし、なんせ顔も良い。
「新聞に名前が載っていました。」
「新譜出したからな」
そういや出していたな。そろそろ出る頃だったか。
「しんぷ?」
「新しい曲のことだよ。前から書き溜めていたヤツだったからもう出たんだなあ」
「・・・もしかして忙しいですか?」
「いや、そんなには・・・」
「私のせいで仕事ができないのかと・・・」
「いや!聖女さんに歌教えるの立派な仕事だし!」
「ご迷惑をかけて居るのではと・・・」
誰だよ!この子に自尊心を持たせなかった奴は!こういう奴には・・・
「言い方を変えよう!聖女さんに歌教えるのは俺の実績になる!」
「実績?」
「そう、ここで教団で実績を作っておけば、俺の名声が高まり俺に曲や歌を作ってもらいたい連中が押し寄せて来て、俺に金も名声も来るってわけだよ」
「・・・ご迷惑では無いんですね」
「そ!だから聖女さんが歌を歌ったらもっともっと名声が高まるってことさ」
「・・・そうですがわたしお役に立てて居るんですね。」
ほっとした様な顔をして居る自分が役に立つかどうか不安だったんだな。
他人の役か立つかどうかよりも自分が楽しいかどうかで判断して欲しい、他人を思いやれるのは良いことかもしれないけど、利用しようとする奴も居るから自分の事を考えて欲しい。もっとも騎士野郎みたいな自分の考え思いを押し付けてくる奴はダメだが。
いきなりだが聖女さんの一日
早朝5時頃に起きて、顔を洗いお祈りその後運動も兼ねて清掃、朝食ミルクとパンにスープ、果物など
午前の勉強1刻4教科、言い換えると1時限60分に4時限のこ辺は前世の学校と同じくらいかな?
そのあと昼食、サンドイッチとかが多いらしい
午後からは各個人により違う実習を受けるそうだ。たとえば聖騎士候補の子は武術と戦術の授業となり、魔導師候補は魔法の実習、街に出て奉仕活動とかもするそうだ。
「わたしだけ音楽の授業を受けろと言われました。」
前は武術や魔法の実習や奉仕活動などをして居る様だ。
「みんなが実習を受けて居るのに私だけ音楽だなんてと思っていました・・・」
まあ自分だけなんでと思って居たんだろうな。
「今はどう思って居るんだ?」
「受けて良かったと思って居ます!色んなことがわかる様になって」
良かったイヤだったらどうしようかと思っていたところだ。
「ちなみにどんな事がわかる様になったんだ?」
何がわかる様になってんだろ?
「大きな声を出すとスッとするとか、レモンスカッシュは美味しいとか、アイス乗せるともっと美味しいとか、あとは・・・」
ほぼ食べ物だなあ。
「イヤな事はイヤだと言って良いことですね。」
「上出来じゃないか」
とりあえず自分が不快だと思う事は認識できる様になれたんだな。
良かった良かった。




