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こりない一家


 とある上屋敷

 「あの子には会えましたか?」

 「断られました。」

 「まあ、」

 「この間連れ出そうとしたのがいけなかったようです。」

 「あの子は!あの人が残した私の家族なのに!」

 「教団には再三許可を求めていますが、なかなか」

 「貴方が会ったというあの男はどうなの?」

 「売り出し中の音楽家のようです。」

 「その者があの子に一番近い者なのですね」

 「其奴と接触してみたのですが・・・良い返事がもらえませんでした。」

 「・・・圧力をかけてあの子に近づけないからしら」

 「手紙を出して居るのに返事も来ませんですからね」

 「恐らく教団が、届かない様にしているんでしょう。」

 「まあ!あの子を手放したく無いんでしょう!あの子の霊力とやらは最高値だそうですから」

 「なんと!流石はあの人の子!素晴らしい子だ!」

 「我が家に招いたとき、あの人が帰って来たのかと思ったわ!かそぼそい声が可愛らしいことといったら!」

 「遠慮がちに断るところなどそっくりだ!」

 「あまりにも何も食べないから思わずケーキを口に入れてしまったわ。入りきらなくて、こぼれちゃったけど慌てる様子も可愛くて可愛くて」

 「服を汚してしまったからドレスを着せたわ、それがもう可愛くて可愛くて、女の子が欲しかったからもう嬉しかったわ」

 「そういや言っておりましたね。あの人を家に迎えようと連れて来た時にも・・・」

 「あのまま教団に居るのは危険だわ!淀みとやらのために幼い子も立たせるなんて!」

 「お役目とはいえ、幼き子を前線に立たせるなんて言語道断!」

 「教団に食い潰されない内に我が家に迎え入れないと!」

 「一刻も早く我が家に引き取らなけらばなりません」

 「騎士団の仲間たちに協力を仰いでみます」

 「私はサロンのお友達に呼びかけてみるわ」

 「今度こそあの子を幸せにしなければ!あの人を幸せ出来なかった分あの子を幸せにするんだ、ありとあらゆる災いから悪から守りたい!」

 「あの子を迎え入れたら、お部屋にドレスにぬいぐるみにおもちゃは・・・入りませんねそれよりも宝石にリボンにお化粧も教えないと、あとは淑女教育も!」


 あの子を手に入れなければ!

 


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