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水の戦乙女(アクア・ヴァルキリー)   作者: らいとふっと
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独白 (side : リタ)


新たな戦乙女(ヴァルキリー)であるセーラ・ミズキ。


先日デューレと共に合流した彼女。

魔神との戦いで殉じた聖戦士(パラディン)、ロヘラングリンの婚約者であったと聞いている。

そして、異世界より召喚されし巫女でもあると。


そんな過去の経緯はどうでも良い、些細な事だ。


正直に言う。

戦力的には足手纏いになると思っていた。


何故なら、彼女の持つ属性の力は水。

はっきり言わせて貰うと、使えない属性である。

そのポテンシャルは低い。


その筈だった。



死の渓谷(デス・キャニオン)に於ける飛竜(ワイバーン)の大群との戦いでも、予想通りにさしたる戦果も挙げられなかった。


あくまでも、自分やデューレと比べたらの話である。

普通の冒険者レベルなら、 SSS(スリーエス)級なのは間違いない。


しかし、最終的に挑む事となるのは魔王。

勇者は召喚されず、聖戦士(パラディン)もいない現状で無謀な戦いに挑まなければならない。


英雄、強者、そんなレベルでは話にもならない。

つまり、人知を超える存在にならねば勝ち目は無い。




続く大魔獣(ベビーモス)との戦い。


あれは自分の誤算であった。

あれほどまでに超巨大な体躯を持つ巨獣。

今まで眠りに就いていたから、本来その餌となる飛竜(ワイバーン)が大量発生していたのだろう。


自分やデューレの力を以ってしても、太刀打ち出来ぬ強大過ぎる敵。

絶望的であった。

自らの無力さに狼狽するしかなかった。



たが、しかし。


セーラだけは違っていた。

自らの能力を冷静に見極めていた。


そして、大魔獣(ベビーモス)を瞬殺した。



その強さに、恐怖すら覚えた。

彼女が元に居た世界での知識、それが水の力を使いこなす要因である様だ。


この世界とは違い、魔法は存在しないという。

しかし文明レベルは遥かに高く、空には鉄の鳥が音速で飛び、陸では鉄の車が馬より速く走っているらしい。

更に、世界中どこに居ても会話が出来るシステムが構築されているとの事だ。


想像すらつかない話である。


彼女自身、専門的な事は全く解らないらしい。

その程度の一般知識ですら、この世界では人知を超えたものとなる。


それが水属性の力に加わりし時、セーラは最強の存在となったのだ。

この先にも、新たな水属性の力を見せつけてくれるであろう。

そして、世界を救うのは彼女だと確信している。



未来永劫に語り継がれるであろう、水の戦乙女(アクア・ヴァルキリー)の伝説が始まるのだ…!






「レイきゅ〜ん、そろそろお風呂入る? セーラお姉ちゃんと一緒に入っちゃう? 」


背後から響く声。


いつか執筆するであろう水の戦乙女(アクア・ヴァルキリー)の英雄譚には、彼女の品性については一切描かない事を誓うリタであった。

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