13勘弁してくれ
「いい加減にしてくれませんか?」
と俺は騎士野郎に言う
「あの子にもう一度あわせてく「出来ません、それを判断する権限は私にはありません」
騎士野郎に絡まれて居る。
多分、家のつてを使って居るんだろう。
教団施設に通う俺を張って居た様だ。家を出てから人が見て居る様な気配があったから、人通りが少ない場所に誘き出したら、ひょっこり現れた。一般人のような服を着て居るが、騎士野郎だ。
「何が目的ですか?」と俺は尋ねた。
まあ、目的はわかって居るが。
「あの子に合わせてくれ!あの子は彼女が残した家族なんだ!」
場所を移して、詳しい話をしようと喫茶店に入ったが、席についた途端大声叫んだ!個室に通してもらって良かったけど声がバカでかい無意識なんだろうな。
「声を抑えて下さい聞こえております」
「あの子は我が家の光となる存在!今すぐにでも連れて行きたい!」
聞こえては居た様で、声を少し抑えては居る。
けどまだでかい。
「そのまであの子を気に入ったのですか?」
「あの子は彼女にそっくりだ!黄金の髪に海の瞳、彼女の紡ぎ出す言葉は美しく、彼女の思いつく事は素晴らしく、彼女は彼女は私の光だった!!」
「・・・その・・そう言う形容詞じゃなくて具体的なことをお願いしたのですが・・・」
かいつまんで説明すると、聖女さんのお母様と思われる人はこの騎士野郎の従姉妹にあたる存在で、一族一の美貌と知性の持ち主・・・である姉の影に隠れて居たお嬢様だそうだ。
大人しく、おっとりして謙虚で物静かなで女性だったそうだ。
姉ほどでは無いが機知に富み良く本を読んでいたそうだ。
「私はいつも姉の影に隠れて、家族も姉ばかり見ていて彼女はほぼ放置!いつも窓辺で本を読んでいて一人ぼっちの彼女を色んなところに連れて行ったのだ!喫茶店!話題の劇場や競馬場!あとデパートとやらにも!」
「・・・その彼女さんは何と?」
「楽しかったと!その後休んで居るみたいだったから、少し体が弱かったのかもな。だがそんなところが守ってやりたくなる・・・」
じゃあ連れ出して振り回したりするなよ、本当に病弱だったら大変だろ。
「そうですか」
と思ったが顔には出さない、ポーカーフェイスは得意だ。・・・もしかして聖女さんと同じ体質か?連れて行ったところもデートスポットだけど騒がしい場所ばっかりだったからなあ。
「彼女とはほとんど婚約が成立する直前だったのだ!それがあの男の!あの男の!せいで!」
「あの男?」
色恋沙汰かよ面倒だな
「姉の婚約者が彼女に・・・穢らわしいあの男が手を出そうとしたのだ!」
とは言っても食事に誘ったりとか本屋に連れて行ったりとかのものだったが、お供を巻いて二人きりになろうとしていたそうだ。でもすぐに姉にバレ、その男は婚約破棄されたそうだが・・・彼女は元々家族とは仲が良くなかったらしい、誘惑しただの何だの貞操がどうとか言われて家を追い出されそうになったのだそうだ。
「だから私の家に来て欲しいと私が守る言ったのに!家族だって彼女が気に入って居た!でもでも親戚連中は!『あんな家と縁続きになるのは家のためにならない』『陰気な女なんて』『傷物かも』と追い詰め!彼女の家族は姉とやらのイヤらしい女の世話ばっかりで、彼女を教会に渡そうとするしで私は早く彼女を救おうと必死だったんだ!」
教会は魔力異能重視の教団と違い、福祉向けだからまあ酷い目にあった貴族子女には順当だろう
「元の家族と縁を切ってもらい、我が家でも迎える準備が出来て、もう大丈夫だと思ったあの日!私に何も言わずに彼女は行方を眩ましたんだ!」
・・・逃げたなこりゃ、その果てがスラムで・・・とは酷い話である。
今の時代は未婚の若い女性でも就ける安全な職はたくさん有る代筆師、家庭教師、本が好きみたいだから、司書とか魔法が使えれば別の職業だって、就ける。
でも聖女さんを産んだとすれば、けど、世間知らずのお嬢様は世間の闇に落ちてしまった。無責任に産み落としてどっか別の場所に行ったかもしれないが、禄なものじゃないやっぱ自分の身は自分で守らなきゃなあ。
読書で得た知識だけじゃあ対抗出来なかったわけだ。
「・・・で償いとして彼女を引き取りたいと」
もし彼女の子供じゃ無かったら引き取らないのかな?
「教団なんかよりも誰より誰よりも私が幸せにしてやる!」
一番聞かなきゃ行けないことを聞くこととした
「彼女を家に招いたとき彼女に何をしたか分かって居ますか?」
「私は晩餐しか参加出来なかったが、ドレスを着たあの子は愛らしかった。姫君にも匹敵するくらいの愛らしさ、まるで彼女がいるのかと思ったくらいだ!食事を勧めても遠慮して居る謙虚さも彼女にそっくりだ!」
そっくりって・・・コイツ聖女さんを見て居ないなあ。
「あの子が食べないから母があの子に食事を食べさせたから私も・・・「押し込んだんですか?」
てめえ!口に無理矢理押し込んだのか!
「いやその・・・ほおをいっぱいに膨らませて居るのが可愛くて・・・」
「喉に詰まらせたらどうするんですか?」
「・・・でも可愛くて」
「大きな声で話しかけ続けたと聞きました。大きい音は小さい子供は怖がります」
「話をしたくて「大きな声じゃなくても良いですよね」
「でも・・・」
「彼女の健康が第一ですよね!」
・・・不安しかない、確かにコイツの家に引き取られれば、聖女さんは不自由なく生活できるというか溺愛されるけど、繊細というより感覚が他人より過敏な彼女がこの家族の元で暮らせるとは思えないし、彼女のコピー能力には過剰なまでに反応しそうだ。
彼女は過干渉でボロボロになる
コイツらは彼女にとって何が最良か全く分かって居ない。
血縁は有るとは限らないんだよな。まだ可能性だけで・・・
「その『彼女』のしゃ・・・顔が分かるものって有りますか?」
おっと危ない写真とか言うところだった。
こう言う奴は彼女の肖像画とか持って居るはずだ。ペンダントとかにして
「いつも肌身離さず持って居る!」
とブローチの宝石をずらして肖像画を見せつけて来た。
「見せていただけ・・・お綺麗な方ですね。」
「そうだろ!美しく慎ましい女神なのだ!」
なるほど確かに知的美人と言う感じだ。
でも似て居るか?
絵画だから美化されて居るからなあ




