14家族とは
「音楽家さんはあの方に会ったんですか?」
「会ったと言うか向こうが強引に会わせられたというか」
急にコッチの都合でレッスンを休んでしまった訳を話したら、聖女さんは不安げに聞いて来た。
「・・・わたしの本当の・・・家族なんでしょうか・・・」
血縁関係は教団で調べて居る。
「今教団が調べてくれて居るから何とも言えないけど、聖女さんは家族が欲しいのかな?」
彼女の気持ちが大事だ。
「まだ分からないです。」
不安そうだ。
「そうだよな。いきなりどうとか言われても分かんないよな」
強引に連れて行かれて強引に家族だの何だの言われちゃなあ
「・・・わたしはあの人たちの元に行った方が良いんでしょうか?」
「今の時点じゃやめておいた方が良いと思う。」
「わたしがダメだからですか?」
自分が悪いと思って居るのか。
自己肯定感が低いというより無いなあ。
どういう目に遭って来たか予想がつくなあ。
「違うよ、あの人たちは君に対して配慮出来ていないそれに君はダメじゃない。」
「配慮?」
「急に事情も話さずに屋敷に連れて行って夕食どきまで拘束するのは可笑しいし、初対面でお菓子を食べさせようとしたりとか急に距離を詰めて来ておかしいし、それに・・・」
「それに?」
「小さい子に大きな声で話かけるなんて驚かせたり怖がらせたりするなんてダメだろ!」
「わ、わたしは小さい子ではありません!」
ムッとした様に叫んだ。小さくてもプライドは有る
「おっ元気出たね。落ち込んで居るみたいだから良かった」
「強引です」
確かに少し怒った姿は可愛らしい、でもそれは意図的にやるもんじゃない。
繰り返えされたらイヤになる。
聖女さんの母親とかどうか分からないが、そのお嬢様の事は調べておかないとな。
「そうだ、音楽会に出るのはどうする?」
「出ます」
と力強く宣言した。
意思表示するのは初めてだ。
「本当に大丈夫か?」
「大丈夫です!」
聖女さんにやる気があって良かった。これなら大丈夫だろう急にレッスンを休んだお詫びにその日はいつもより長めに歌った。




