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11/12

10とある家


 いきなり大きな家に教団員さんに連れて行かれました。

 何が有るんですか?と聞きましたら、

「お茶に呼ばれたんだよ」と言われました。

 大きな家に入るとフカフカで沈みそうなソファに座らされこの家族が来ました。

 旦那様と奥様と次男の方だそうですがあいさつしてくださいました。

 「なんて可愛らしい」「良い子みたいだな」「綺麗な子」

 と話しかけられました。何だか分からないでいると、どっと私以外の皆んなが笑い出しました。

 塔みたいに重なったお皿にのった沢山のお菓子が運ばれて来て、お茶の時間が賑やかに始まりました。

 入れてくれたお茶に「お砂糖はいくつ?」と聞かれて、

 「いりません」と言ったら

 「遠慮しなくて良いんだよ」と言われてたくさんお砂糖を入れられました。

 みんなわたしが何かする度に笑いなんで笑うのと言ったらあなたが可愛いからだよと言いました。

 恥ずかしいからやめてほしいですと言ってもやめてくれません

 いきなりクリームがいっぱい付いたお菓子を口に突っ込まれました。

 顔中にクリームが付いて驚いてむせて居ると

 「まあ可愛い」と奥様は笑って居ました。

 「いきなり何ですか?」と聞いたら

 「お菓子を食べて居なかったからつい」と

 「喉が詰まるかと思いました」

 「まあごめんなさい」と奥様は言いました。

 「クリームで服が汚れちゃったわね着替えましょう」

 と奥様はわたしを別のへやに連れて行きました。


 まずお風呂場に連れて行かれ、アワアワのお風呂に入れられました。

 「ここまでやらなくても・・・」

 「遠慮しなくて良いから」

 と言われたので大人しくして居ました。

 泡を流されてタオルで拭かれたらたくさんの服が有る部屋に連れて行かれ、

 どれが良いと言われて

 「元の服が良いです」と言ったら

 「遠慮しなくて良いから」と色んな色のドレスを着せられて、これが良いこれも良いとか言われて疲れました。

 そして鏡の前で髪をくるくるにされてふわふわのピンク色のドレスを着せられました。

 皆は「可愛い」「可愛い」「天の使いと呼ばれるくらいはあるわ」と言って居ます。

 ・・・正直動きづらいです。


 「帰らなければならないので、服を返して下さい」

 と奥様に言ったら

 「まあまあ、これからお夕食なのぜひ食べていって」と言われて座らされました。

 長いテーブルの上にお肉やお魚やスープのお料理がたくさん並べられて夕食が始まりました。

 みなさん大きな声で話かけてきて少し怖かったです。

 大きな声でなくても聞こえるからもう少し小さい声で話して下さいと言ってもやめてくれませんでした。

 「こちらのお肉美味しいわよ」

 「このお魚も」

 と言って隣に座った奥様に口にたくさんのお料理を押し込まれて喋れません、飲み込んだら直ぐに押し込まれるので苦しいです。

 こっそり吐き出しました。

 デザートのクリームを口に押し込まれました。

 のどが渇きます。口の周りについてベトベトします。

 拭いてくれようとして居るんでしょうが、事あるごとに顔に触ってこようとするのがイヤでした。

 触られるのが一番イヤな場所なのです。

 みなさま楽しかったと言っていましたが、

 わたしはわたしは・・・すごく・・・すごく・・・疲れました。





「そりゃえらい目に会ったなあ」

 と俺

「みんな笑って居て怖かったです。」

 と聖女さん

 どうやらどこぞの貴族の家に招かれてお茶と夕食をご馳走になったみたいだけど、聖女さんの事情を知らされて居なかったんだろうか。人前で口を開けたりするのが嫌だとか、大きい声が苦手だとか。

 聖女さんは普通の人より耳が良い()()()()()()のだ。だから()()()()()()()()()()()()()()()()、人の多いところへ行くときは耳栓をつけて居るそうだ。

 となると他の五感も鋭いんだろ、触覚とかも鋭いから触られるのも嫌なんだろうな。

 皆が笑って居たのは聖女さんの嫌がって居る姿が可愛かったからなんだろうな。

 でもこう言うのってやられた本人は嫌なものだからなあ。聖女さんのトラウマにならなきゃ良いんだが・・・

 


「教団で音楽祭があるみたいなんだけど、それに出てみないか?」

 提案してみる

「音楽祭ですか?やって居るのは知って居ましたが。」

 いままで関係無いと思って居たんだろうな。

「君の歌を誰かに聞かせたいから音楽祭にでてみようよ」

 人前で歌えば自信も付くし、他人の接触に不安になることも無いだろう。

「私が出ても大丈夫でしょうか?」

 まだ不安なんだろうな。

「教団関係者なら誰でもって有ったから大丈夫でしょ。」

 教団の行事だから出れるでしょ


「じゃあ今日は楽しい歌を歌おうか?」

「楽しい歌ってまた変な歌詞の歌じゃないですか?」

「そんなんじゃ無いって」

 

 しかしこの後面倒なことになって行くのだった

 



 はたから見ると微笑ましい光景なんですがね。

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